goo blog サービス終了のお知らせ 

一般教養まるわかりガイド

世の中で起きている森羅万象を斬ります。お笑い、芸能スキャンダルから政治経済の時事情報まで幅広く書いていきます。

教養ガイド 285

2011年07月01日 16時56分49秒 | 法律
7月1日 読売新聞

覚せい剤取締法違反などの罪に問われたタレント、田代まさし(本名・政)被告(54)の判決公判が1日、横浜地裁で開かれ、宮本孝文裁判長は懲役3年6月(求刑懲役4年)を言い渡した。田代被告が薬物事件で有罪判決を受けるのは3回目。公判で田代被告は起訴内容のうち、共犯とされた知人女性(50)=有罪確定=と薬物を共同所持したとされる点について否認していた。

宮本裁判長は判決理由で、「(知人女性が)薬物を所持・保管していることを認識していた」と指摘。「薬物についての常習性は顕著と言わざるを得ない。所持した薬物は多量におよび悪質」と結論づけた。判決によると、田代被告は昨年9月16日、横浜市中区の駐車場で、コカイン0・87グラムを持っていたほか、神奈川県厚木市内の知人女性宅などで、覚醒(かくせい)剤約10グラムとコカイン約8グラムを共同所持。同月上旬には、都内や神奈川県内で覚醒剤を使用したとしている。

薬物犯罪は再犯率がとても高いですので、刑期が終わって出てきてもまた同じように数年後、もしくは数ヵ月後に捕まってまたしてもブタ箱行きになっていそうな気がしますね。思い起こせばマーシーさんはのぞき事件から人生が狂い始め、気付けば目も当てられないくらい凋落してしまいましたからね。覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕というニュースが飛び込んできて、連行される田代被告をテレビで見ましたが、廃人という言葉がこんなに似合う人がいるのかというくらい落ちぶれていましたからね。おそらくもう覚せい剤と縁を切るということはできないような気がします。

教養ガイド 283

2011年06月28日 16時45分42秒 | 法律
6月28日 朝日新聞

公立学校の卒業式などで教員を起立させ、君が代斉唱を命じることは、思想・良心の自由を保障した憲法に違反するか。この問題をめぐり、最高裁の三つの小法廷が相次いで判決を言い渡した。小法廷の審理には加わらない長官を除く計14人の裁判官の見解が出そろった。うち12人が命令は合憲と判断した。これに対し「精神的自由権に関する問題を、一般人(多数者)の視点からのみ考えることは相当でない」(宮川光治判事)などと、反対意見を明らかにしたのは2人だった。学説の多くが違憲説をとるなか、民主主義社会の基盤である基本的人権の重みを、憲法の番人はどうとらえているのか。疑問と懸念を残す結果となった。一方で注目すべきは、すべての小法廷が「命令は、思想・良心の自由の間接的な制約となる面がある」と指摘したことだ。

一、二審判決の多くが「教員に特定の思想を強制したり、告白を強いたりするものではない」として、比較的あっさりと原告側の主張を退けたのに比べ、ぎりぎりのところでの合憲判断だったことをうかがわせる。一連の判決では、民事訴訟法の定めなどから、命令に違反した教員に対する処罰の適否は直接の審理対象にならなかった。だが個別意見でこの問題に言及した裁判官が複数いる。反対意見を書いたもう一人の田原睦夫判事は「処分は慎重であるべきで、命令に違反したからといって直ちに処分すれば裁量権の乱用が問われ得る」と述べ、岡部喜代子判事は命令は合憲としつつ「処分の程度や影響などによっては裁量権の逸脱・乱用になる」と警告した。

