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一般教養まるわかりガイド

世の中で起きている森羅万象を斬ります。お笑い、芸能スキャンダルから政治経済の時事情報まで幅広く書いていきます。

教養ガイド 247

2011年04月27日 15時01分21秒 | 法律
4月27日 読売新聞

金もうけのためなら手段を選ばない。企業経営者のそうした手法が三度(みたび)司法に否定された。有価証券報告書に虚偽の記載をしたなどとして旧証券取引法違反に問われた元ライブドア社長、堀江貴文被告について、最高裁が被告の上告を棄却する決定をした。懲役2年6月の実刑とした1、2審判決が確定する。かつて「時代の寵児」ともてはやされた堀江被告は近く収監される。堀江被告は、大規模な株式分割を行うことでライブドアの株価を短期間で急騰させた。投資事業組合(ファンド)を悪用し、本来は「資本」に計上すべき自社株の売却益を、不正に「売り上げ」に計上して、見せかけの成長を装っていた。上場企業による正確な情報開示は、投資家を保護し、市場の公正さを維持するために重要だ。

堀江被告が関与した犯行は、これらを根本から揺るがす、極めて悪質なものと言える。実刑確定は当然だろう。かつて堀江被告は「法が禁じていなければ何でもできる」と豪語していた。事件は、ファンドに関する会計ルールが未整備だった盲点をついた側面もあった。だが、最高裁が追認した2審判決は違法性を認め、「被告の規範意識は薄弱」と批判した。拝金主義を指弾した司法判断である。過去の粉飾決算事件の有罪判決では、執行猶予が付くケースがほとんどだった。このため、弁護側は「仮に有罪でも実刑は重すぎる」と主張したが、退けられた。そもそも日本では、粉飾決算などに対する罰則が軽かったと言わざるを得ない。

ライブドア事件の後、旧証取法を抜本改正した金融商品取引法が施行され、有価証券報告書の虚偽記載などの懲役刑は、「5年以下」から「10年以下」へ、大幅に引き上げられた。海外から、「日本市場は違法行為に厳しく対処できない不透明な市場だ」などと批判されるようなことがあってはなるまい。投資家を欺く行為は重大な犯罪だということを、企業経営者は改めて認識する必要がある。今後も証券市場で法の抜け穴を狙う取引は出てこよう。証券取引等監視委員会などによる監視の強化が欠かせない。証券犯罪の捜査に精通する検察官が育っていないとも指摘されている。金融や会計の専門家を採用するなど、検察当局が捜査力を高めていくことも大切である。

金儲けのため奈良何だってするという考え方を貫いていた人間の末路は懲役刑ということですね。このライブドアの粉飾決算の問題は当時大きく取り上げられましたからね。ヒルズ族で、勝ち組の代表のような人でしたが、このような結末を迎えてしまったわけですか、何度かテレビでホリエモンを見たことがありましたので、ライブドアの事件は解決したのかと思っていましたが、まだ続いていたということにも驚きです。この人は著書やメディアなどで、金がすべてなんだという発言をしているのを何度か聞いたことがありますが、このようにひたすら利益ばかりを追求し、法律の裏をついて会社の売り上げを偽装しても最終的にはバレるということです。もし塀の中へ入っても、大人しく更生するとはあまり思えませんね。きっとまた、新たなビジネスを考えて、出所と同時に行動におこしそうな気がします。犯罪行為は言語道断であり論外ですが、この人は平気でリスクを背負い、多彩なことに果敢にチャレンジしますので、そこは見習いたいところでもあるんですよね。

教養ガイド 263

2011年04月18日 16時43分17秒 | 法律
4月18日 読売新聞

合成麻薬MDMAを服用して容体が悪化した田中香織さん(当時30歳)に適切な救護措置を取らずに死なせたとして保護責任者遺棄致死罪などに問われた元俳優・押尾学被告(32)の控訴審判決が18日、東京高裁であった。出田孝一裁判長は、保護責任者遺棄罪の適用にとどめて懲役2年6月とした1審・東京地裁の裁判員裁判の判決を支持し、同罪について無罪を主張した被告側の控訴を棄却した。押尾被告は出廷しなかった。

