ニューエイジ
先週のお礼拝で、「心霊術の大欺瞞」についてお話をしました。時間の関係上、そのときにはお話できませんでした「ニューエイジ」について、少しご説明させていただきます。
「ニューエイジ」は、霊媒や口寄せのように明らかに心霊術である、と分かるようなものではありません。しかしその分、私たちはよけいに注意を払うべきかと思われます。
この「ニューエイジ」は、教育、ビジネス、スポーツ、医療、健康プログラム、科学、宗教など多方面に浸透している霊的な潮流です。世俗的なプラス思考、ヨガ、瞑想、心霊療法、リラクゼーション、統合医療、気、気功などに、この流れを見ることができます。
その特徴として、少なくとも次の二つを挙げることができます。
1.汎神論的影響
1つの特徴は、汎神論的影響です。「ニューエイジ」は、すべてが神であるとする汎神論的影響を受けて、宇宙全体に浸透する霊力を説いています。そのため、神の概念が宇宙エネルギー・宇宙意思といった、人格を持たない力として考えられる傾向にあります。これは聖書の神様、ご人格を持たれる神様とは大きく違っています。
また「ニューエイジ」では人間も神性(宇宙の意識または霊力)をおびているとします。たしかに聖書にも、人間は神様の像に似せて創造された(創世記1:26)とありますが、本質的には、人間は被造物、神様は創造主として決定的な違いがそこにはあります。人間を神格化することはゆるされておりません。
2.全一の法則(ONE)
もう1つの特徴は、すべては1つであるという全一の法則(ONE)です。「ニューエイジ」の思想では、すべてが本来1つであり、一体であるとします。数ある宗教、理念は互いに矛盾するものではなく、1つであり、極端な場合、善も悪も、生も死も1つにまとめようとします。
ニューエイジの立場で書かれた『ニューエイジの到来』(浅野信.たま出版)には、次のようにこの全一の法則(ONE)が説明されています。
「ONEは、1つの真理、1つの宇宙、1つの神、1つの地球、1つの家族、1つの愛、1つの心、1つの理想・・・皆が1つ、皆が一緒、皆が同胞、宇宙人もわれらが兄弟姉妹自然も友だち―という概念です。ここでは、対立、争い、拮抗、競合、矛盾、独立、孤立、分離、背反、批判、否定、離反などはおろか、反キリスト、悪魔、別々、差別、闇、敵などの概念すら存在し得ません。反キリストとか敵という概念が、そもそもONEの精神のもとでは考えられないのです。すべてわれらの同胞、敵も友だち、皆兄弟、皆仲良し、皆1つ、内も外もなく皆同胞・・・としか表現しようのないものがONEの徹底した精神です。したがってたとえば、1つの神という場合、神でない部分、神以外の悪的要素を自己のうちから排除して、それらと区別し、一線を画して1つの神と言っているのではありません。そうではなく、すべてが神、宇宙全体が神、それしかない、ということです」(『ニューエイジの到来』26)。
しかし聖書は語ります。
「あなたがたはこの世に倣ってはなりません。むしろ、心を新たにして自分を変えていただき、何が神の御心であるか、何が善いことで、神に喜ばれ、また完全なことであるかをわきまえるようになりなさい」(ロマ12:2)。
ホワイト夫人は終わりの時代に行われるサタンの心霊術的欺瞞について、くしくも次のように警告を与えています。
「わたしは、主が、わなを発見する機会を世にお与えになったのを見た。クリスチャンにとって、ほかになんの証拠がなくても、この一つの証拠だけで、十分である。それはすなわち、そこには尊いものと汚れたものとの区別が全くないということである」(『初代文書』428、429)。
大阪 藤田昌孝
(No.629,08,11,15.大阪センター教会牧師室便りより)