北斗星のブログ

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受け継がれるもの

2012年03月29日 23時28分11秒 | 日記

今回の記事で、受け継がれるものとは鉄道車両の保存のことではないことを断っておく。記事を見ていただくと分かるが…


鉄道車両を導入するにあたっては、大都市圏などでは完全新製車両の投入が積極的に行われている感がある。当たり前だ。
古い車両を長く使い続けるよりも、技術の進歩などがあってランニングコストが落ちた新車の方が長期的には安いと判断するからである(それだけでは片付かないが)。

ただ、私鉄(特に中小私鉄)や小規模路線などではそうはいかない。
上記のように完全新製車を投入しても、収入の面でコスト回収が難しいと思われるからだ。これも帰結としてはズレすぎてはいないだろう。

だからこそ、コストカットのために何か策を講じる必要がある。
その1つとして部品などを流用し、客の目につく所だけ新製する手段がある(東武鉄道では更新と呼ばれる作業)。

中には書類上車歴も引き継いでいる例もある。

今回は、そんな引き継がれるものに目をつけてみた。




こちらは東武200系の台車である。これは東武が誇る名車両「デラックスロマンスカー」こと1700・1720系から流用したもの(を一部改良した)ものだ。

これは中小私鉄では何も珍しいことではない。例えば伊予鉄道では東武2000系の台車が生きているし、自社が保有していた廃車発生台車を流用した新潟交通電車線の例(モハ11等)などもある。



こちらはJR東日本が初めて投入した新車だが、165系から部品を流用している。
面白いことに、台車などはもちろんクーラーを流用しているのが珍しい。



こちらは廃線となった頸城鉄道が保有していたDC9形機関車だが、蒸気機関車から足回りを流用してディーゼル機関車を造った非常に珍しい例だ。まあ足回りを流用するだけなら珍しくはないのだが。

この想像を絶する流用、伊予鉄道でも行われたことがある。


部品を受け継ぐものだから、中には流用部分だけ50年近く経過したものもあり、ボロの印象が強いかもしれない。だが、部品が受け継がれることによって新たな命が吹き込まれると思うと喜ばしい。

あらゆる製造物にリサイクルを含め環境との関係が叫ばれる中で、時代の流れに沿うことでもある。
そんな「受け継がれるもの」に敬意を表したい。