それみし

よしなしこと

ODAって? ③視点を中国へ

2006年03月30日 10時46分23秒 | ちえのわ
さて、日本のODAのうち一番多くの額を与えているのはどこかといえば、それはお隣中国。
日本のODA予算の2割程度が中国に供与されています。
因みに、逆の立場から見ると中国が受け取るODAの9割以上が日本から。
毎年2千億円程度が中国政府に支払われています。

で、そのお金がどんな風に使われているかというと…
中国政府が定めた国家の重点政策のために当てられている、というのがその答になりますか。
中国の国営企業(公司)が手がける大型公共事業に対する投資が殆どです。
例えば北京。空港、地下鉄、道路、電化鉄道などなどですね。大都市の交通インフラや大型土木工事で日本の資金が入ってないものを探す方が大変、というのが実態の様子。

そういう、大都市整備事業のために使われるODAが本当に中国のためになっているの?という疑問は昔から指摘されているようですが、社会的議論にはあまりなっていませんね。

また、国家の重点政策である以上、日本からのODAが無くても必ず実施されるに違いないものである、という点もまたポイント。
日本からの資金を受け入れることで、その分資金的余裕ができ、他の所に予算を廻せるようになるという考え方もあるわけです。
例えばそれが軍備であったり、宇宙開発であったり…
(というかそもそも、都市整備と軍備を殆ど同一視しているところもあるようです。兵器輸送を考慮した道路整備だったり…)

それから、日本から2千億円を受け取っていながら、カンボジアやモンゴルなどに計600億円を援助しているという実態もあります。
一方では「弱く貧しい国」という立場で資金を受け取り、また一方では「強く留める国」として援助を与えている、そのような矛盾がまかり通る国でもあります。

というのも、やはり国土の広大さと莫大な人口規模によるもの。
ODAが国対国の形である以上、一旦与えたお金の使い道は基本的には受益国の意向に基づいて使われることになります。
だから、大都市の整備事業に使われるわけです。
だから、農村部との格差が広がるわけです。

結局、現在の中国は国土全体の発展という視点では失敗しています。(そもそも国としてそれを目指していないようにも見えます)
なので結局、日本から見れば援助対象となる「弱く貧しい国」であるわけです。

また続きで。

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