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海辺のモラトリアム

フランス(ニース、グラース)留学に伴う諸々の準備や現地での生活について、知人に向けての近況報告

最後の遠出?

2010-11-14 10:49:43 | フランス留学生活
昨日、友達や友達の彼氏を含め8人でPlais de gourement
(パレ・ド・グルモン;グルメ展)に行ってきた。


大々的に一緒に出かけられる最後の機会だと思っていたので、
Saint tropez(サン・トロぺ)など行ったことがない場所へ
遠出したかったのだが、若干1名が乗り気じゃなく、
フランス人のクラスメイトが「すごくいいよ」と言ったのもあり、
それじゃあ一年に一度しか開催されない祭典の方に行こうか
という話になった。

なんでもその祭典は、ニースの近くのCagne sur mer
(カーニュ・シュール・メール)という場所の広場であり、
入場料を少し払うとそこにたくさんのブースがあって
チョコレートなどいろんな食材が食べられるという話だった。

私もサントロぺに行ってもオフシーズンの観光地、
しかも変わり映えのしない南仏の景色が広がっている
だけだろうという懸念があったので、それに賛成した。




結果、なんというかただの買い物になってしまった。

お金を払って買うだけ、試食もそこまで充実しているわけではないのに、
入場料8ユーロも取るところにびっくりだ。
かつ、60%くらいがワインのブース。
試飲のためのワイングラスを借りるのにも1.5ユーロ掛かる。
フランス人の友人いわく、
入場料は興味のある人を厳選するためのものだそうだ。
ただ試食や試飲だけにこられてはたまらないということなのだろう。

日本のデパートのグルメ展のほうがよっぽど気前がいいんじゃない?
という数々のマイナス点はさておき、楽しむことにした。




まず目についたのはワインとソーセージ、チーズ。


チョコレートのブースは2,3個ほどで、
意外にフォア・グラのブースが多かった。
フォア・グラはカモの肝臓を異様に太らせたもので、
自分はそのサイドストーリーと味が好きではない。
ニースでホームステイしていたときにホストマザーたちと
クリスマスを共に迎え、フォア・グラを御馳走になったが、
あまりに脂肪分の生臭さを感じて呑み込むのに苦労した。

でも、売り場のおじさんたちはとてもキュート。



フランスの名物菓子、ヌガーのブース。


そしてトリュフ と貴腐ワイン。
 

私はソーセージ(サラミ?)をたくさん買ってしまった。
こちらに来た頃はソーセージやサラミなど外見がグロテスクなもの
に手を出せなかったし、ものによって品質がすごく違うので
それが面倒で買おうとしなかった。
だけど最近はサラミ(スライスされたソーセージ)がマイブームで、
スーパーに行くたびに買うようになっていた。
イタリアの市場に行った時に買ったソーセージが異様においしかった
という記憶があったからだろう。

しかし残念ながらフランスで私好みのソーセージを見つけるのは難しいようだ。
その場の雰囲気に乗せられて買ったのはいいものの、
今回ソーセージの試食をたくさんした結果なのか、家に帰ったとたん
ソーセージへの興味も件のサラミへの愛着も失ってしまった。

1枚のサラミを口にした時のあの輝くような幸福感が訪れない。
好きな食べ物を失うというのは残念なことだ。


また、日本人の友達がいろんなところで探していて
見つからなかったというイベリコ豚のブースが一つだけあった。
ドングリしか食べさせないという、あの豚だ。
なんでもこのお兄さんはスペイン系の人で、
フランスでイベリコ豚を育てているのだそうだ。

1kg…100ユーロほど。
試食させてもらったが、ハムやソーセージのような生臭い香りがせず、
まさに木の実の香ばしい香りがした。


友達をナンパしてきたお兄さん。

電話番号を聞き出そうとしていた。
友達が写真を一緒に撮ったあと「face book」に載せるというと、
結婚指輪を見せて焦っていた。
いい撃退法だ。


フランス人はワインを大人買いしていたので、友達と、
「この市場はフランスの人々がクリスマス用の食材を買いだめするところだ」
という結論に達した。


そんなこんなで2時になり、
遅刻してきた友達はニースに買い物があるといって別れ、
フランス人カップル(買い物に来たかっただけ?)はいつの間にか
帰っていたりして、私達も帰宅することになった。


