ポコアポコヤ

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「大きな熊が来る前に、おやすみ」「TEEN AGE」感想

2007-06-09 | 小説・漫画他

「大きな熊が来る前に、おやすみ」島本理生
酒井駒子さんの表紙に惹かれてという、不順な動機で読んでみました。
全然想像していた内容と違って、驚愕・・・。
面白くて、あっという間に読んでしまったものの、読んだ後味はあまり良いとはいえないかな・・・。

3つの短編が含まれているのですが、3つとも、なんだか暗いお話で、暴力話だったとは・・・。

1,「大きな熊が来る前に、おやすみ。」
なかなか眠れない夜に「大きな熊が・・・」という、北海道の言い伝えがあるそう(道産子ですが、初めて聞きましたゾ)幼い頃の父のこと、どこかその父に似た・・優しい恋人とのこと・・・

2,「クロコダイルの午睡」
無神経な言葉で、全く自覚せず、自分を傷つける、裕福な同級生。
☆以下ネタばれ☆ 文字反転してください
こんな狭いユニットバスじゃ・・・って言うこんな男、私は大嫌い。
Vネックのセーターを買って着替えて行った彼女への「同じ様な服ばかり」とか、もうもう、デリカシーが無さ過ぎる。
でも、この主人公の女の子も、育ちが苦しかったせいか、少し歪んだ性格になってしまっている。彼女が頭に来る気持ちはすっごく解るけど、アレルギーのソバを入れちゃうなんて怖いーー!! こんな男とは、一切付き合わなきゃ良いのに!
主人公が、この男やこの男の彼女を憎く思ってしまう部分が、ちょっと「白夜行」の雪穂が親友をあんな風にしてしまうようになった深層心理とどこか似ていて、怖くなりました・・・。
以上

3、「猫と君のとなり」
かつて同じバスケ部で一緒だった男の子と久し振りに再会・・・。
男の子は獣医になろうとしており、しかし、彼は人付き合いが苦手?というか、言葉のやりとりがズレてるというか・・・。

3つに共通するのは、主人公の女の子が、料理が上手で、地味で、なんだか暗い湿度の高い?女の子だということ。

出版社 / 著者からの内容紹介
徹平と暮らし始めて、もうすぐ半年になる。だけど手放しで幸せ、という気分ではあまりなくて、転覆するかも知れない船に乗って、岸から離れようとしている、そんな気持ちがまとわりついていた――。新しい恋を始めた3人の女性を主人公に、人を好きになること、誰かと暮らすことの、危うさと幸福感を、みずみずしく描き上げる感動の小説集。書き下ろし1編を併録。

島本理生さんのお話を読むのはこれで2回目、最初に読んだのが「TEEN AGE」という何人かの作家さんの短編集でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「teen age」
角田光代・瀬尾まいこ・藤野千夜・椰月美智子・野中ともそ・島本理生・川上弘美 の7人が描くティーン・エイジの物語。  

神さまのタクシー(角田光代)女子寮のお話、面白かった。/狐フェスティバル(瀬尾まいこ)田舎に転校してきた都会っ子のお話、これも面白かった。/春休みの乱(藤野千夜)/イモリのしっぽ(椰月美智子)/ハバナとピアノ、光の尾(野中ともそ)/Inside(島本理生)/一実ちゃんのこと(川上弘美)

ガーン!!島本さんのお話は、どんな内容だったか、思い出せない 汗)
お母さんの入院と彼氏との話・・らしいんだけど・・・。キャー!まだ読んで何ヶ月かしか経ってないのに・・・

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10 コメント

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Unknown (june)
2007-06-09 20:16:16
私も酒井駒子さんの表紙にだまされました。
でも、読んでから見ると、確かに黒い表紙だし
内容を暗示してたのかもしれません・・。
男の子のデリカシーのなさに憤慨してましたが、
確かに女の子たちも、そういう男の子を
呼び寄せてしまうものを持ってる気がしました。
それが暴力の連鎖だとしたらなんだか辛いです。

私も短編集とかアンソロジーの内容、すぐに忘れてしまいます。
あとで自分の感想を読んでも全く思いだすことができないのが
恐ろしいです・・。
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juneさん☆ (latifa)
2007-06-10 11:06:43
こんにちは、juneさん
うん、うん、表紙の可愛らしさの中に潜んでいるダークな感じは、この小説に通じるものがある気が私もしました!

