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一般教養まるわかりガイド

世の中で起きている森羅万象を斬ります。お笑い、芸能スキャンダルから政治経済の時事情報まで幅広く書いていきます。

教養ガイド 211

2011年01月24日 16時57分41秒 | 法律
1月24日 共同通信

債務整理に特化した弁護士法人アディーレ法律事務所(東京都豊島区、代表弁護士:石丸幸人)は2011年1月24日、福岡支店を開設いたします。当事務所は2004年10月の事務所設立以来、全国に約200万人存在するといわれる多重債務者支援・救済に注力してまいりました。目指すのは全国への支店展開、あらゆる分野のリーガル・サービスをワンストップで提供できる、より身近な綜合法律事務所です。このたび開設する福岡支店は札幌、仙台、東京・立川、名古屋、大阪、高松、那覇につづき、当事務所として第8号支店となります。

福岡県は、2009年の自己破産件数が東京、大阪に次いで多く、自己破産では全国の約5%、民事再生では約7%を占めています。また、年収の3分の1を超えて借入をしている人の20%がヤミ金の利用を考えているとの集計があります。福岡県は指定暴力団が全国で最も多く、それだけに暴力団の資金源となっている、ヤミ金融の市民への影響も強いと考えられます。当事務所の豊富なヤミ金融との交渉経験、4万件の債務整理実績を存分に活かして、さらなる支援強化を図り、サービス向上を目指してまいります。

債務整理に特化したあの事務所が福岡県に上陸したようです。記事にもあるように、主要都市を中心に攻めているようですね。この記事にあるように、私の中では大阪や名古屋の次くらいにヤミ金が跋扈しているイメージがあります。去年は貸金業法の改正によって総量規制が導入され、借りたくても借りられない人の多くがヤミ金に流れてしまうことが予想されます。それを食い止めるだけではなく、ヤミ金を一掃していただきたいですね。債務整理に特化した事務所とのことですが、他にも交通事故や不動産登記などの案件も扱っているようです。福岡に限らず、九州地方にお住まいの方で多重債務に苦しんでいる方、ヤミ金に追い込まれてにっちもさっちも行きませんという方は一度相談に言ってみてはいかがでしょうか。

教養ガイド 196

2010年12月28日 17時06分58秒 | 法律
12月28日 神戸新聞

判断能力が低下した認知症の高齢者や知的障害者らの財産や権利を守る成年後見制度が始まって、10年が過ぎた。利用者は年々増えているものの、同時に導入された介護保険制度に比べると少なく、広く認識されているとはいえない状況だ。認知症患者は推計で200万人を超える。高齢者だけの世帯は増えている。一方で、高齢者らを狙った訪問販売などの消費トラブルや虐待は後を絶たない。成年後見は介護保険とともに、高齢社会の安心を支える両輪としてスタートした制度である。その意義や重要性についての理解を広め、利用しやすい仕組みにしていかねばならない。後見人に選任されると、高齢者らに代わって財産管理や施設入所の契約などの法的行為を担う。

最高裁判所によると、全国の家庭裁判所が後見人として選任した件数は2009年で約2万5千件、10年間では計17万件に上る。諸外国と比べると、日本の利用はまだ少ない。申し立て手続きの煩雑さやなり手不足が大きな理由とされる。当初は後見人の9割近くを、子どもや配偶者ら親族が占めていた。だが、核家族化や家族関係の希薄化などから今は6割ほどに減り、司法書士や弁護士ら専門職が3割を超えるまでに増えた。問題は、後見人に報酬を払う経済的余裕のない人や、専門職がいない地域に住む対象者が少なくないことだ。こうした人たちをサポートし、権利や財産を守っていける仕組みにする必要がある。その担い手として期待されるのが「市民後見人」だ。一般市民が自治体やNPO法人などの養成研修を受け、家裁に選任されれば活動できる。

