絵本とおはなしと子ども英語♪ゆったり・まったり・ドキドキしよ♪

「昔むかしあるところに」今ではない此処ではない別の世界へ。
わくわくするお話の中に入って、自由に心をひろげてみない?

かさじぞうのおばあさん 続き

2021年01月06日 | 絵本で子育て
前回は、新年のおはなしの、プロローグ。
ことしの抱負を書きました。

そうしてからの、

はい、「かさじぞう」です。

日本昔話の「かさじぞう」。
究極の年末年始ハッピーストーリーと私は思っているので、
お正月にはぜひぜひ、このお話のことを書きたかったのです。

山で二人で暮らす、おじいさんとおばあさん。
年越しのために、おじいさんは町へ行って、餅や魚を買ってこようとした。
途中の村はずれに六人のお地蔵さまが、
降る雪を頭からかぶって寒そうに立っていた。
おじいさんは五つの笠を
(町で買ってきた笠だとか、自分がこしらえた売り物の笠だったり、
お話によってちがうけれど)
それを一人ずつのお地蔵さまに被せ、
一つ足りないので、自分の○×△を被せて、うちに帰った。
お正月の支度ができなかったが、話を聞いたおばあさんは
「それは良いことをした」と喜んで、
二人で御馳走は無しでやすんだ。
明け方、大きな音や掛け声に、
おじいさんとおばあさんが目覚めると、
六地蔵さまが行列をなして家の前にやってきて、
餅や魚や、大判小判やそのほかぎょうさんな宝物を
家の前に積み上げてもどっていった。
それから、おじいさんとおばあさんは、ずっと安楽に暮らした。

日本昔話の「ハッピーエンド」の特徴は
西洋のお話の「ハッピーエンド」と違って
おじいさんとおばあさんが、安楽に暮らしました、というところなんですね。
幸せとは何か、の定義が違うのね。

私が
我が子に読み聞かせをしていた絵本は


「かさじぞう」
瀬田貞二 再話  赤羽末吉 画
福音館書店

おじいさんが作った笠を町へ売りに行くという筋で、
私自身もなじみがあったお話でした。
少し、もの悲しいところがあって、
町へ行って年越しの支度をしようと思ったのに
笠が一つも売れないところです。
ここがつらい。

ほんとうは楽しいお話のはずで、もっとハッピーに思ってよいとおもうのだけど、
どこか悲しげなところがぬぐえないのはこのシーンの印象が強いから。

でも、おばあさんが少しも怒らないでおじいさんを誉めたところと
「よういさ、よういさ、よういさな」という
お地蔵さまが唄う声、たからものドッサリが、とても心に残るのです。

おはなし語りのテキスト
『日本昔話百選』稲田浩二・稲田和子 共著 
三省堂
こちらにも「笠地蔵」が載っています。

それは大分県に伝わるお話。
このおじいさんは炭俵を町で売って
そのお金ぜんぶで編笠を六つ買って、
お地蔵さまに被せたのでした。
売り物は売れたし、
笠は足りなくなかった。
悲しいところが無いのが私には新鮮でした。
だから、お正月の買い物をしないで帰っても
気持ちが沈まないで
おばあさんが「そらあ、いいことをした」と言うのも自然な流れのような気がしました。
でも、お話があっさりとした構成で、お地蔵さまが行進してくる唄はありません。

近隣の小学校の図書ボランティアで、お琴の先生をなさっているママと
素ばなしを語るわたしとで組んで、
お琴演奏つきおはなし会をしたときは、
瀬田貞二さん再話のものを使いました。
お地蔵さまの唄があると、絵がなくても情景も目に浮かんで、
おはなしが印象深いと思ったからです。

お琴の演奏は、武田明美さん。
昨年2月にライブをご一緒させていただきました。

ベース 中山英二さん
尺八 田野村 総さん


(おこと演奏とともに、和の小唄をうたうこともある武田明美さんが、
お地蔵さまの唄をうたったらどんなかしら)

よういさ、よういさ、よういさな
六だいじぞうさ かさとって かぶせた
じいぁ うちは どこだ、
ばあぁ うちは どこだ。
よういさ、よういさ、よういさな。

耳に残る唄。
笠を被せたのはじいだけれど、
ちゃんと、ばあのことも言ってくれるところも好き。

この唄ははずせません。

さて、これより何年後か、
こども英語教室ラボパーティの音声と絵本の教材
ラボ・ライブラリーに
「かさじぞう」が入ったのです。

この「かさじぞう」にも、悲しいところがなかった。
それどころか、愉快なのです。

続きはまた後ほどね。

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