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風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「傘寿記念の油彩画個展・坂上寿男作品展」

2015-03-17 16:48:44 | アート・文化

              
               傘寿記念展の坂上寿男さん

       
               愛媛県展で県知事賞を受けた 高校時代の作品

 「これが60余年前、高校生の時の作品です。日展の会員さんから『これだけ描ければいいよ』と言われて、すごく感激したのをはっきりと覚えています」

名古屋・栄の名古屋市民ギャラリーで傘寿(80歳)を記念して油彩画の個展を開いている坂上寿男さん(名古屋市守山区在住)。余生も絵を描きながら送ることができる人生の「原点」ともいえる作品を前に、こう話してくれました。作品展は22日(日)まで。

12歳の時、父の仕事で住んでいた中国東北部から父の郷里である愛媛県に引き揚げてきた坂上さん。中学生のころから絵が大好きで、高校生の時に町工場の作業風景を描いた作品が愛媛県展で知事賞になり、自信がつきました。

まもなく仕事で名古屋に移住。当時の守山市(現・名古屋市守山区)の市民展で市長賞を得たのを皮切りに、太平洋展を中心に受賞を重ね、太平洋美術会の評議委員・審査員なども務めてきたそうです。

20年前に退職。「自由に描きたいものを、時間をかけて思い切り描けると思うと、嬉しかったですね」
絵仲間とフランスやイタリアに出かけ、街歩きをしながら運河や目に付いた店、古い壁などの風景を片端から描きます。

「でも、簡単には描きません。例えばヴェネチアの運河だって、その数奇な歴史や運河沿いの人々の暮らしなどを思い、納得がいくまで感じた気持ちを塗りこんでいきます」

「それなのに、描いて1ヶ月ほど後に見て『何でこんなつまらん描き方をしたのかな』と塗り直すこともしばしばです。気持ちにムラがあるのでしょうね。だから、以前に比べてずいぶん厚塗りになりました」
「もっと明るく、きれいに・・・といわれることがありますが、現場は見れば見るほど暗いですよ」

若い時から数えて10回目の個展。今回は、8号から30号ほどの作品27点を展示しています。
「さすがに最近は以前のような100号、200号といったのはほとんど描いていません。でも、描く気持ちは大きいままです。もっともっと描いて、米寿展とか卒寿展、白寿展とか・・・」
まさに、お名前の通りですね。