皆疲れていたが、私と日本人の友達は不完全燃焼。
最後の思いで作りが買い物に変わった残念感が拭えない。





眠くて仕方がなかったが、無理やり出かけることにした。



行き先は未定。
とりあえずカンヌにバスで出て、そこから行ったことがない地へ
バスに乗っていこうと。
土曜日は夜行バスがあるので10時半のバスでグラースに帰ることにした。



カンヌに着いた私達は、とりあえずなぜかアジアン・ショップに足を向けた。
そこで買い物をし、期待していたチョコレートパンが売り切れで手に入らず、
少しお腹がすいていることに気づいた5時。


旅が終わってから行こうと言っていたタイ・レストランが目に付いた。

カンヌのSNCF駅前のバスターミナルの斜め前にあるところで、
私が一度見たときは雰囲気も暗く品数もすくなく、
ここに入ることはあり得ないなと思っていた。
よくあるアジア系のレストランで、日本で言うデリカテッセン
…出来合いのものがガラスケースに並べられている
ファーストフードのようなところだ。
味はいまいちなところが多いなか、その店は特に私の選択肢から外れていた。


しかし友人いわく、裏メニューがあるという。

入って見てびっくり。
なんとソムタムがあるではないか。
ちなみにソムタムというのはタイ料理・青パパイヤのすっぱ辛いサラダのことだ。
これまでの胡散臭いアジアンレストランではお目に掛かれなかった代物だ。
品数は少ないながらもトム・カー・ガイやトム・ヤム・グン
といったスープもそろっている。



「ソムタム・ラーオありますか?」と聞くとYESの答え。
その店は、真のタイ人が料理人の真のタイレストランだったのだ



ちなみにソムタム・ラーオは「プラ・ラー」という日本で言う
なれずしのような、魚を発酵させた少し臭みのある液を加えた
マニアックなソムタムだ。
このソムタムを好きな日本人はたくさんいると思うのだが、
タイ人的な考えでは外国人でこれを好きな人は珍しいらしい。
日本にあるタイ料理店でもソムタム・ラーオに巡り合うことは多くない。

注文してから作ってくれた料理。(食べかけ)

ご飯はもち米を注文。
これもメニューには載っていないが、言ったら出してくれる。




料理はおいしかった。
だけど泣いた。
「辛くして」と言ったのがいけなった。
スープや炒め物は許容範囲だったが、ソムタムが限界を超えていた。
そこで私は、タイにいて辛さに慣れていたときでさえ、
「”少しだけ”辛くして」といっていたことを思い出した。
辛さに弱い人なら翌日の腹痛は必至だろう。
…手加減なしなところが素晴らしい。

ようやく食べ終わった頃には体力を使い果たし、再び眠気が襲ってきた。
しばらく海辺を散歩し、バーに入ってパナシェ
(ビールをスプライトで割ったもの)を飲み、
最後は予定通り10時半の夜行バスに乗って帰った。


完全燃焼の後半戦に満足。

ある日の日曜日

2010-11-07 22:01:57 | フランス留学生活
今日は一日中寝倒した。

朝10時に起きてご飯を作って食べ、1時に昼寝をして…
起きるたびに眠くなって昼寝をして…3回昼寝をしたら夜だった。

お昼には久しぶりに精神に優しく、日本カレーを作った。
銘柄はバーモント。


野菜は目の前の八百屋さんで購入。
つい最近、1週間の休みをとって新装開店したばかりだ。
この八百屋さん、コリアンダーが売っている。
バニラビーンズも。
何気に珍しい上、コリアンダーは常備なので嬉しい。
チキンスープにいれると心がほっこりする


最近は学校で他人に会ってばかりで、
休日の昨日もミーティングをしていて、食傷気味だ。
休みは外に遊びに行きたいという気が起こらず、
友達とずっと家にこもって、パソコンを眺めていることが多い