ほかにも、合憲とした判事らから、過度の不利益処分を背景に起立斉唱を強制することに危惧を示す見解や、教育行政の担当者に「寛容の精神」を求める意見が示されている。日の丸・君が代に関しては、戒告処分は社会通念に照らし重すぎるとして取り消した高裁判決と、逆に停職処分を追認した高裁判決があり、ともに最高裁に上告されている。これらの事件の審理では処分のあり方が正面から議論されることになる。今回示された様々な意見を踏まえ、最高裁が次にいかなる判断を下すか、注目したい。大阪府の橋下徹知事は、起立斉唱命令に複数回違反した者を免職とする条例の制定を唱えている。合憲という多数意見の結論だけでなく、最高裁が発したメッセージの全体を受け止めて行動してほしい。それは他の首長や教育関係者も同様である。

まぁ…君が代は国家ですからね。個人的にはどちらでもいいのでは?と思ってしまうんですよね。まぁ日本人であれば尊重するのもよいかと…オリンピックではメダルを取れば君が代が流れますし、ワールドカップでは試合前に君が代が流れますからね。橋下さんのように違反したら免職にしてやるぜ!と、自分の思想と違う人間を排除するというやり方は感心しませんが、厳粛な場で起立しなかったり、君が代が流れている時に場の空気を乱すような行動を平然ととるような人はいてほしくはないですね。裁判では一応合憲だったようですが、判例では云々と言って従わない人間を切るというやり方ではいつまでたってもこの問題は長引くでしょうね。というか、人それぞれ思想や考え方が違う以上、この問題を終息させることは不可能でしょうね。

教養ガイド 282

2011年06月27日 17時05分47秒 | 法律
6月27日 産経新聞

全国B型肝炎訴訟は28日、原告側と国側が和解の基本合意書に調印、菅直人首相が国の責任を認めて謝罪する。集団予防接種の注射器使い回しでB型肝炎ウイルスに感染したとして患者らが国を訴えた訴訟は、大きな節目を迎える。しかし、被害者の苦しみが消し去られるわけではない。社会で理不尽な接し方をされ、おびえながら日々を過ごす被害者は多い。「まだ、自分から『B型肝炎患者です』と言える社会になっていないと思う」。吉田香織さん=仮名、(26)=は、近畿地方で幼少時に受けた予防接種によってB型肝炎ウイルスに感染。社会との距離の取り方に苦しんできた一人だ。感染を知ったのは中学入学直後。運動部に入りたいと母親に相談したところ「疲れやすいことをしたらアカン」と猛反対された。「なんでやの」。詰問する香織さんに、母親は突如大粒の涙を流し「B型肝炎だからや」と告げた。

「何でも好きなことさせてやりたいんやけど…。守ってやれなかったお母さんのせいや。ごめんな」。自分が予防接種を受けさせたばっかりに-。初めて見た母の涙。「なぜ、お母さんが罪悪感を持たなければならないの」。自分の言葉で、母を悲しませたことがつらかった。感染の事実を友人に告げることはできなかった。思春期を迎え、好きな男の子ができても告白はためらわれた。「交際することになったら、感染者である事実を告げなければならない」。そう思うと、勇気が出なかった。医療関係の仕事にあこがれ、専門学校に進学。入学後、学校職員に何げなく感染を告げたところ、香織さんが使っていた医療器具を消毒し始めた。「入学の時に知ってたら、入学させていないよ」。人に触れる実習は許されず、他の学生と別の場所に移され、人形相手に行った。もちろん、入学規定にB型肝炎患者が入学できないという規定はない。

学校を介して紹介されたアルバイト先の病院にもすぐ連絡が入った。「君がB型肝炎と知っていたら採用してへんわ」「感染させられたら嫌や。近寄らんといて」。院長から心ない言葉を投げかけられた。資格取得後は、「B型肝炎でもいいよ。何も問題ないやん」と言ってくれる医療機関に就職。周囲の理解のなか仕事を続けている。それでも友達には、いまだに感染の事実を伝えることができないでいる。結婚、出産、子育てへの不安、そして、いつ病状が悪化するかという恐怖を抱えながら毎日を過ごす。「世間は『和解でよかった』と言ってくれるけど、これで終わりではない」と香織さん。「被害者が安心して過ごし、自分から『B型肝炎患者です』と言える社会になってほしい」。心から、そう願っている。