既に東京都世田谷区や品川区、大阪市などが取り組んでおり、厚生労働省も来年度予算案に推進費を初めて盛り込んだ。兵庫県も市町の推薦を受けた人など約40人を対象に今月から講座を始めた。神戸市は1月に成年後見支援センターを開設し、後見人の養成に乗り出す。独自で養成を行っているNPO法人もある。市民後見人が地域で活動していくためには、判断に悩んだときに相談できる場を設けるなど、行政の支援が欠かせない。親族間で対立がある場合や保有する資産が多いケースなどは、法律の専門職に任せる連携も必要だろう。なり手不足の解消には、対象者の身近にいる人がかかわる意識が重要だ。後見が必要な人に支援の手を差し伸べる。そうした安全網を地域に広げたい。

認知症の方にも知的障害のある方でも権利があるんです。私は法律のお勉強をしていましたのでこの成年後見制度についても習いましたが、認知症の方々を騙して大金をむしり取ってやろうと考えるトンデモない屑野郎がいますので、騙されないように成年後見人は必要だと思いましたね。しかし中には、自ら成年後見人に名乗りを上げた司法書士や弁護士が、高齢者などを言いくるめて金を着服したりする事件も起きており、もう一度考えなければいけないところに来たんじゃないか、と思ったこともありました。専門家が成年後見人になるということもいいかもしれませんが、最も理想的なのは地域同士がコミュニケーションを密にとって、悪い人たちに騙されないようにしてあげるのがいいと思いますね。

教養ガイド 194

2010年12月22日 16時48分59秒 | 法律
12月22日 朝日新聞

107人が亡くなった大惨事から5年8カ月。JR宝塚線の脱線事故で、業務上過失致死傷罪に問われたJR西日本の前社長、山崎正夫被告の公判が神戸地裁で始まった。鉄道事故で経営幹部が刑事責任を問われるのは異例だ。この事故では、検察審査会の起訴議決を受けて井手正敬(まさたか)元会長ら歴代社長3人も同じ罪で強制起訴されている。山崎前社長が指摘されたのは、取締役鉄道本部長だった14年前に安全対策上の過失があったという点だ。事故現場は急カーブに変更され、通過する列車の数も増えた。危険性が高まったのに、自動列車停止装置(ATS)を設置しなかったのは過失にあたる。それが検察側の主張だ。山崎前社長は「私の立場で危険性に気づくことはできなかった。潔白を明らかにしたい」と無罪を主張し、検察との全面対決になった。

遺族や被害者からは刑事責任の追及だけでなく、公判を通じて「事故の真相を明らかにし、再発防止につなげてほしい」という期待の声も聞かれる。自然な気持ちだろう。今後、JR西日本の運転士や前社長の元部下、航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の元委員ら30人が証人として法廷に立つ。この人たちの証言から、再発防止や被害者側がのぞむ真相究明につながる手がかりが得られるかも知れない。とはいえ、ATSの未設置と事故の因果関係に絞って検察が立証を進める以上、事故の背景として指摘された日勤教育などJR西日本の労働管理態勢は、公判の争点にはならない。広い意味での事故原因や背景を究明するうえで、刑事裁判にはおのずと限界がある。こうした大事故が起きた際、事故調査を優先するべきか、刑事責任を徹底追及するのか。

刑事責任を免じてでも原因究明を尽くした方がいい、いや刑法が個人の過失しか問えないなら、むしろ組織の過失も問えるように改正すべきだ。そうした議論が続く。昨年、事故調査委員会がまとめた宝塚線事故の報告書の内容が山崎前社長らに漏れていた事実が明らかになり、報告書に対する信頼が失墜した。これを受けて国土交通省が設けた検証チームが、事故調査のあり方を検討している。報告書が遺族や被害者、国民の信頼を得るために、いまの調査機関に欠けているのは何か。捜査との関係をどうするか。かりに刑事責任を問わないなら、処罰感情を踏まえた仕組みをどうやってつくるのか。裁判は、この大惨事で浮き彫りとなったJR西日本の安全態勢を改めて問うことにもなるだろう。同時に、再発防止をめぐる捜査と調査のあり方を考える契機になればと思う。

