11月24日(土曜)は、山口銀行と取引のある商社、
「A.Ronderson Manufacturing Works」社の曽社長ご夫妻に
アテンドいただきました。
朝一番に東莞市の「Golden Winmark」社、訪問。ここは金型
手彫・亜鉛ダイキャスト成型・バフ研磨・装飾品組立など、
人手が激しくかかる業務を人海戦術にてこなし、キーホルダー
や装飾小物を作成している事業所でした。従業員数、千数百人
とのこと。

(工場内撮影不可でしたので、展示室のものを)
この手の業務、日本では行なうべきではありません。もし、
日本で行なうとするならば、対売上人件費率が7割を超えてくる
のは目に見えております。
広東省ならでは、の仕事なんでしょうが、それでもワーカーの
賃金が、1000~1500RMB/月(およそ16000円~25000円)と
かなりのハイペースで上昇しつつあるらしく、いつまでこういった
労働集約型の業務をこの地で行ない続け得るか。
中国のことですから、比較低賃金を嫌うワーカーが離職していった
としても、内陸部の貴州省・湖南省・広西壮族自治区あたりから、
職を求めて無尽蔵に求職者がやってくるでしょうから、まだまだ
大丈夫、という予測もあります。
しかし、ネットをはじめとした情報の速達化・普遍化の流れがあり
ますので、未来永劫いつまでも、内陸部から湧いて出てくる低賃金
可ワーカーの数に頼んでいることも出来ますまい。
午後、深圳市内の「Li-jia Precision」社を見学。この会社は金型
成型・金型修理・樹脂成型を主な業種としていました。

(下町の小工場といった風情でしたが、やはり従業員数は200名程度
はいました)

(台湾製の放電加工機です。他にもマシニングセンタ・ワイヤカット
・各種フライス盤をかなりの数揃えており、自前で樹脂成型金型をこ
しらえることが出来ます)
通訳して下さった曽社長によれば、
「A.Ronderson Manufacturing Works」社からこの「Li-jia Precision」
社に、常時大量の樹脂成型依頼を行なっており、摩損した金型の補修
についてもかなりの技術を持っているとのことでした。
なりは大したことなくとも侮れない事業所が多いのが深圳という街の
特徴です。香港や台湾の影響が大きいので、「大陸中国」的大袈裟な
ハッタリをかまさない雰囲気なのが非常に心地よく思いました。
そして、今回の広東研修会の末尾に訪れたのが、「先力得熱処理公司
(Xian-Li-De Heat Processing社)」でした。曽社長一番のお奨め
事業所とのこと。期待してお訪ねしてみました。

(真正面が入出荷を行なうセクション。両側の4層の窓が付いた建物
内全てがこの会社の占有です)
熱処理の種類は、真空熱処理・浸炭・サブゼロ・炉焼入れなど。技術
水準は、かなりいい線行っているみたい、だと石井さんの弁。

(巨大な真空熱処理装置。中国国内製。こんなでかい奴、日本国内に
は中々あるもんじゃありません)

(連続焼成炉に入っていくボルト類。じわじわ炉の中を移動し、オイ
ルバスにて冷却されていきます)
日本の大手弱電メーカー某社さんからの小物マルテンサイトSUS
シャフトの熱処理+センタレス研削も設備フル稼働していました。
この会社の技術力ならば確かに日系企業の厳しい技術要求にも耐える
ことができそうでした。
全体的に、昨年の「CRAFT大連研修会」の際に訪問した企業よ
り、広東省の方が技術水準の高い企業が多い様に思いました。2日
間で7社程度訪問しただけで全てわかったかの様に言うのは口幅っ
たいですが、元々、弱電産業・樹脂成型等民生品作成産業の基礎が
ある上に、ここへ来て急速に自動車産業の集積をも迎え入れること
で、広東省の珠江デルタ地域が「世界有数の一大工業地帯」化しつ
つある様な印象さえ持ちました。
台湾の中小製造業が広東省の伸びに押されて不景気に喘いでいる理
由が少しだけ理解できた様な気がします。
と、他人事の様にコメントしている場合ではないこと、百も承知で
すが。
珠江デルタ地域だけで人口およそ7000万人。周辺地域から続々
と人が押し寄せてきており、数年のうちに1億人を突破する勢いです。
恐るべし広東。叶う事なら、もう少し穏やかに成長して下さい。
周辺地域・周辺国がやってられませんので。
夕刻、広東省南端の深圳から香港特別行政区へ越境しました。実質
的な出国手続きと入国手続きを行ない、それぞれ通関せねばならな
いので、面倒臭いことこの上ありません。
しかし、この壁が香港経済を現在に至るまで繁栄させ、なおかつ、
大陸からの無分別な人口流入を防いできたのは紛れもない事実。
道路も右側通行から左側通行に変わり小奇麗な印象に。僕ら日本人
はなんだかホッとした気持ちになりました。
街行く人々の服装や態度物腰まで、見事に別世界である香港が、
いつまで大陸との格差を保持し、繁栄し続けるのか。一応、後40
年は現在の制度を維持するとのことですが。
九龍半島側の佐敦(ジョーダン)のホテルに荷を降ろし、半島先
端の尖沙咀(チムサーチョイ)に行きました。対岸の香港島の夜景
が素晴らしいです。