和解したとしても、首相が謝罪したとしても、いわれなき差別や偏見に耐えてきた皆さんの心が晴れることは決してないと思います。私が小学生だった時にもB型肝炎の子がいましたが、普通に遊んでいましたよ?差別してやろうとか、色眼鏡で見てやろうなんて思ったことは一度もありませんでしたよ?よくこんなに人を傷つけることができるなとある意味感心してしまいます、医療関係者がB型肝炎に対して誤った考え方を持ち、率先して差別をしているというのが信じられません。こんな心ない言葉を投げかけるような人は心底、心の貧しい人なんでしょうね。私がいくら経済的に追い込まれても心まで貧しくはならないでおこうと思います。いくらお金を積んだとしても傷ついた心を治すことはできません。記事を読むたびに怒りがこみ上げてきて仕方ありません。

教養ガイド 278

2011年06月20日 17時17分14秒 | 法律
6月20日 産経新聞

ライブドア(現LDH)の粉飾決算事件で、旧証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われ、懲役2年6月の実刑が確定した堀江貴文元社長(38)が20日午後、収監に向けて東京高検に出頭した。堀江元社長は東京・小菅の東京拘置所にいったん収容され、収監先の刑務所が決まる。服役期間は、勾留(こうりゅう)期間の一部が差し引かれ、最長で2年4カ月余り。

出頭に先だって堀江元社長は「一回人生リセットして帰ってきたいと思う」と話した。出頭の様子はネットでも中継され、高検の周辺には約400人の報道陣や一般人が詰めかけた。確定判決によると、堀江元社長はライブドアの平成16年9月期連結決算で、自株売却益や架空利益を不正に計上し、約53億円を粉飾。同年10月~11月、関連会社が買収する出版社の価値を過大に評価し、関連会社の虚偽の業績を発表した。

ベンチャー企業の社長→ヒルズ族→犯罪者→凋落→何をしていたのかいまいちわからない期間→収監という感じでしょうか…。私はライブドアのニュースを見て初めて「ベンチャー企業」という言葉を知ったくらいです。まぁ捕まってからもかなり出しゃばってメディアとかにも出ていましたし、時代の寵児と呼ばれた経営者も今はただの犯罪者です。これからは番号で呼ばれる生活が待っていそうですね。お疲れ様でした。と言っていてもなんだかんだで出てきたらまた何かやらかしそうな気しかしないんですよね…。

教養ガイド 267

2011年06月01日 15時57分21秒 | 法律
6月2日 読売新聞

お笑いタレントらの養成所・吉本総合芸能学院(NSC)大阪校に在籍中、毎日放送(大阪市)のテレビ番組の野外リハーサルで熱中症になり、重い後遺症が残ったとして、大阪府内の元生徒の男性(24)と両親が、毎日放送と、吉本興業(同)傘下でNSCを運営する「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」(同)に計約2億6000万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴したことがわかった。1日の第1回口頭弁論で、被告側は請求棄却を求め、争う構えを示した。訴状によると、男性はNSCが募集した毎日放送の特番内のコーナー「番組対抗駅伝」のリハーサル要員になった。2008年7月25日正午に大阪城公園(同)に集合。午後5時頃に830メートルを走り、さらにその約30分後には1200メートルを走り始めたが、途中でふらつき中止した。

約1時間後に救急搬送されたが熱中症と診断され、手足がまひし、記憶力などが低下する「高次脳機能障害」が残った。特番は男性が倒れた翌日、予定通り放送された。原告側は、当日の最高気温が35度以上で、日本体育協会の熱中症予防の指針に照らせば「運動は原則中止」の気象条件だったと指摘。毎日放送については「速やかな搬送など適切な対応を怠った」、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに対しては「毎日放送に安全面の配慮を求めるべきだった」と主張している。男性は4月に提訴。毎日放送からは09年7月、入院費など約177万円の支払いを受けたが、訴訟では慰謝料や介護費などを求めている。