>女の子たちも、そういう男の子を呼び寄せてしまうものを持ってる気がしました。
 juneさん、す、するどい・・・

島本理生さんの文章、結構気に入ったので、他もまた読んでみたいと思います☆
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絵本だと・・・ (牧場主)
2007-06-10 18:13:12
この間お話した酒井さんの本は、島本さんの本だったのですね。
今度探して読んでみます。
酒井さんの絵も見てみたいし。
ところで、酒井さんの絵で一番好きなのは、ミシェル・ペイヴァーさんの「オオカミ族の少年」の2巻(副題「生霊わたり」)だというお話をしたときに、まだ2巻しか出ていないと書きましたが、3巻(副題「魂食らい」)を今日、本屋で見付けました。
1,2巻より意外なほど明るい色を使っていて、でも、まつげに赤、頬にブルーがあって、ドキドキしました。

島本さんの本は、「リトル・バイ・リトル」と、「ナラタージュ」を読んだことがあります。
「ナラタージュ」は、随分煽ってある帯が付いていて、成る程、どっぷりと恋愛について書かれてあるなと思いましたが、あと、一年もすれば、忘れてしまうような気がします。
「リトル・・・」も、良かったけど、新人で、若くてという付加価値がなくても良かったかどうか・・・
私は、いつも、新人の日本人作家の本を読むときに、100年後、文学史というものがまだあれば、載るほど価値があるのかな、と想像します。
その時は私も今例えば生まれたばかりの赤ん坊も死んでいるのだけど。
今、芥川賞は結局取れたんだっけと疑問に思って調べたら、取れてなかったんですね。
それより、佐藤友哉と結婚していたんですね。
インターネットって・・・ホントに・・・便利だけど、気軽に興味本位で暴くんですね。
のぞき見した気分・・・
ははー・・・私は彼の作品は、絶対純文じゃないし、それこそ文学史から遠い人だけど、彼は彼しか出来ないことをしているので見守りたい作家なんですけど、そうでしたか・・・


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Unknown (藍色)
2007-06-10 23:29:25
こんばんは。
デリカシーのない異性からダメージを受けたヒロインたちが、痛々しかったですね。
地味で生真面目なのが似ているみたいで、苦しさがわかるような気がしました。
横レスですけど…呼び寄せないように気をつけなくっちゃです。
「teen age」も読んだんですけど、やっぱり忘れてます(汗)。
トラバさせていただきました。
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牧場主さん☆ (latifa)
2007-06-11 12:48:36
そうなんです、この間お話した酒井さんの本って、コレだったんですよ。
「オオカミ族の少年」ちょっと読み始めた処ですが、面白いですよ!ワクワクして進んでいます。
3巻(副題「魂食らい」)の表紙は、明るい色合いなんですね?私も今度本屋さんで見てみますね☆

牧場主さんは、島本さんの本、「リトル・バイ・リトル」と、「ナラタージュ」を読んだことがあるんですね。なんとなく、2つとも、それほど読まなくても良いかな・・・?って(^^;)感じがしちゃいましたが・・・。

>佐藤友哉と結婚していたんですね
私は、恥ずかしながら、佐藤友哉さんって知らなくて、結婚されたばかりだというのは、他の方のブログで知りました。この佐藤さんのことを、調べてみましたら、北海道出身者なのですね。この人の作品は、牧場主さん的には、見守りたい・・と良い表現をしてあったので、個性的な小説を書かれる方なのかな?
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藍色さん☆ (latifa)
2007-06-11 12:51:54
藍色さん~こんにちは!
お忙しいのに、すいません
主人公の女の子達に、つい肩入れして、守ってあげたい?というか、励ましてあげたい気持ちに私もなりつつ読みました。
こういう繊細な女の子に、無神経な男性達が、グサグサ来る発言浴びせて~~!!