来週は4連休。
最後になるだろう今期の長期休みを有効に活用するため、出かけることにした。
目標はカンヌから電車で30分+船かバスで1時間のサン・トロぺという観光地だ。
といっても南フランス全体が観光地なのでどこも似たような景色だと思いつつ、
新鮮な発見があればいいなと、少しだけ期待している。

諸聖人の祝日 Toussaint(トゥサン)

2010-11-01 10:15:55 | フランス留学生活
Tout:全て
Saint:聖人

今日、11月1日はフランスの祝日、『諸聖人の日』だ。


<Wikiより>
***********************************************************
諸聖人の日(しょせいじんのひ)はカトリック教会の祝い日
の一つで、全ての聖人と殉教者を記念する日。
プロテスタントでは「万聖節」(ばんせいせつ)といわれる。
諸聖人の日は、名前のとおり全ての聖人の日であって、
決して忘れられた聖人のための日ではない。
カトリック教会の典礼暦では11月1日が諸聖人の日、
続く11月2日が死者の日となっている。

8世紀前半の教皇グレゴリウス3世がサン・ピエトロ大聖堂の中に
使徒とすべての聖人、殉教者のための小聖堂をつくり、
その聖堂の祝別の日が11月1日にうつされたことでやがて11月1日が
すべての聖人と殉教者の日となったというものである。

835年にはルイ敬虔王の布告によって、フランク王国の中で
11月1日が守るべき祝日となっている。
ポルトガルとフランスではこの日に亡くなった親族のために
花をささげる習慣がある。
***********************************************************

クラスのフランス人女性は、金曜の夜から月曜にかけて、
実家にお墓参りに行くのだと言っていた。
親戚一同が集まり、家族にとってとても大切な日なのだと。

日本のお盆のような感覚だろうか。

ただし日本と違うのは、彼女の場合、実家に帰る点だ。
なぜなら、旦那さんはもともとグラースの人で
彼女もグラースに住んでいるから、
旦那方のお墓参りはいつでもできるからだそうだ。





そして、昨日10月31日は、サマータイムが終わり、
ウィンタータイムが始まった日でもあった。

これまで7時間だった日本との時差が、再び8時間になった。

朝、10時だと思ってしぶしぶ起きだしてきてパソコンを起動すれば、
パソコンの時間は9時を指していた。
私の目覚ましは10時。携帯も10時。

そこで、時間が切り替わったのだと思い至った。
確かパソコンのタイムゾーンをフランスに設定した際に、
自動的に切り替わる旨が書かれてあったのだ。



夏の終わりはいつも、物理的に感じ始める肌寒さとともに少し物悲しいものだ。



フランスは夏と冬の日照時間に大きなギャップがある。
夏の間など、夜の8、9時になるまで外は明るい。
そして10月の半ばにはグラースは暖房がないと耐えられないくらい寒くなった。
外の気温は14度。
冬時間に切り替わったこの三連休はずっと、もとからグラースの
この季節が不安定な天気のせいなのか、地球温暖化で
変わってしまった気候のせいなのか、激しい雨が降り続いていた。




友達は、家で寛いでいるときは雨の日が好きだといった。
特に休日の朝や夜。
どこにもでかけなくていいのを正当化できるからだそうだ。


私はといえば、雨の日は家にいるかどうかに関わらず、大嫌いだ。
休日の朝は、窓から差し込む日の光で気持ちよく目覚めたいし、
夜は真黒な晴れた景色に鮮やかに浮かぶ灯のきらめきを眺めていたい。

…なーんてね

カメラと日本製品

2010-08-11 06:40:31 | フランス留学生活
私は機械音痴だ。

何よりも数字を考えることも覚えることも嫌いだ。

たとえば新しいカメラを手に入れたとき、新しいパソコンを購入した時、
新しい洗濯機の仕様書を読まなければいけない時。

途轍もなく面倒くさく感じる。

より良い写真を撮るためにはどうすればいいかとか、
構造を理解したりとかいうようなことを、
無理やりできないこもないけれど
基本的に脳が拒否している。


そんなこともあって、私の写真技術は一向に向上しない。
(でも気にしないよ)


仲の良いクラスメイトは、一人はニコンの大型カメラを持ち、
一人はソニーのカメラ付き携帯を持っている。
ソニーの子は更に、ニコンの大型カメラ(デジタル一眼レフ)も隠し持っている。

そしてニコンのレンズがどうだとか、何社のセンサーだとか
私には理解できないうんちくを語る時がある。

屈辱的だったのは、(日本人の)私のキャノン(IXY)のカメラの性能が
彼のソニーの携帯のカメラの性能に劣るという事だ。


くっ!