今も昔も、お笑い芸人は体を張って笑いをとりますからね。今はかなり規制が厳しくなり、無茶なことをしたらBPOや視聴者から総スカンですが、一昔前のお笑いウルトラクイズをはじめ、たけし軍団が出ていた番組は体を張るという粋を超えていましたからね…この人たちに人権はあるのか…と思ったものです。そんな人たちももう立派なお笑い界の大御所です。高次脳機能障害が残ったのだとすればもはやそれは笑いでは済まされませんから賠償したほうがいいでしょうね。腐るほど金がありそうですし…。私の友人もお笑い芸人として頑張っている人がいますが、月収は400円くらいらしいです…。笑いをとるためにわが身を削り、不規則極まりない就業形態に耐え抜き、ブレイクしたと思ってもお笑い芸人はわんさかいますから飽きられたら終わりですしね。本当に弱肉強食の過酷極まりない世界です。

教養ガイド 266

2011年05月31日 15時41分54秒 | 法律
5月31日 読売新聞

卒業式で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱するよう教師に命じた校長の職務命令は憲法に違反しない――。最高裁は、そう結論づけた。東京都から定年後の再雇用を拒否された都立高校の元教師が、損害賠償を求めた訴訟の上告審判決だ。判決理由をこう述べている。卒業式や入学式は、教育上、特に重要な儀式的行事である。式典の秩序を保ち、円滑な進行を図る目的で校長が出した職務命令には必要性と合理性がある。妥当な判断である。この判決を機に、教育現場で長く続いている国旗・国歌を巡る処分や訴訟などの混乱に終止符を打つべきだ。元教師は「君が代を起立して斉唱することは良心が許さない」と訴えていた。校長の職務命令は思想・良心の自由を保障した憲法に違反すると主張していた。

しかし、君が代の斉唱は、学校の式典などで広く慣例的に行われている。教師は生徒に国旗・国歌を尊重する態度を教え、自らその手本を示す立場にある。職務命令について、最高裁は、「思想・良心の自由を間接的に制約する面がある」とも述べた。だが、職務命令の目的や内容が正当なものであれば、制約は許されるとして合憲の結論を導いた。国旗掲揚と国歌斉唱は、学習指導要領が「入学式や卒業式で指導するものとする」と定めているにもかかわらず、一部の教師がこれらを拒否してきた経緯がある。東京都は2003年に起立・斉唱を義務づける通達を出したが、違反して懲戒処分を受けた教職員は延べ400人以上に上る。

判決が指摘するように、公立学校の教師は本来、「法令や職務命令に従わなければならない」ことを自覚すべきだろう。折しも大阪府では、橋下徹知事が代表を務める地域政党「大阪維新の会」の府議団が、教職員に起立・斉唱を義務づける全国初の条例案を議会に提出した。橋下知事は「府教委が指導を続けても、まだ職務命令に違反する教員がいる」と言う。昨春以降、6人の教師が処分を受けた。そうした状況では、条例制定の動きが出てくることもやむを得まい。さらに、9月議会では、違反した教職員の処分基準を定めた別の条例制定も目指している。自国、他国の国旗・国歌に敬意を表すのは国際的な常識、マナーである。そのことを自然な形で子供たちに教える教育現場にしなければならない。

日教組出身でしょうかね??こんなことを言うと偏見になりますが…。個人的には至極まっとうな判決だと思うんですけどね…。君が代は国の歌であり、日の丸は日本の国旗ですからね。日本人としては誇りを持つべきだと思うのですが…。でもこの判決は思想によって大きく意見が分かれそうですね。でも最高裁での反kつが確定した以上、これが判例として残りますので、これからは卒業式や入学式の時に起立しない教師がいたら容赦なく罰していきそうな気もします。憲法に明記されている以上、思想・両親の自由は尊重されるべきだと思いますが、業務についている以上ある程度制約を受けるのも仕方のないことだと思いますしね…。これから先どうするんでしょうかね…活動家にでもなるのでしょうか?少しだけ気になります。