1審判決によると、押尾被告は2009年7月31日、知人からMDMAの錠剤を譲り受け、同年8月2日、東京・六本木のマンションで田中さんと一緒に服用。田中さんが同日午後5時50分過ぎから中毒症状を発症し、約10分後に更に悪化したのに119番しなかった。1審判決は、押尾被告がすぐに119番していれば救命できたかどうかについては、「専門家によっても見解が分かれており、確実に救命できたとまでは言えない」と判断し、同致死罪の成立は認めなかった。検察側は控訴しなかった。

まぁ…懲役は当たり前ですが、人一人の命を奪っておいてたったの2年6月というのはどう考えても軽すぎるような気がしてならないのですが…。殺しておいて逃げるような人でなしの卑怯者に同情なんてする必要はどこにもないと思いますね。しかもこの男、当初は罪を認めず無罪だとか抜かしていましたからね。こんな罪悪感ゼロ、反省皆無の人間はもう社会に戻さなくていいですね。この事件を巡っては多くの憶測と、多くの著名人が関わっているのではないか?と噂されましたが、捕まっていないところをみると、がせ情報か逃げ切ったかのどちらかなんでしょうね。いずれにしてもしっかり反省し罪を償っていただきたいと思います。まぁ本人に罪を償う意思はないでしょうけどね…。

教養ガイド 260

2011年04月13日 14時38分29秒 | 法律
4月13日 中日新聞

名古屋市千種区で2007年8月、会社員磯谷(いそがい)利恵さん=当時(31)=が3人の男に拉致、殺害された「闇サイト殺人事件」で、強盗殺人などの罪に問われ、1審で死刑判決を受けた無職堀慶末(よしとも)被告(35)と無期懲役とされた無職川岸健治被告(44)の控訴審判決が12日、名古屋高裁であった。下山保男裁判長は「利欲目的のみで何の落ち度もない被害者を殺害した残虐な犯行で社会的影響も大きいが、死刑選択がやむを得ないほど悪質とは言えない」と述べ、1審判決を破棄するなどして、堀、川岸両被告とも無期懲役とする判決を言い渡した。殺害された被害者が1人の事件で、死刑を選択するか回避するかが最大の焦点だった。

1審で死刑判決を受けた元新聞セールススタッフ神田司死刑囚(40)は控訴を取り下げ、死刑が確定している。09年3月の1審名古屋地裁判決は、インターネットのサイトで集まった匿名性の高い集団による犯行という特色があり、この種の犯罪は発覚や逮捕が難しく、厳罰で臨む必要性が高いと判断。犯行後に自首した川岸被告のみ無期懲役とした。下山裁判長は「ネットを通じて知り合った素性を知らない者同士の犯行は意思疎通の不十分さから失敗に終わりやすく、携帯電話やメールの履歴という痕跡が残るため、発覚が困難とも考えがたい」と指摘。「1審が指摘するように逮捕が困難で模倣性が高いとはいえず、他の強盗殺人などと比べて過度に強調して厳罰で臨むのは相当ではない」と述べた。

殺害時の役割についても1審は神田死刑囚と2人は同等と判断したが、高裁は、2人が神田死刑囚の提案に応じた面があり、神田死刑囚とは差があると認定。綿密な殺害計画はなく、2人に重い前科がないため矯正可能性がある点も触れ、極刑を回避した。磯谷さんの母富美子さん(59)は判決後に会見し「娘の命より被告の命の方が重たいと言われたようで、とてもつらい」と語った。検察側は控訴審で「1審は自首を過大に評価した」として川岸被告も死刑にするよう主張。堀被告の弁護側は死刑回避、川岸被告の弁護側は有期懲役とするよう求めていた。