日本製品に、彼は心酔している。
(ついでに家族も)
彼の自宅はソニー製品で固められているらしい。

彼の目下の夢は、日本に来て
カワサキやスズキのバイクを大量に購入し、
インドに持って帰ることだ。


…少しは日本製品を語れるように、武装するか…
と思いました。

メガピクセルが大きければいいってもんでもない
って記事もあるし。
http://www.gizmodo.jp/2009/03/giz_explains_3.html

ジャスミン祭りと水飢饉

2010-08-10 03:29:18 | フランス留学生活
先週末の金・土・日はグラースでジャスミン祭りが開催された。




一日目はドドーンと街中に響き渡る大きな花火の音で始まったようだ。
5分くらいは、
「最近あった花火の中では規模が大きくてきれいなほうだねー」
と浮かれて見ていた。

30分も経った頃。。
アパートが震撼しつづけ、会話が遮られ続ける。
「…戦時中みたいだね」
建物の近場で花火をあげてもOKなんですね



そして2日目の土曜日。
友達がチケットを手に入れ、私にも分けてくれるというので
お祭りを見に行ってみた。

内容的には音楽と司会の人がいて、仮装行列があったり、
花で飾られた山車に乗った綺麗な女の人たちが花を観客に投げたりと、
ニースのカーニヴァルと同じで、だけど規模は小さい感じだった。

でも違っていてよかったのが、
ジャスミンの香りがついた水を観客に振りまいたり、
観客にノリノリの人が多かったところ。

しかし私たちの席は花が届くにはわずかに道から遠く、
沿道の人が次々に花を受け取っているさまをただ眺めているだけだった。

自分たちはそれでもよかったのだが、
前の席に座っていた小さな男の子が、
ずっと気づいてもらうために健気に手を振り続け、
最後には諦めて座り込んでしまったことに
涙が誘われた


そして友達と別れて家に帰り、
夕飯を食べに行こうという誘いをカッコ良く断り、
お風呂に入ってさっさと寝ようと蛇口をひねったら・・・
…水が出ない。

あれ?
そういえばお祭りに行く途中、アパートの前の道端で
宝探しチックに地面に潜っていたおじさんが二人いたな。。
もしかして水道管破裂?

飲み水がポットに残っていないのもピンチだが、
最大の問題はトイレだ。

私は同居人に急きょ電話を入れ、急いで帰ってきたその子に
「友達の家に泊まってくる。どうする?」と聞いた。
「私はこの家でガンバル」

再会を誓い、その夜は別れた


しかし期待して家に帰って来た翌日も水飢饉は続いていた。



最大の問題はトイレだ。



そんなとき母上様がトイレを作りなさいと助言をくれた。
私がそれを同居人に言うと、「私もそれを考えていた」と彼女も賛成。
二人で「バケツをトイレにするしかない」と真剣に話し合った。
(ちなみにもう一人の友達は自国に帰省中だったのがせめてもの救いだ)


でも、やっぱりバケツはいやだ。
私はエネルギー放出を最小限にするため、眠り続けることにした。



眠り続けて、夜7時。
水道が復活。

飲み水なくてもいいから、トイレは大事だよね
と思ったある日の出来事。



La gorge des verdons (ヴェルドン峡谷)

2010-06-21 20:34:09 | フランス留学生活
グラースの背後には山々がそびえていて、
その上の方にはまだまだ小さな町があったり、
自然公園が広がっていたりする。