教養ガイド 264

2011年05月27日 16時32分02秒 | 法律
5月27日 産経新聞

茨城県取手市のJR取手駅西口で昨年12月、バスの乗客14人が無差別に切り付けられた事件で、殺人未遂容疑で逮捕された同県守谷市、無職、斎藤勇太容疑者(27)に「責任能力はあった」とする精神鑑定結果が出たことが、捜査関係者への取材でわかった。水戸地検は斎藤容疑者を勾留期限の27日、殺人未遂罪で起訴する見通し。捜査関係者によると、事件当時や現在の斎藤容疑者の精神状態などを鑑定したところ「人格障害」との診断が出たという。

水戸地検は幻覚や妄想が生じることがある精神障害と異なり、責任能力に問題はないと判断したとみられる。斎藤容疑者は昨年12月17日朝、取手駅西口に停車中のバスに乗り込んで乗客に包丁で切り付け、当時高校1年の女子生徒らにけがをさせたとして逮捕された。地検は今年1月21日、約3カ月の鑑定留置で、精神鑑定を専門家に依頼。東日本大震災の影響などで期間を延長し、5月23日に鑑定が終了した。

起訴は当然でしょ…買って極まりない理由で無差別に切りつけるような鬼畜を野放しにしていたら被害者が次々に出てきて収拾がつかなくなります。このような凶悪事件を起こすと、必ず要求されるのが「精神鑑定」ですが、精神障害を理由に減刑なんて卑怯なことはしないでいただきたいと思います。こんな自己中の極みのような屑に傷つけられた人たちのことを考えたら厳罰以外の選択肢なんてありえません。出来ることなら二度と社会にも出てきてほしくありません。

教養ガイド 263

2011年05月25日 14時19分23秒 | 法律
5月25日 読売新聞

裁判をやり直し、事件から44年を経て出された無罪判決である。茨城県利根町で1967年に大工の男性が殺害され、現金10万円余りが奪われた「布川(ふかわ)事件」の再審で、水戸地裁土浦支部は、桜井昌司さん(64)と杉山卓男さん(64)に無罪を言い渡した。判決は、「2人が犯人であると証明するに足りる証拠は存在しない」と断じた。強盗殺人罪で78年に無期懲役が確定した2人は既に服役し、仮釈放された。検察は再審で2人に改めて無期懲役を求刑していた。検察は控訴するかどうかを検討するが、立証を完全に否定された以上、2人の無罪を速やかに確定させるべきだろう。戦後の事件で死刑か無期懲役が確定後、再審で無罪となったのは「足利事件」に続き7件目だ。

司法界全体が、冤罪(えんざい)を防げなかった事実を重く受け止め、綿密に検証して再発を防ぐ必要がある。検察は、2人の「自白」と、被害者宅の前で2人を見たという住民の証言を立証の柱にした。判決は、捜査段階で犯行を認めた2人の供述が一貫性を欠いていることを重視した。供述調書については、「捜査官の誘導などにより作成された可能性を否定できない」との判断を示した。冤罪につながりやすい自白偏重の捜査が、布川事件でも行われたことがうかがえる。目撃証言についても、判決は、「信用性に欠ける」と指摘した。その判断に至る一つの要因になったのが、新たな目撃証言の存在だろう。杉山さんを知る女性が「現場近くで見たのは、杉山さんとは別人」と語ったものだ。

この証言の調書は、2人が2001年に行った2回目の再審請求で検察が初めて開示した。再審が開始される決め手となった。判決は、女性の証言の信用性について全面的には認めなかったが、この証言がもっと早く判明していれば、当初の裁判の結果に影響が及んだのではないか。検察側に、都合の悪い証拠は伏せておく恣意(しい)的な証拠開示があったと言わざるを得ない。裁判員制度の導入に伴い、現在では初公判前に、検察が争点にかかわる証拠を原則的に開示するルールが採用されている。だが、検察がほとんどの証拠を押さえているという構図は変わらない。検察が、自らに不利な証拠も開示してこそ、公正な裁判が成り立つ。裁判官にも証拠開示を促す訴訟指揮が求められている。