日本の司法は平等なんかじゃないということが証明された瞬間です。信じられない!この凶悪犯が死刑に処せられなかったら一体誰が死刑になるんですか。闇サイトで知り合った屑が遊び半分で何の落ち度もない人の将来を奪ったんですよ?被害者の思いや無念さをすべて踏みにじり、遺族の感情を逆なでする判決としか言いようがありません。日本は本当に犯罪者に甘い国なんですね。こんな屑に更生の機会を与えるなんて…もう終わっているとしか言いようがありません。こんな判決を出す神経が理解できません。私は確実に死刑になると思っていましたけどね…。こんなどうしようもない人間に救いを差し伸べるんですから、日本から凶悪犯罪がなくなるわけがない。この判決を見てそう確信しました。

教養ガイド 257

2011年04月08日 15時49分37秒 | 法律
4月8日 西日本新聞

部活動中に熱中症で倒れ高次脳機能障害などの重い後遺症が残ったとして、神村学園高等部(鹿児島県いちき串木野市)の元野球部員の男性(23)=同県鹿屋市=が、同学園を相手取り、約1億1千万円の損害賠償を求めた訴訟はこのほど、学園が男性側の要求額を全額支払うことで、鹿児島地裁(藤田光代裁判官)で和解が成立した。双方の弁護人によると、男性には既に学園側から傷害見舞金などの名目で約1880万円が支払われており、これを差し引いた約9千万円が支払われる。

和解成立は3月22日。学園側は男性の後遺症の内容から妥当な賠償額と判断した。訴状によると、野球部の男性監督=退職=は2003年8月22日、試合敗退後、選手たちに1周200メートルのグラウンドを100周走るように命じた。男性は走行中に熱中症で倒れて約1カ月間、意識を失い、今も記憶障害などに苦しんでいるという。和解について、神村学園の神村勲学園長は「裁判を通じて誠実に対応してきた。男性にこれからも頑張ってほしいと切に願う」とのコメントを出した。男性の父親は「孤立した中での裁判だった。主張が認められてうれしい」と話している。

野球部の練習は今も昔も理不尽極まりない軍隊のような練習が多いんでしょうかね…私の友人も他校ですが、野球部でした。彼の場合は先輩をおんぶしてうさぎ跳びをやらされていたそうです。全くとレーニングとは無意味な練習を強要されれば、このように倒れてしまう生徒も出てくると思います。こういう理不尽の屑監督の下で練習するのは地獄でしょうね…。名門チームの監督であればこんなことは絶対にさせないでしょう。今は高校野球のレベルは年を追うごとに上がって言っている気がしますので、根性論を前面に出すような練習では到底勝つことは難しいと思いますね。

教養ガイド 253

2011年04月01日 16時32分49秒 | 法律
4月1日 中日新聞

事件から半世紀を経ても司法は揺れ続けている。再審で死刑判決が見直される可能性もあるが、死刑囚は八十五歳を超えた。時間との闘いでもある。裁判所は遅滞なく、その役割を果たすべきだ。三重県名張市で一九六一年三月二十八日、地域の懇親会でぶどう酒を飲んだ女性五人が死亡した名張毒ぶどう酒事件。奥西勝死刑囚(85)の獄中生活は、一審無罪判決で釈放され二審で逆転死刑判決を受けるまでの期間を除き四十五年を超える。自由を奪われた生活は人生の半分以上にも及んでいる。死刑囚は、支援者に送った手紙に、「自分の人生は翻弄(ほんろう)されてしまった」と、無念さを記した。「無実だから、訴え続けてきた」とも。別の支援者は「この一年間裁判所は何をやってきたのか。

すぐにでも再審開始を決定するべきだ」と訴える。無罪か死刑かで司法の判断が揺れ、奥西死刑囚は裁判のやり直しを求め続けた。二〇〇五年に第七次請求に対し、名古屋高裁は再審開始を決定。翌年、検察側の異議を受けて、同高裁の別の部が再審開始決定を取り消した。最高裁は昨年四月、奥西死刑囚が犯行に使ったと自供したとされる毒物の鑑定に疑問を投げかけ、審理を同高裁に差し戻した。差し戻し審では、事件当時の鑑定の再実施のため鑑定人を選ぶ必要があるが、これまで十六の研究所や大学などに断られ、まだ人選は終わっていない。環境や材料などの違いもあり、当時の鑑定の再現は素人目にも容易ではない。高裁が再審開始を決めても、検察、弁護側のいずれかが争えば、さらなる長期化も懸念される。

