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渡岸寺(どうがんじ)の十一面観音

2012-10-31 | お出かけ
渡岸寺(どうがんじ)の十一面観音

かくれ里探訪シリーズ 

 白洲正子さんによると、こちらの十一面観音は、近江でもとりわけ美しいということで、出かけてみた。





 時は、聖武天皇の治世、疱瘡が蔓延し人心がすさんだ世の中を立て直そうと、泰澄大師により観音像が彫られ、桓武天皇の折、最澄によって伽藍を整えられたのがこの寺の始まりである。
 浅井・織田の戦乱の世に至っては、寺領召し上げとともに兵火に遭い、伽藍は焼け落ちたが、この十一面観音像は、信徒により土に埋められることで難を逃れたという。





 室生寺の十一面観音に比して、お顔は、鼻筋が通り、かなりエキゾチックな様相である。少しひねった腰はほっそりとくびれ、後ろ姿は実に官能的だ。衣の流れるようなラインは、空気をはらみまさに西域的と言っていいだろう。ローマの彫刻群を彷彿とさせる。頭上の化物はどれも精巧で、中でも注目すべきは、背面の暴悪大笑相だ。



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