1か月ほど前、友達の車でその自然公園に出かけた。

自然公園と言ってもあたり一帯がそうらしく、
わかりやすく塀に囲われているわけではない。

途中、車で1時間ほどの所にある小さな町に立ち寄り



ヴェルドン峡谷と言われる場所に向かった。





一般人が入り込まないような場所に足を向けてみた。
崖に柵はなく、何十メートルも下の所を川が流れている。



滝に向かってどんどん歩いていると、
訓練中の軍人さんたちに出くわした。
とっさにカメラを構えることはできず、
写真を撮った時にはもう、
てっぺんの崖の方まで彼らが登って行ってしまうところだった。



車で1時間のところにこんな大自然があったなんて。
と、グラースを見直した日だ

シャネルのバラ畑

2010-06-08 23:34:47 | フランス留学生活
5月はもう終わってしまったけど、薔薇ネタでもう一個。



学校の授業の一環で、シャネルのバラ畑を訪れた。




グラースでは昔から、Rose centifolia(ローズ・センティフォリア)という種のバラだけが栽培されている。



このcentifolia(センティフォリア)、
とくにグラース産の花から作る香料は最高級品で、かなり値が張る。

ただし昨今は生産地がインドに移動し、生産高は本家よりも彼の地の方が上回る。


バラの品種は数え切れないほど存在するが、
香料として使われる種は、このセンティフォリアを含めたった2種類しかない。
もうひとつがDamascena(ダマセナ)といって、こちらはモロッコやトルコなどが主な産地となる。

特にグラースで栽培されるセンティフォリアのことを、「Rose de Mai」(ローズ・ドゥ・メ;5月のバラ)という。



花は薄い桃色をしていて、華やかで優しく、蜂蜜のような甘さのある香りがする。
トルコ産やモロッコ産などの他のローズ香料と比較しても一番好きな香りだ。
実際の花の香りも素敵だった。

非常に高価なため、学校でもセンティフォリアのローズオイルは
一度しか匂いを嗅いだ事がない。



花つむ女性たち。


袋に集められ。


トラックで工場まで運ばれる。


運ばれた花びらは、オイルを作るための大きな釜に入れる。
5段になっていて、1段が50Kgのバラの花びら。
全部で250kgにもなる。


ヘキサンという溶剤と高温で、エキスを抽出。
絞り取られたあとのバラの花びらたち。
様々な過程を経て、最終的に手に入る香料(アブソリュート)はたったの300gほど。






バラ園のあぜ道に咲くポピーの花。

KENZO(ケンゾー) flowerという香水を連想させる。

2000年に発売され、フランスで爆発的な人気を記録した香水だ。
自分にとっては甘すぎる香りだが、フランスでは一時期、
安価なトイレタリーも様々なものが、この香りで埋め尽くされたという。
特別な香りではなくなってしまったのは逆に不幸なことだ。

赤いポピーはこの地域のそこかしこで見かけるから、
きっとKENZO flowerのイメージはヨーロッパの雑草、
ポピーから得られたものなんだろう。


先生はケシの花は匂いがしないと言っていた。

けれど手にとって匂いを嗅いでみると、
もろい花弁が瞬く間に散ったあとで、意外にも甘い香りがする。

後に残った子房、のちに果実となる部分が香っているのだ。


後日、香っていたのはアヘンが作られる部分ではないかと思い当った。
確認した結果、アヘンはある種のケシの未熟な果実に傷をつけたときに
分泌される液を乾燥させた物質だという。
だったらアヘンも同じような甘い香りをしているんだろうか。

まるでkenzoの香水のような香りがしたといったら怒られそう

グラースバラ祭り (Expo Rose)