最高裁は一九七五年、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則は、再審請求の判断にも適用されると判示した(白鳥決定)。島田事件など四事件の死刑確定囚には、この考えを受け再審の扉が開かれた。今回、最高裁は「事実は解明されていない」との理由で高裁に差し戻した。七五年の判示に照らせば、最高裁は自らの主体的な判断を放棄したとはいえないか。憲法三二条は裁判を受ける権利を保障し、三七条は迅速な公開裁判を受ける権利を認めている。「長すぎる裁判は、裁判の拒否に等しい」との法格言もある。本人がその耳で聞けるうちに、司法が最終結論を出すことが、死刑囚にも事件現場となった地域の人たちにも、何よりも重要ではないか。

半世紀を越えてもまだ解決しないなんて、どれだけ日本の司法は仕事が遅いんでしょうかね…。この死刑囚の方は、無実を訴え続けているのであれば、早く再審をすればいいのに、と思っているのですが、なぜ早く着手しないのでしょうか?これで冤罪だとしても失われた50年が戻ってくることはありません。奥西さんも、心が折れてしまうことなく戦い続けているというのがすごいと思います。とは言え、50年も前の事件ですので、これから新たな証言や新証拠が出てくる可能性は極めて低いと思いますね。もし万が一出てきたとしても再審が始まればさらに長期化してしまう可能性もあります。かなりご高齢となっていますので、生きているうちに何とか無罪判決が確定し、容疑を完全に晴らしていただきたいと思います。

教養ガイド 251

2011年03月29日 15時57分14秒 | 法律
3月29日 朝日新聞

水俣病問題の最終解決に向けて、政府は真価を問われる正念場を迎えた。水俣病不知火患者会の2993人が国と熊本県、原因企業のチッソに損害賠償を求めた訴訟は熊本、大阪、東京の3地裁で和解が成立した。水俣病と認定されていない被害者でつくる団体であり、大きな前進といえる。これから最終的な解決に向け、三つの課題がある。まず、水俣病の実相を究明しないまま問題を終わらせようとしてきた政府の従来の姿勢と決別する必要がある。今後なすべきは、不知火海沿岸のすべての住民の健康調査だ。2004年の最高裁判決で否定された現行の認定基準を改める課題とともに、水俣病問題の根本的な解決のためにあらためて求めたい。もう一つが「期限付き」の問題だ。和解内容は09年につくられた水俣病被害者救済法に基づく政府の新救済策に沿っている。

救済法は「救済措置の開始後3年以内をめどに救済対象者を確定する」としている。だが、今回の和解にも応じず、判決による司法救済を求め続ける被害者がいる。さらに09年秋に有志の医師らで実施した熊本県天草地域などの住民健康調査では、1千人近い潜在被害者が新たに見つかった。訴訟に加わらず、新救済策にも申請していない被害者が数多くいるのだ。新救済策の受け付けは昨年5月に始まった。潜在被害者の存在を考え、3年で区切りをつけずに、その後も申請できる恒久的な制度にするべきだ。今回の和解では、手足に感覚障害がある人などに1人あたり210万円の一時金と療養手当、医療費の自己負担分が支給される。救済対象と判定された原告は9割以上にのぼる。