中学の時に公民の授業で習った冤罪事件のひとつです。当時15歳の私はもう30前になってしまいました。冤罪が確定するまでにこんなにも時間がかかってしまったのかと思いましたが、44年間も冤罪を訴え続けて晴れて無罪になったとしても失われた時間はあまりにも膨大です。人を取り調べるのも人であり、人を裁くのも人です。そして人は完璧でない以上、このような冤罪が生まれてしまいますが、この冤罪を晴らすのも膨大な時間が必要だということなんでしょうかね…。足利事件にせよ、当時の取り調べや捜査に誤りがあったとp主張する人も多く出てきそうです。昔に比べて今の科学捜査は飛躍的な進歩をしましたので、当時では黒だと思われていた事件が実は全く関係なかった…なんてことになるかもしれません。布川事件では逆転無罪を勝ち取ることに成功しましたが、自分は冤罪だと証明するのはこんなにも大変なんだと実感しましたね。

教養ガイド 259

2011年05月19日 15時58分22秒 | 法律
5月19日 京都新聞

舞鶴市で2008年5月、高校1年の小杉美穂さん=当時(15)=が殺害された事件で、殺人罪と強制わいせつ致死罪に問われた無職中勝美被告(62)の判決が18日、京都地裁であった。笹野明義裁判長は、公表されていない被害者の所持品の特徴を詳述したことや目撃証言などから「被告が犯人であることに疑いを抱かせる事情は存在しない」として、無期懲役(求刑死刑)を言い渡した。中被告は控訴する方針。中被告は一貫して無罪を主張していた。凶器など被告と事件を直接結び付ける証拠はなく、検察側の積み上げた状況証拠の評価が焦点だった。笹野裁判長は、3人の目撃証言や防犯カメラ映像から、中被告が犯行時刻ごろ、遺体発見現場近くに、小杉さんと一緒にいたと認定した。

中被告が捜査段階で「知人が遺留品を川に捨てたのを見た」と供述した際、非公表のポーチや下着の色、形状を説明したことについて、「双方を知る機会があるのは犯人のほかには、ほとんど考えられない」と述べた。さらに深夜の人通りが少ない郊外のため、「被告と別れた後に別の人物が殺害した可能性は想定しがたい」などとした。量刑について、笹野裁判長は、中被告が複数の者を犯人と名指ししたことなどから「反省悔悟の情は微塵(みじん)も見られない。死刑求刑も首肯できる」とする一方、「深夜に出会った被害者を襲った事案で、偶発的な面がある。死刑の選択がやむを得ないとまでは言い難い」と述べた。判決によると、中被告は08年5月7日未明、舞鶴市朝来中(あせくなか)の朝来川岸付近で、小杉さんの顔や頭を鈍器で殴ってわいせつ行為をして、失血死させた。裁判員制度実施直前の09年4月に起訴されたため、裁判官3人が審理した。

状況証拠であったとしても、すべての証拠が犯人を指しているのだとすれば、やはり有罪だということなんでしょうかね?でも状況証拠だけで極刑の良い私には無理があったということで無期懲役…グレー判決ですね。しかし、記事を見てみると、鈍器で殴ってわいせつ行為をして失血死させるなんて人間のすることではありません。これが翻弄ならば鬼畜以下の蛮行であり、死刑以外の選択肢はあり得ないと思うんですけどね。しかもこんな残忍なことをしておきながら否認を続けていたとなると、遺族の怒りは筆舌に尽くしがたいものがあると思います。過去にも人を殺めたことがあるそうですし、危険極まりない人物なのですが…疑わしきは被告人の利益にということで、無期懲役に落ち着いたんでしょうかね。いずれにしても…最高裁までもつれそうな予感がしてきます。