2010-06-05 04:32:36 | フランス留学生活
5月半ば、グラースはバラの季節を迎える。

そして毎年グラースでは国際バラ展示会が開催される。
今年は5/12-5/16の4日間だった。

バラ祭りの関連サイト



国際香水博物館やバラ展示場、バラ園などすべて無料で入場できる
「招待券」を学校でもらい、初日の5/12(水)、期待に胸をふくらませて出かけた。



グラースの国際会議場前の広場では朝からバラ市場が開かれ、
街はたくさんの観光客であふれ、普段は見ることのできない
グラースの賑やかさを垣間見ることができた。

眠っていたゴーストタウンが、この時だけは息を吹き返したっていう
そんな感じだ

華やかなバラ市場。



立派に装飾された国際会議場。



バラの花びらが散りばめられた噴水。



期待に胸を膨らませることを継続しつつ、たくさんのバラを求めて
国際会議場を目指す。

……。
閉まっている…。
観光オフィスで尋ねると、開始は昼過ぎかららしい。


お昼を食べながら待っている間に、
グラースは外を出歩けないくらいの激しいスコールのような大雨に見舞われた。

後で見ると、バラ市場のバラたちが可哀そうなことになっていた。


ようやく入った国際会議場には、なぜか学生たちの油絵や漫画が展示されていた。
…今日って授業参観日だっけ

期待は即座にしぼみ、どっと疲れが襲う





気力を無くし、いったん家に帰る。

すると、ルームメイトが出かける用意をしていた。

彼女は私よりもプログラムに詳しく、
近くの大聖堂で無料のコンサートが開かれるという情報を握っていた

「お祭りってこんなもんだよね、グラースだしね」
と幻滅したままの気持ちを持ち続けたくなくて、
私も再度出かけることにした。



普段は近寄らない界隈の、大聖堂。
扉をあけると既に讃美歌のコーラスが始まっていた。

薄暗い室内にロウソクが灯され、透き通った調べが心に響く。

自分の偏見にまみれたヨーロッパ像に見事にマッチした雰囲気に感動。


友達は「映画の1シーンのようだ」と言っていた。

”この讃美歌を聞けただけでも大満足だよ”
という気持ちにまで上り詰める。




国際香水博物館にも立ち寄り、バラの影を求めたが、
ほぼ普段どおりだった。
諦めずに何度も行ったことのある香水工場のフラゴナールも訪問。

やがてフラゴナールの近くに、別館の博物館があることを知る。


試しに行ってみると、やっとバラ祭りらしい雰囲気の感じられる空間に出会えた。
建物の中はバラのオブジェ。
外には小規模ながらもバラの庭園があった。

写真のピンクのバラは、そこで撮影した一枚。




後日見たあるサイトの去年の説明文によると、バラ祭りの会場は、国際会議場。
あの学生たちの絵が飾られていた場所だ。

国際会議場は、約50000本のバラで埋め尽くされるという。


…きっと初日だったからバラが飾られていなかったんだ。
そうなんだ。
きっとね。


綺麗な写真が取れてよかった

「写真を見たら誰もが来たいと思う町だよね。
 私もそう。きっとこの写真を見たらグラースにすごく憧れると思う」

とは、ルームメイトの言葉だ。

Confiserie(コンフィズリー)へ

2010-06-02 00:13:07 | フランス留学生活
Confiserie(コンフィズリー)とは一言で言うと、砂糖菓子のことだ。


例を挙げると、キャンディー、ヌガー、ムラング(メレンゲ菓子)、
ギモーヴ(マシュマロの一種)、キャラメル、ドラジェ(アーモンド菓子)
などがある。

そしてその砂糖菓子を売っているお店のことも指す。
Patisserie(パティスリー)がケーキとケーキ屋さん両方を指すのと同じように。



4月11日の日曜日。
友達が車で連れて行ってくれたFrorian(フロリアン)は、その砂糖菓子で
有名なお店だ。

グラース近郊の「トゥーレット・シュル・ルー」という道路沿いの小さな村にある。
ちなみに、ニースにある支店はもっと規模が大きいらしい。

フロリアンの関連サイト



入口。
ガイドさんが工場を案内して、お菓子の製造工程を説明してくれる。


下の写真は、この店で最も代表的だと思われた砂糖菓子。
すみれと薔薇の花、レモンバーベナの葉をそれぞれ
砂糖漬けにしてしまったものだ。


試食した。

…もろに花の味がして、少し石鹸を食べているような気になった。

私には向かないらしい。

色合いもなぜだか小学校の頃の絵具を思い出させる。
残念なことに結構な高級品なのだ




レモンバーベナはムラサキシキブと同じクマツヅラ科で、
フランスではVervein(ヴェルヴェンヌ)と呼ばれている。

ヨーロッパでは馴染みの植物だ。
レモンのように酸味のある匂いをしている。




他にはジャムや薔薇のパスタ、チョコレートなども売られていた。