この社長の態度が今のJR西の体質そのものなんでしょうね。企業のトップにいるということはすべてを受け止める覚悟がないといけません。あれだけ悲惨な事故を起こしておいてよく無罪が主張できるなと思いますね。頭の方は大丈夫なのでしょうか??運転士に日勤教育のプレッシャーをかけ続けた結果の事故ですから起こるべくして起こった事故のように思えてなりません。100人以上の死傷者を出しながら、自己保身に終始する…こんなんじゃ遺族は納得できるわけがありません。こんな屑が社長だと偉そうにしている以上、隠蔽体質がなくなることもないでしょうね。あの悲惨な事故をもう二度と起こしてはならないという反省の気持ちがまるで感じられません。

教養ガイド 191

2010年12月17日 16時19分03秒 | 法律
12月17日 読売新聞

検察トップの大林宏検事総長が、大阪地検特捜部の元主任検事による証拠品改ざん事件などの責任をとって、辞任することになった。検事総長が不祥事で引責辞任するのは史上初めてだ。厚生労働省元局長の村木厚子さんが無罪となった郵便不正事件では、見立てに合わない物的証拠を元主任検事が改ざんし、当時の特捜部長ら上司が組織的に隠蔽していた。その行為が検察に対する国民の信頼を失墜させた。組織のトップとしての責任は免れず、辞任は当然である。大林総長は元特捜部長らを起訴した際の記者会見で、「改革を行うことが私の責任だ」と述べ、職にとどまる意向を示していた。だが、一連の事件に関する最高検の検証結果と再発防止策がほぼまとまり、体制を一新すべきだと判断したようだ。

近く公表される予定の検証結果には、特捜部の収集したすべての証拠を上級庁の高検が点検するといった対策が盛り込まれる見通しだという。改ざんが元主任検事の個人的な暴走だったのか、それとも組織に根ざす問題なのか。後者であれば、捜査手法や組織の在り方、検察官の倫理教育に至るまで根本からの見直しを図らねばならない。法相の私的諮問機関である「検察の在り方検討会議」など、外部の意見も参考にすべきだろう。検察の再生は、こうした改革を着実に遂行できるかどうかにかかっている。大林総長の後を継ぐ新総長の責任は、極めて重大と言わざるを得ない。今、かつてないほど検察の対応に国民の注目が集まっている。

尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件では、那覇地検が、逮捕した中国人船長を処分保留のまま釈放した。日中関係の修復に配慮した政治決着だったことは間違いあるまい。検察の独立は保てていたのか、疑問を持つ人は多いだろう。衝突の模様が撮影されたビデオをネット上に流した海上保安官の刑事処分も控えている。検察が嫌疑不十分で不起訴とした民主党の小沢一郎元代表は、検察審査会の2度の議決を経て、年明けにも強制起訴される。今後の裁判で、小沢氏の有罪を立証する役目を担う弁護士に対し、検察がどこまで協力するかも問われることになる。新総長の下で検察は、一つ一つの課題に誠実に取り組み、判断の過程を国民に説明していく姿勢が求められよう。

起訴するためには平気で証拠を改ざんするいろいろなことをでっちあげる…こんなことを繰り返されたら検察不信になりそうですね。起訴されたらほとんどの確率で有罪になるという話を聞いたことがありますが、被告人を有罪にするために日々、このような嘘で塗り固めるという作業をしていたかと思うとぞっとしますね。秋霜烈日章が泣いています…。人を裁くということはそれなりに大きな責任を負わなければいけませんが、自分の敏腕ぶりをアピールするために、人の人生を変えたり無茶苦茶にしてしまうようなことだけは絶対にしてはいけませんからね。取り調べの可視化が当たり前の世の中は一体いつやってくるんでしょうかね…。早く実現しなければ冤罪がどんどん生み出されそうな気がしてなりません。

教養ガイド 185

2010年12月07日 16時43分25秒 | 法律
12月7日 河北新報

宮城県石巻市の民家で2月に起きた3人殺傷事件で、殺人、殺人未遂などの罪に問われ、少年が被告の裁判員裁判では全国で初めて、仙台地裁で死刑判決を受けた石巻市の元解体工少年(19)が6日、判決を不服として控訴した。少年に同日接見した弁護団は「少年は死刑を受け入れるだけが償いではなく、生きて被害者に謝罪の気持ちを持ち続けたいと思ったようだ」とコメントした。弁護団によると、少年は控訴に同意したという。少年は11月25日の判決公判後、「判決を受け入れたい」と語り、2日に接見した弁護団にも「控訴することは被害者に許されないのではないか」と話していた。

