いつもは「要約」を依頼されているところから、数人の会話の「素起こし」の仕事がきた。
現在、外勤で日中週3日は家を出ている身としては、実働2日で2時間半のテープ起こしは少々ハードだ。けれども、最近、そのお客さんからの仕事を忙しいという理由で2度ほど続けて断っている。メールではなく、直々に電話で依頼されたこともあり、ここは一つ請けよう、外勤の日も夜に作業をし、休日返上ですれば何とかなるだろうと判断して受注した。
日程的に不安はあるものの、何とかなるだろうと思っていた。
しかし、届いた音声を聞くと、ぼそぼそ声の人が結構長時間しゃべってるじゃないの! もともと会話を起こすというのはそういうものだけれども、聞き取りを完ぺきにすることに限界を感じる。
最初に「少し聞きにくい部分があるけれども、それは了解済み」とは聞いていた。だから、そういう原稿でも構わないという話ではあった。
過去に請けた聞き取りにくい音声と比べてかなり難しいというわけではなかったが、それでも、聞き取りにくい音というのは気持ちが萎えるもの。
まあ、そこをきっちりと仕上げるのが「プロ」ですよ。
それは自覚しているけれども、テープ起こし屋も人間。精巧な機械ではない人間の耳で聞くため、聞こえないものは聞こえないんですね。
その「聞こえない」部分をできるだけ減らし、全くとんちんかんな言葉に聞こえる言葉を、「そんなはずはないだろう」という気持ちで聞き直すと、少なからず本来の(と思える)言葉が聞こえるようにもなる。
音の良い起こしの場合は、音無しで素読して誤字脱字、句読点の位置や文章の読みやすさをチェックするが、こういう仕事の場合は、ひたすら音を何度も聞いて音を拾うことに時間を費やすほうが合理的だと思う。
もし、聞き間違えた箇所を多く残したまま納品したとして、それを先方がそのまま聞き直しせずに何かに使うと考えたら、やっぱりおろそかな聞き取りはできない。
今回は、1人では対処しきれなかったので、同業の知人に一部助けをお願いして、何とか対処できた部分もある。
自分1人でできるのか、どこかに頼むあてがあるのか。
当初は1人で全部やるつもりだったけれども、実際に請けた音の具合をみて、予想以上に聞き取りに時間がかかると判断した。助っ人を依頼する必要を感じたので同業者が集うMLで募集をかけたが納期が短かったせいか、見つからない。
こうなれば仕方がない。徹夜を覚悟でやるつもりでいた。
が、体力とも相談しなければならない。連日の徹夜なんて、原稿の質も下がるというもの。(第一、もう徹夜などに頼れる年齢でもないし)
そこで、同業の知人に依頼したというわけだ。深夜にもかかわらず快く応じてもらい、仲間のありがたさを実感している。
「プロ」だと仰々しく意識しているわけではないが、良い仕事をするためには、「想定外」の出来事に、とっさにどういう対応ができるのか。そんなことも問われていると思う。
ご迷惑かけないようにがんばります。ハイ!
迷惑など何も被っていませんのでご心配なくね。
先週から経理担当の助っ人がお見えです。
月曜日のみお会いするのですが、だんだん業務も広範囲になってきたようです。
12月後半は、息抜きができるのを期待しましょう。