公害健康被害補償法は、水俣病発生の地域を熊本県水俣市などに限定し、チッソ水俣工場が不知火海への有害物質の排水を止めた翌年の1969年以降に生まれた世代には水俣病の症状はないとしてきた。和解は、地域や出生年月の線引きで救済対象外にされてきた人たちの一部も救済対象に判定した。現実を幅広くみた結果であり、評価したい。和解と並行し、裁判を起こしていない「水俣病出水の会」など未認定患者3団体も、チッソと紛争の終結を確認する協定を結んだ。救済法による新救済策を申請している未認定患者は、この3団体を含め、4万人を超えている。和解の成果が反映されれば、まだ認定されていない患者の救済拡大につながる。和解と救済法の両輪の動きが、高齢化した被害者を早く救済するためにも役立つ。政府は「最終的かつ全面的な解決」を実現するため、残された課題にぜひ着手してほしい。

一体いつまでかかっているんでしょうね…水俣病が発生したのは私が生まれるはるか昔です。もっと早く和解するタイミングはあったと思うんですけどね。なぜここまで引き延ばし続けているのか…補償金を支払いたくないから、国が認定患者が亡くなっていくのを待っているとしか思えません。どんどん補償金を支払うのを渋り続けてここまで来ていますからね。今でこそ日本は環境に配慮した製品を作っていますが、行動経済成長期の日本に環境問題を考える余裕なんてなかったんでしょうね。その結果、環境なんてまるで無視してとにかく先進国入り一直線できた末路がこれです。経済発展を優先して環境を無視するか、環境に配慮して経済発展を遅らせるか…この環境と経済は常に表裏一体のような気がします。理想は経済発展を順調に遂げつつ、環境にも配慮できることが一番でしょうけど実際はそんなに甘くないですからね…。

教養ガイド 250

2011年03月28日 17時14分21秒 | 法律
3月28日 産経新聞

三重県名張市で1961年3月、農薬入りのぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」は28日、発生から50年を迎える。殺人容疑などで逮捕された奥西勝死刑囚(85)=72年に死刑確定、名古屋拘置所在監=の裁判は1審無罪(64年)、2審逆転死刑(69年)、再審開始決定(05年)、再審取り消し(06年)と異例の展開をたどり、10年4月には最高裁が差し戻しを決定。名古屋高裁で、裁判をやり直すかどうかを巡って検察側と弁護団の攻防が続いている。奥西死刑囚の支援団体は26日から2日間、事件があった名張市葛尾地区などで現地調査を実施した。

全国13都道府県から支援者約100人が参加。27日は事件当日にぶどう酒が運ばれたルートをたどり、弁護団から「奥西死刑囚以外にもぶどう酒に農薬を混入する機会はあった」などと説明を受けた。調査終了後の集会では、検察や高裁に奥西死刑囚の釈放や即時再審開始を求める決議を採択した。調査に参加した鈴木泉弁護団長は「50年は奥西さんの人生の大半。残された時間は多くない。再審の扉を開くべく全力を尽くしたい」と語った。高裁で現在行われている差し戻し審では、ぶどう酒に混入された農薬が、奥西死刑囚が捜査段階で自白した「ニッカリンT」なのか、別の農薬なのかが最大の争点となっている。今後、農薬を事件当時に近い状態に再現しての鑑定が行われる見通し。

この事件…まだやっていたんですね。というよりも、私が生まれるはるか前に起こった事件なのですが、50年も戦い続けている被告人とその支援者は立派だと思います。本当に冤罪であるならば堂々と主張していいと思います。何も間違ったことはしていないんですから。その一方で、遺族の怒りはどこへ向かうんでしょうかね?この被告人に家族を殺されたという恨みと悲しみを忘れたことはないと思いますが、半世紀以上経って冤罪でした、なんてことになったら怒りのぶつけどころがありません。そして、初動捜査でこの被告人が犯人だと決めつけて逮捕されたせいで、被告人は半世紀にわたって、刑務所に入れられ、塀の中での生活を強いられ、真犯人は全く罪には問われずのうのうと生きていたということになりますからこれも許されることではありません。