弁護団は「控訴するべきだ」と少年を説得していた。判決によると、少年は2月10日朝、共犯とされる無職少年(18)=東松島市、殺人・殺人未遂のほう助罪で起訴=と民家に押し入り、交際していた次女(18)の左脚を切りつけた上、長女の南部美沙さん=当時(20)=と、次女の友人の大森実可子さん=当時(18)=を刺殺。石巻市の会社員男性(21)に大けがをさせ、次女を連れ去った。大森実可子さんの母は「驚きの半面、控訴するのでは、という気持ちも少しあった。生きて償うというのは、何をどうやって償うというのか。一度出た結果をしっかり受け止められないのは、心から反省していないからではないか」と話した。

結局控訴したんですね。どんな判決でも受け入れたいと言っていたはずなんですけどね。人を殺しておいて自分が死ぬのは怖いということなんでしょうかね?救いようのない卑怯者です。非常に短絡的かつ場当たり的な犯行で人の命を奪うような鬼畜がどうやったら更生し、反省するんでしょうかね?控訴したということは反省なんかしていないか、死ぬのが怖くなったからなんでしょうかね?少年だからという理由でこんな屑に同情する必要はどこにもないと思うのですが…。残忍極まりなく、身勝手極まりない犯行ですので、極刑以外の罰なんてありえないと思いますけどね。

教養ガイド 180

2010年11月29日 16時35分46秒 | 法律
11月29日 産経新聞

自称霊能力者の女に指示され、高齢女性に多量の薬物を投与し殺害したとして、殺人や現住建造物等放火などの罪に問われた当時の信者で無職、田向啓子被告(54)の裁判員裁判の初公判が29日、大阪地裁(細井正弘裁判長)であった。被告側は「行為はすべて間違いない」と薬物投与を認める一方、「死亡との因果関係はない」として殺人未遂罪にとどまると主張した。田向被告は、霊能力者をかたる寺谷均美被告(54)=殺人罪などで起訴=と共謀。

平成19年4~5月、介護していた大阪市西成区の女性=当時(92)=に多量のインスリンなどを投与し、衰弱させて死亡させた。また20年5月にこの女性の親族宅で現金を盗んだうえ、ライターで火をつけ半焼させたなどとされる。検察側は冒頭陳述で「不動明王の声が聞こえるという寺谷被告の指示で犯罪を繰り返した。従えば来世で幸せになれると信じた」と指摘。弁護側は「寺谷被告の指示がなければ、いずれも実行に至らなかった。寺谷被告に人生を狂わされた」と訴えた。

加持祈祷事件もこんな感じだったような気が…。まぁ宗教に狂った人間は何をしでかすか分からないということでしょうね。じっくり時間をかけて洗脳されますからね。こんなインチキ屑女の指示で犯罪者になってしまったわけですね。こんな奴に人生を狂わされたのではたまったもんじゃありません。霊能力なんて私はもともと信じない人間ですのでどうでもいいことですが、信じる人は、幸せになりたい一心で人殺しまでしちゃうんですね。まぁ人を殺すような人間が幸せになれるはず何てないのですが…もう少し早く思考が正常になっていればこんなことにはならなかったんですけどね。もう何を言っても手遅れですが…。

教養ガイド 179

2010年11月26日 16時30分33秒 | 法律
11月26日 読売新聞

「犯行の残虐さ、被害の重大性からすれば、極刑をもって臨むほかはない」。2人を殺害し、1人に重傷を負わせた少年に対し、仙台地裁は死刑を言い渡した。裁判員裁判で、少年に死刑判決が出たのは初めてである。近年の少年犯罪への厳罰化の流れに沿ったものと言える。今後の裁判員裁判にも影響が及ぶだろう。少年は犯行を認め、裁判では量刑が焦点になった。少年に更生の可能性を見いだし、死刑を回避するか、犯行の残虐性を重視して、極刑にするか。判決は、犯行の様子について「執拗かつ冷酷で、残忍さが際立っている」と厳しく指摘した。一方で、少年が語る反省の言葉などについては「表面的」「深みがない」と判断。「更生の可能性は著しく低い」と断じ、極刑を回避する理由は見当たらない、という結論に至った。