教養ガイド 258

2011年05月17日 15時56分19秒 | 法律
5月17日 産経新聞

福島地検が東日本大震災後に勾留中の容疑者らを釈放した問題で、法務省は16日、同地検の中村明検事正を最高検検事に異動させ、事実上の更迭とみられる異例の人事を発令した。法務・検察当局は、地域住民に不安を与えたことや、一次的な捜査を行う警察との連携不足が露呈した今回の対応を問題視。地検トップを刷新することで事態収拾を図りたい考えだが、信頼回復には時間がかかりそうだ。福島地検は震災当日の3月11日から16日にかけて、本庁、いわき支部、郡山支部合わせて計31人を釈放。このほか、仙台地検も本庁と4支部で計27人を釈放し、3被告の勾留を取り消した。報道で釈放の事実が明らかになったのは3月末。両地検は「容疑者の身柄の安全確保と、被害者や参考人を呼び出して事情を聴くことが困難になった」「すべて軽微な犯罪で治安に影響はない」などと説明したが、福島地検の対応だけが問題となった。理由は警察との連携不足にある。

いわき支部は、警察署と十分な協議をせずに「釈放指揮書」を送っていたことが判明。また、同支部が被災直後ではなく、福島第1原発2号機の圧力抑制室が爆発した3月15日から釈放手続きを始め、庁舎を一時閉鎖していたことも発覚。こうした対応を、福島県警関係者から「言語道断」などと強く批判され、事態を大きくする結果を招いた。一方、検察内部では当初、「予測できない震災でやむを得ない措置だった」とする意見も少なくなかった。だが、「軽微な犯罪」とした福島地検の報告が、事実とは異なることが明らかになると、対応を疑問視する声が広がっていった。とりわけ、地検が釈放した強制わいせつ事件の容疑者は、知人の女子大生のアパートに侵入し、手錠をかけて犯行に及んでいたことが判明。ある最高検幹部は「当初はこうした報告は受けていなかった。決して軽微とはいえない。こんな事件ならば釈放はしないだろうと漫然と考えてしまい、最高検も対応が遅れてしまった」と反省点を挙げた。

また、4月2日には、福島地検が釈放した窃盗事件の容疑者が建造物侵入の現行犯で再び逮捕され、実際に治安に影響を与える事態ともなった。江田五月法相は釈放をめぐる一連の対応を問題視しており、岩村修二仙台高検検事長が9日に、中村氏に口頭で再発防止を指導。また、江田法相も13日の閣議後の会見で「関係各官庁との調整も十分にできておらず、住民にも不安を与えた」と地検の対応を批判した。法務省は通常、検事正の人事を退職者の発生に伴い行うが、今回は異例のタイミングでの発令となった。ある法務省幹部は今回の人事について「更迭ではないが、釈放の問題と全く関係ないとはいえない」とした上で、「警察との関係を構築し直すため、という意味合いも含めている」と説明。また、別の幹部は「福島地検の職員の求心力を失い、円滑な業務遂行に支障が出てきた」と指摘した。

この検事さんは、地震で罪を裁くどころじゃなくなって解放したんでしょうかね?あの震災で司法機能がマヒしましたから…。普段は犯罪に軽いも重いもない!と言いそうないものですが、軽微だから大丈夫だろうと思って解放したはいいけど、解放した人でこの震災に乗じてまた悪いことをした人がいたので問題になったんでしょうね。やはり犯罪者は犯罪者、屑は屑ということです。これはよくよく考えたら大失態ですが、よくクビにならずに異動で済みましたね。解放されたら今度は人の役に立とうだとか、復興支援に尽力しようではなく、また悪いことをするんですから…救いようのない人間です。価値ゼロです。聞くところによると、軽微なものと言いながら、実際は暴力団関係者や強制わいせつ事件を起こした奴も含まれていたらしいですからね。こういうやつらは人の心を持っていませんから絶対にやらかすでしょうからね。