いつも藍色さんちは、度々立ち寄らせて頂き、参考にさせて頂いております。今後も宜しくお願いします
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お邪魔します (みみこ)
2007-06-25 10:31:37
アンソロジーは、自分がどの作家さんと相性が
いいのか、見つけ出すきっかけにもなるから
いいですよね。たしかに、色々本を読んでいると忘れてしまうものもありますよね。私は映画と本の内容がごっちゃになることもあります。
島本↑さんの大きな熊~~は、面白そうですね。
今度チェックしてみます(予約に時間がかかるのが難点ですが・・)
ナラタージュは読んだことあります。
純粋な恋愛小説ですよね・・。
latifaさんはこの手の話は映画も本もあまり・・好みじゃあないような気がしますが。。勝手にですが。
あ・・でも恋愛観がわかるので、感想は知りたいです・・笑
ではではまた・・。
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みみこさん☆ (latifa)
2007-06-26 08:45:32
こんにちは~みみこさん
全然話題が違うんだけど、昨日pureを見ました。
う~~む。。。重くて、苦手な映画だったわん・・・
私、無責任な母?が出て来て、子供が苦労する映画って、可哀想で見てられなくて、頭に来ちゃうんだ。(「誰にも言えない」とかもそうだったけど)
後で、みみこさんちのpureの処にお邪魔するね。

で、ナラタージュ、ダメっぽそうですか?
みみこさんには、私の趣味嗜好とか、バレバレだからな~(^_^;) 
でも、そう言われると、ホントにダメかどうか、確かめてみたい気持ちも少しありますな^^
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こんばんは♪ (ミチ)
2007-08-31 22:19:32
やっと図書館の順番が回ってきました。
島本理生さんの本は3冊目ですが、読みやすいですよね。
ちょっと暗めで湿度のある感じは嫌いではないですが、やはり「暴力」が絡んでくるのは個人的には嫌悪感を感じます。
女の子たちがスパッと男の子と別れられないのは案外リアルなのかも。
(なんせ恋愛経験値低すぎて・・・・)
「ナラタージュ」ですけど、私はかなり面白く読みましたが、latifaさんはダメっぽい気がします(笑)
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ミチさん☆ (latifa)
2007-09-01 11:11:03
こんにちは、ミチさん
>女の子たちがスパッと男の子と別れられないのは案外リアルなのかも。(なんせ恋愛経験値低すぎて・・・・)
↑ここ、ミチさんと同じに思いましたど~(^c^;)
自分も、ズルズルと・・って苦々しい経験していたら、凄く感情移入して読めちゃったのかもしれない。
でも、多分私の性格から行くと・・、ズルズルになる前に、別れよう!と自ら言って別れたものの、しばら~く自分の心の中で引きずっちゃう系かな?と(^_^;)
ズルズルって私の場合、すごくストレスになっちゃいそう・・

あらっ、ナラタージュ、ミチさんも、私ダメそうな予感がしますか?
ミチさんにも、すっかり私の好みや思考回路を把握されちゃってるからなぁ~

そういえば、少し前、旦那様の佐藤友哉さんって方の本を2冊ほど借りてみたんです。それと前に何かのTV番組に出て話しているのを見た感じで、なんとなく、島本さんと合う?感じがするというか、この2人が一緒にいるところが想像すんなりつくというか・・・そんな感じでした。 ただ、佐藤さんの小説は、私にはあまり相性良くなかったみたいでした。まだ2冊だけなので確定じゃないですが・・。
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