教養ガイド 249

2011年03月25日 14時41分14秒 | 法律
3月25日 読売新聞

犯行の重大性を考えれば、死刑以外に選択の余地はなかったということだろう。2008年6月に東京・秋葉原で7人が殺害され、10人が重軽傷を負った無差別殺傷事件で、東京地裁は殺人罪などに問われた元派遣社員の加藤智大被告(28)に、求刑通り死刑を言い渡した。「秋葉原で人を殺します」。被告は携帯電話の掲示板サイトにこう書き込んで犯行を実行した。2トントラックを運転して歩行者天国でにぎわう交差点に突っ込み、5人をはねた。トラックから降り、ナイフで12人を襲った。判決は「相手のことを全く顧みない、人間性の感じられない残虐な犯行」と指弾した。犯行の主たる動機としては、被告になりすまして掲示板に書き込みをされるといった嫌がらせを受け、ストレスを募らせたことを挙げた。

背景には「周囲に対する強い不満や孤独感があった」とも指摘した。あまりに理不尽な動機である。判決が「個人的事情を理由に無関係の第三者に危害を加えることなど到底許されない」と批判したのも当然だ。たまたま現場に居合わせ、巻き込まれた被害者や遺族の心情を思うと、やりきれなさが募る。事件以降、「だれでもよかった」と犯人が供述する通り魔事件などの“模倣犯”が相次いだ。インターネット上に凶悪犯罪を予告するような書き込みが相次ぎ、警察が取り締まりを強化した。加藤被告が犯行に使った両刃のナイフは、所持が禁じられた。事件が社会に与えた影響は甚大である。同種犯罪の防止に、警察当局は引き続き厳しい姿勢で臨んでもらいたい。

昨年1月の初公判以来、公判は30回に及び、出廷した被害者や遺族らは42人に上った。被害者らの多くの供述調書について、弁護側が証拠採用に同意しなかったため、法廷での証言により事実を認定する必要が生じたのだ。つらい記憶を呼び戻して証言しなければならない被害者や遺族の立場を思えば、弁護側の手法には疑問符が付く。裁判官にも厳格な訴訟指揮を期待したい。被告は一昨年5月の裁判員法施行より前に起訴されたため、裁判員裁判の対象にならなかった。裁判員が審理に加わっていたら、過重な負担がかかっただろう。重大事件における裁判員裁判の進め方を考えるうえでも、大きな課題を残したといえる。

まぁ…当たり前の判決でしょうね。死刑じゃなかったらこの国の司法は全く機能していないような気がします。歩行者天国にトラックで突っ込み、人をはねた挙句、ナイフで多くの人に切りつけて死傷させたんですから当然のハンケルです。人間は生きている以上、不平不満があるのは当然です。そのはけ口を全く罪のない人たちに向けているあたりがもう救いようがありません。この事件の後、模倣犯が出てきましたからね。こういう屑をまねる人間もまた屑にほかなりません。仮に被告が更生し、謝罪したとしても多くの命が奪われた事実は消えませんし、遺族の怒りが収まることはありません。自分勝手な行動で多くの被害者を出したので全くもって同情の余地はありませんね。今の日本は刑が確定しても半世紀近く執行されませんからどうせ長い間ダラダラと税金で生き続けそうな気がします。それも非常に迷惑ですが…。

教養ガイド 248

2011年03月24日 15時46分38秒 | 法律
3月24日 産経新聞

東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人罪などに問われた元派遣社員、加藤智大(ともひろ)被告(28)の判決公判が24日午後、東京地裁で開かれ、村山浩昭裁判長は主文の言い渡しを後回しにして判決理由の朗読から始めた。検察側は「犯罪史上まれに見る凶悪事件で人間性のかけらもない」として死刑を求刑しており、厳刑が予想される。被告は起訴内容を認めており、裁判では責任能力の有無が主な争点となった。検察側は起訴前の精神鑑定をもとに「完全責任能力が認められる」と指摘。弁護側は「被告は事件当時の記憶がほとんどない。何らかの精神疾患があった可能性がある」として心神喪失か心神耗弱だったと主張していた。