今年2月に宮城県石巻市で起きた事件だ。犯行当時18歳7か月だった少年は、交際相手だった女性を連れ出そうと自宅に乗り込み、それを邪魔したとして、女性の姉と友人を牛刀で刺殺した。姉の男友達にも重傷を負わせた。少年は母親への傷害事件を起こし、保護観察中だった。少年の健全育成・保護が基本理念の少年法は2000年に改正された。16歳以上の少年が故意に人を死亡させた事件は原則として刑事裁判にかけるようになった。少年の凶悪事件が相次ぎ、厳罰を求める声が高まったためだ。山口県光市の母子殺害事件の裁判は、厳罰化を象徴する変遷をたどっている。

犯行時18歳だった少年を広島高裁は無期懲役としたが、最高裁が破棄、高裁は差し戻し審で死刑を言い渡した。今回の判決は、被告の年齢について、「死刑を回避する決定的な事情とはいえない」と指摘した。母子殺害事件での最高裁の考え方が反映されている。最高裁が06年にまとめた調査では、被告が少年の場合、9割以上の裁判官が刑を「軽くする」と回答した。これに対し、一般市民の半数は「重くも軽くもしない」と答え、「軽くする」と答えた市民は4分の1にとどまった。少年犯罪に対する市民の厳しい見方の表れだろう。判決後、記者会見した裁判員からは「重圧で押しつぶされそう」「最後まで精神的なケアをしてほしい」との声が聞かれた。重い判決の度に、裁判所に突きつけられる課題である。

少年であれど、残虐性や卑劣さを考慮すれば死刑以外の判決なんてありえない事件でしたからね。この事件を担当した裁判員の方がまともな方でよかったと思います。残虐性もさることながら、勝手極まりない理由で人を殺害し、さらには交際相手を連れ去るという鬼畜以下の蛮行としか言いようがありません。こういう人間を生かしておいても何の得にもなりませんからね。いくら反省の弁を述べたところで被害者は戻ってきませんし、人を殺めたという事実は消えません。取り返しのつかないことをした後でいくら謝っても手遅れなんですよね。後先考えずに感情まかせに起こした行動ですので同情の余地も情状酌量の余地も微塵もありません。控訴したりすることなく、この刑を受け入れて一刻も早く刑に処されることを願っています。

教養ガイド 174

2010年11月17日 16時18分51秒 | 法律
11月17日 読売新聞

「被告人を死刑に処する」。裁判長が判決を言い渡した瞬間、被告を見つめ、涙を浮かべる女性裁判員がいた。「すごく悩んだ。思い出すと涙が出そうになる。それで察して下さい」。判決後、50歳代の男性裁判員は、こう語った。いずれも熟慮の末の重い判断であったことがうかがえる。男性2人を殺害した男に対し、横浜地裁が死刑を言い渡した。昨年夏から始まった裁判員裁判における、初の死刑判決である。被告は、マージャン店経営を巡るトラブルを抱えた知人(国際手配中)の依頼を受け、面識のない2人を殺害した。2人のうち1人を電動ノコギリで切断した犯行を、判決は「想像し得る殺害方法の中で、最も残虐な部類に属する」と指弾した。

裁判官と裁判員は、被告が事件の全容を供述したことや、反省の姿勢を示していることなど、酌むべき情状も検討した。しかし、それでも、死刑を適用するしかないほど被告の犯行は残虐で悪質だ、と結論付けた。一般市民が、究極の刑罰である死刑の選択に直接かかわる時代になったことを実感させられる。同時に、裁判官だけで審理する場合と違った難しさも見えてきた。法廷で残虐な証拠写真や凶器などを見せられた。評議で死刑の適用を巡り苦悩した。そうした精神的ダメージを受けた裁判員には今後、継続的ケアが不可欠だ。検察は、論告求刑公判の際、「もし死刑にできないのなら、今後死刑になる者はこの国にいるだろうか」と述べた。極刑を望む被害者遺族の感情を踏まえたものだ。

