それみし

よしなしこと

ODAって? ④で、何が言いたいかというと

2006年03月31日 18時58分17秒 | ちえのわ
じゃぁここまで書いてきて何をしろと言うのか、それを纏めていきましょう

中国は広大な国土と13億を越える巨大人口を抱える国です。
巨大国家、沿岸部の地上最大の都市もあれば砂漠のような乾燥地帯もあります。

この中で日本のODA資金が落とされているのは、90%以上が大都市。
このまま進めば、都市部はどんどん近代化が進みます。すみやすく快適な都市ができてくるわけです。
そうすると内陸地域の住民は当然、仕事・お金を求めて都会に出てきます。
いくら都市が発展しても、広大な国土から巨大な人口の流れ込みが続けばスラム化などの悪影響の方が凌駕しますし、その逆に内陸は生産年齢人口が極端に減り、生活基盤を支えることが困難になってきます。

答は簡単。
都市でなく内陸地域に金をつぎ込むのです

内陸地域にお金をつぎ込むといっても、内陸に突然北京空港のようなものを作っても意味は無いですし、それ以前に多分、作れません。
例えば病院や学校の整備、例えば水の確保、例えば教育制度や保健医療の徹底。
そういったものが求められているはずですから、そういったものを作ればいいと考えます。
一つ一つは、空港ほど金はかかりません。
しかし内陸地は広大ですから、そのようなプロジェクトを実施する場所はいくらでもあります。
またポイントが分散すれば、それだけ管理コストもかかってきますから、直接的に「モノ」に費やせる金額は減るでしょう。

それでも、大都市事業よりも、日本に対する効果が大きければいいわけです。
ではその効果を考えて見ましょう。


無ければ無いで生きていくこともできる都市の高度インフラは、そもそも誰の力で建設されたかなど気にすることはあまりないものです。
逆に、ライフラインとして大事な生活に密着した援助であれば、それを作る資金をくれた相手に対して好意を持たないはずがありません。

内陸部の生活基盤を整えることで、都市への人口流出を防ぐことができます。逆に見れば都市の過密状態を緩和することになるので、都市部の生活環境が改善されます。
すると、例えば車の使用、ゴミの排出などが一定量削減できます。
資源消費が少しでも抑えられることは、今後の日本のエネルギーセキュリティーとも密接に関わっていくはずです。


沿岸部だけでない人口の適正な分布は、このような利点をもたらします。(他にも細かい点はいくらでも考えられます)
なのになぜ日本・中国がそのような道をとらないかといえば、それはODAの「国対国」の原則を打ち破れていないから。
日本以外の諸外国は、ODAの供与先を国家(政府)に限定していません。地方や民間、NGOなどへの供与の例もあるようです。
日本の役人がもう少しフレキシブルな頭の使い方をしていれば、日中双方がWin-Winの関係になれるかもしれないのですよ。

最新の画像もっと見る