また弁護側は、弁護側申請の精神科医の証言に基づき「母親から不適切な教育を受けて感情をまひさせてしまい、掲示板に依存したことも考慮すべきだ」として死刑回避を求めていた。動機について加藤被告は法廷で「携帯サイトの掲示板で嫌がらせをした人にやめてほしいと伝えたかった」と説明。容姿の劣等感や不安定な就労環境に悩んでいたとの検察側の指摘を否定した。起訴状によると、加藤被告は08年6月8日午後0時半ごろ、東京都千代田区外神田の歩行者天国の交差点にトラックで突入、5人をはねて3人を死亡させたうえ、ダガーナイフで12人を刺し、うち4人を死亡させたとされる。

この判決の模様は明日に書くことにするとして…この屑に極刑以外の計なんてありえるのでしょうか?身勝手極まりない理由で無関係な人を次々と殺害するような悪魔に更生の余地も同情の余地も微塵も見当たりません。このようなことをしておいていくら反省してももう遅いんです。この事件が起こった当時、私は転職し、初めて上京し、独り暮らしを始めたばかりでした。「東京は怖いところ」という田舎者の妄想を決定付けた事件でしたからね。完全なる精神異常としか言いようがありません。このような愚行で多くの人を犠牲にした罪は生涯消えることはありません。こんなことをしても死刑出ないならばもうこの国に正義はありません。死よりも恐ろしい鉄槌が下ることを願わずにはいられません。

教養ガイド 247

2011年03月23日 16時12分07秒 | 法律
3月23日 カナコロ

マクドナルドの川崎銀柳街店に勤め、2000年に過労死した中村圭司さん=当時(25)。母親(68)は「俺、疲れているみたい」と話す圭司さんの暗い表情が忘れられない。圭司さんは、赤信号を待つ運転中の車の中で寝入ってしまうほど疲れていたからだ。圭司さんが亡くなったのは、それから1週間後。前日からの夜勤勤務を終えて早朝に自宅に戻り、少し休んで昼前に出勤。店の裏で倒れているのを通り掛かった人が見つけた。朝暗いうちに出勤することが多く、夜遅く帰宅した。職場から急に呼び出されることも多かった。亡くなる10カ月前には、仕事帰りに具合が悪くなり、急性胃腸炎と過呼吸症候群で入院。退院後、「仕事辞めてもいい?」と口にする圭司さんに、父親(64)は「思い通りにするといいよ」と声を掛けた。

それでも圭司さんは、すぐに働き始めた。父親は「息子はマクドナルドでの仕事が大好きだった。だから頑張り続けたと思う」と振り返る。圭司さんは通常業務のほかに、社内システムの改修作業を受け持ち、自宅でも仕事をしていた。東京地裁は昨年1月の判決で、自宅での作業時間も労働時間と認め、「死亡は業務に起因する」とした。圭司さんが亡くなってから10年、両親にとって待望の判決だった。判決後、日本マクドナルドから届いた書類がある。「死亡と業務の間に因果関係はないものと考えております」両親とも、息子が愛した会社の考えとは思えなかった。「企業は社員の幸せを一番に考えるべきではないか」。父親は裁判で企業の責任を追及するつもりだ。

大好きな会社に入社し、大好きな会社に殺されるとは、なんとも皮肉なことですが、それほどまでブラックだということなんでしょうかね?記事にもあるように、会社は社員の幸せが一番でなくてはなりません。社員の働きやすい環境を整えることで、活性化し、顧客に喜ばれるような商品の提供ができたりするわけです。しかし、現実はそんな理想論を言っていられないんですよね。実際は、会社の利益を上げるために、社員を奴隷のごとく酷使し、サービス残業という名のもとにタダ働きを強要し、うつになったらさようなら…というのが現実ではないでしょうか?本来は労働者と使用者の立場は対等でなければいけないはずなのですが、そのバランスは完全に傾いてしまっています。マクドナルドはこの不況にあっても、会社は傾くことなく、常に一定水準以上の利益を挙げ続けています。こうした背景にはこの被害者の予備軍と呼ばれる人も多くいるのではないでしょうか?この多大な利益は、現場で働く人々の過酷な労働環境の上で成り立っていそうな気がしてなりません。