しかし、裁判員にとっては、そうした言葉が心理的重圧にもなりかねない。ある刑事裁判官は、「裁判員へのいわば脅迫であり、不適切だ」と語っている。裁判長が、判決を言い渡した後、「重大な結論なので、裁判所としては控訴することを勧めます」と被告に語りかけたことも、論議を呼ぶだろう。それが仮に、裁判員の意向を受けた発言だったにせよ、裁判長が被告に控訴を「勧める」ことが妥当なのかどうか。判決に自信がないことの表れだ、と受け止められれば、裁判官と裁判員が熟議の末に出した死刑判決の重みを否定することにつながりかねない。遺族感情を逆なですることにもなろう。浮かび上がった課題を検証し、今後の裁判員裁判に生かしていかねばならない。

まぁ…生きたまま電動ノコギリにかけて殺すような人間を生かしておく意味はありませんからね。この事件が報道された当初、この被告人が死刑判決を受けることがなかったらもう日本には死刑判決は出ないと思っていましたからね。とはいっても…裁判員ではない私が好き勝手言っているのと実際あの場所で量刑を決める裁判員との間ではかなりの温度差があると思います。もし私がこの事件の裁判員に選ばれていたとしたら、この被告人は死刑、なんて絶対軽がるしく言えないでしょうからね。この事件の裁判員の皆さんの心労は相当なものだったと思います。事件の残虐性だけ見ると、100%極刑がふさわしいですけどね。どれだけ裁判中に礼儀正しくしようと、どれだけ反省の弁を述べようと、残忍な方法で殺害したという事実は決して消えることはありませんから。

教養ガイド 166

2010年11月02日 14時53分55秒 | 法律
11月2日 朝日新聞

初公判の日以来、生と死に向き合った重苦しい2週間だったと思う。裁判員裁判として初めて検察側が死刑を求刑した殺人事件で、東京地裁は無期懲役を言い渡した。法廷で被告本人や遺族の話を直接聞き、生の証拠に触れた裁判員6人と裁判官3人が、議論を尽くしたうえでの結論だ。厳粛に受け止め、尊重したい。裁判員の心労は容易に想像できる。米国で重大事件の評決をした陪審員への聞き取り結果などを見ると、程度の差はあれ多くが心に傷を負っている。国内でも裁判員に対するメンタルケアの仕組みが用意されているが、なお十分とは言い難い。運用実態を踏まえ、施策の充実を求めたい。裁判員制度の導入が決まったときから、市民が死刑か否かの判断に直面する日が来ることは分かっていた。だが公判が開かれて初めて、実感をもって自分ならどうするか、考えを巡らせた人も少なくないのではないか。

一部に、裁判員裁判から死刑相当事件は除いたらどうかとの声もある。国民にこのような過酷な使命を押しつけるべきではないという意見だ。だが、それでいいのだろうか。これまで私たちは、死刑を含む刑罰の運用を裁判所や拘置所・刑務所の中に閉じこめ、専門家にすべてを委ねてきた。それが当局の秘密主義を生み、国民の間に中途半端な情報に基づいた賛否と、それ以上の無関心を生み出してしまった面はないか。裁判員制度を含む司法制度改革の根底には、大事なことを「お上」に任せてしまう民主主義でいいのかという問題意識があった。裁判への参加は、社会を構成する一員として犯罪や刑罰の実態を知り、地域の安全について考える機会を持つことでもある。死刑を廃止するにせよ存続するにせよ、国民的議論が欠かせない。

裁判員の責任は重たいが、この過程をくぐり抜けることによって、議論が奥深いものになると期待したい。死刑に関しては、判決は全員一致を条件にするべきだという主張もある。皆がそれ以外の選択がないと判断する場合に限るという考えに異論はない。一方で、本来秘密である個々の裁判官や裁判員の意見を明らかにするのと同じことになり、評議にも影響を及ぼしかねない。問題点を整理しながら検討を進めなければならない。この夏、当時の千葉景子法相が刑場を公開した。極刑の求刑が予想される裁判員裁判はこれからも続く。死刑をめぐる論議は新たな段階に入った。拘置所での生活や執行に至る情報の開示を進め、市民が意見を形づくる環境を整える必要がある。それは、裁判員として個々の事件に臨むにあたっても、制度の存廃を考えるうえでも、欠くことのできない条件である。

耳かき殺人では必ずや死刑を求刑すると思っていたのですが、ふたを開けてみれば無期懲役でした。遺族は泣き崩れたらしいです。だって当たり前ですよね?裁判中に反省の弁を述べたところで亡くなった二人は戻ってこないんですから。人を二人も殺しておいて自分は助かろうと考える方が甘いと思っていました。私は裁判員ではありませんのでこのように好き勝手言えますが、やはり量刑を決める裁判員には相当心理的負荷が大きかったと思います。しかし、この凶悪事件が死刑を回避したことによって、これから起こるであろう凶悪事件に対し、死刑と言いにくくなったような気がしますね。日本の法律では最高刑は死刑ですが、言うのが怖いという理由で死刑判決はこれからでないようになるのではないかと思ってしまします。

教養ガイド 142

2010年09月22日 11時50分30秒 | 法律
9月22日 読売新聞

刑事司法の根幹を揺るがす特捜検察の一大不祥事である。厚生労働省の村木厚子元局長に無罪判決が出た郵便不正事件に絡み、大阪地検特捜部の主任検事が、押収資料を改ざんした証拠隠滅容疑で最高検に逮捕された。村木元局長の部下だった元係長宅から押収したフロッピーディスクのデータを、特捜部の描いた事件の構図に合うよう書き換えた疑いが持たれている。事実とすれば、強大な捜査・起訴権限を持つ検事自らが、有罪証拠をでっちあげようとした前代未聞の違法行為だ。最高検は全容を解明し、関係者を厳正に処罰しなければならない。特捜部が描いた事件の構図は、村木元局長が2004年6月上旬、元係長に対し、自称障害者団体に発行する偽証明書の作成を指示したというものだった。

ところが、押収したディスクには、偽証明書作成の最終更新日時が「04年6月1日午前1時20分」と記録されていた。主任検事は、これを「04年6月8日午後9時10分」に書き換えた。特捜部の見立てに合わないデータを意図的に改ざんした疑いがあると最高検は見ている。担当事件の捜査を統括する主任検事は、捜査の過程で見立てと異なる証拠が見つかれば、軌道修正したり、事件の立件を断念したりするのが鉄則だ。押収資料の改ざんは、検察捜査への信頼を損ね、刑事裁判の公正さをないがしろにする言語道断の行為である。主任検事は結局、ディスクを元係長側に返却し、公判に証拠提出しなかった。提出されていたら、村木元局長を強引に有罪に持ち込む物証となった可能性もあった。

権力の暴走に戦慄を覚える。さらに特捜部は、正確な最終更新日時のデータを記載した捜査報告書を作成していたが、これも証拠提出しなかった。公判前に弁護側の請求でようやく開示した。これら証拠資料の扱いについて特捜部や地検内でどんな議論があったのか、他に改ざんの関与者はいなかったのか、真相を明らかにすべきだ。上級庁の大阪高検、最高検の監督責任も免れまい。郵便不正事件では、特捜部の作成した供述調書の多くが「誘導の可能性がある」として、裁判で信用性を否定された。特捜検事の資質の劣化は極めて深刻だ。最高検には、身内への甘さを排した徹底捜査で、組織内部の病巣を取り除く責務がある。

起訴した被告人を有罪にするためには平気で証拠をでっちあげる、捏造するなどの行為は昔からあったのではないか…という気はするんですけどね…。色々な記事を見ましたが、非常に苦しく、勝つありえない言い訳を展開して笑い者になっています。この逮捕された健二は大阪地検のエースだったらしく、有名な事件でも活躍していた名検事らしいです。まぁ証拠のでっちあげや捏造が明る身になってしまった今、検察への不信感はどんどん大きくなってくるでしょうね。