(上海の外灘(バンド)からみた浦東地区の夜景も凄いですが、
海・山に挟まれたエキゾチックな地形に建つ摩天楼の立体感と歴史
の重みが醸し出す独特な雰囲気から、香港の夜景の優勢勝ち、かと
思われます)
尖沙咀(チムサーチョイ)からのスターフェリーに乗り、対岸の
香港島へ。3年前に昼間に乗ったことがありますが、夜乗船するの
は初めて。
香港島の最高点「ビクトリアピーク」へピークトラム(登山電車)
で登り、「百万ドルの夜景」を拝んでこよう、との算段でしたが、
そのピークトラム、利用者多すぎ・僕らの持ち時間少な過ぎ、でし
たので、次善の策、タクシーで山頂へ。
なんでも地元では「ビクトリアピーク」とは呼ばず、「ザ・ピーク」
と呼び習わしているんだとか。カッコイーッ!

(世に言う「百万ドルの夜景」です。ただし、周囲たくさんいる
観光客の歓声の半数は日本語。自分もその中の一人であるくせに、
エキゾチズムを阻害する日本人達を減らしたい気分に)
山頂のビル内にあった日本料理屋で、「CRAFT」5名と山口
銀行香港事務所のOさんとで、極くささやかな今回の研修会の打
ち上げを行ないました。
今回の広東研修会は、Oさんはじめ山口銀行関係各位のお世話に
よってはじめて成功裏に終わったものと認識しています。ご関係
の皆様、大変ありがとうございました。
香港島にお住まいのあるOさんと別れ、「CRAFT」メンバー
5名で九龍半島の佐敦(ジョーダン)にある妖しい土産物屋通り、
かつ露天喰い物屋通りである男人街(ナムヤンガイ)と言われる
繁華街へ。
ホテルから近いのでぼちぼち歩いて行きました。

(この写真は男人街の入口のそのまた入口。人通りの激しいあた
りには、道幅いっぱいに屋台の土産物屋・喰い物屋が建ち並んで、
妖しさ百点満点です)
男人街の入口で5名一組の集団行動を解いて、後は勝手にやりま
しょ的流れ解散しました。
僕は独りで屋台間の狭い路地をあっちうろうろ、こっちうろうろ
し、ネクタイを1本だけ仕入れました。金額は25HK$
(およそ390円)。
翌朝早く移動開始せねばなりませんでしたので、30分ほど
うろうろしただけで、後ろ髪引かれつつ男人街を後にしました。
早朝、4時間ほどの睡眠から醒め、24階の窓から写真撮りました。

(こげな感じ。大陸からのスモッグのせいで朝焼けが異様に美
しいです)
8時50分離陸のドラゴン航空に乗らにゃなりませんので、日曜
の朝から辛い思いで布団から転がり出ました。
(香港空港はキャセイパシフィックの本拠地ですが、そのキャセイ
に子会社化されたドラゴン航空も拠点として、香港と主に大陸
中国との間に路線を持っているとのこと。僕らが乗ったのはこの
機体でした。正直、ドラゴンエアーなんてどんなヘボい機体に
乗せてくれるものなんやろか?と思っていましたが、思っていた
よりはるかに立派でした。おみそれしました)
「A.Ronderson Manufacturing Works」社の曽社長ご夫妻に
アテンドいただきました。
朝一番に東莞市の「Golden Winmark」社、訪問。ここは金型
手彫・亜鉛ダイキャスト成型・バフ研磨・装飾品組立など、
人手が激しくかかる業務を人海戦術にてこなし、キーホルダー
や装飾小物を作成している事業所でした。従業員数、千数百人
とのこと。

(工場内撮影不可でしたので、展示室のものを)
この手の業務、日本では行なうべきではありません。もし、
日本で行なうとするならば、対売上人件費率が7割を超えてくる
のは目に見えております。
広東省ならでは、の仕事なんでしょうが、それでもワーカーの
賃金が、1000~1500RMB/月(およそ16000円~25000円)と
かなりのハイペースで上昇しつつあるらしく、いつまでこういった
労働集約型の業務をこの地で行ない続け得るか。
中国のことですから、比較低賃金を嫌うワーカーが離職していった
としても、内陸部の貴州省・湖南省・広西壮族自治区あたりから、
職を求めて無尽蔵に求職者がやってくるでしょうから、まだまだ
大丈夫、という予測もあります。
しかし、ネットをはじめとした情報の速達化・普遍化の流れがあり
ますので、未来永劫いつまでも、内陸部から湧いて出てくる低賃金
可ワーカーの数に頼んでいることも出来ますまい。
午後、深圳市内の「Li-jia Precision」社を見学。この会社は金型
成型・金型修理・樹脂成型を主な業種としていました。

(下町の小工場といった風情でしたが、やはり従業員数は200名程度
はいました)

(台湾製の放電加工機です。他にもマシニングセンタ・ワイヤカット
・各種フライス盤をかなりの数揃えており、自前で樹脂成型金型をこ
しらえることが出来ます)
通訳して下さった曽社長によれば、
「A.Ronderson Manufacturing Works」社からこの「Li-jia Precision」
社に、常時大量の樹脂成型依頼を行なっており、摩損した金型の補修
についてもかなりの技術を持っているとのことでした。
なりは大したことなくとも侮れない事業所が多いのが深圳という街の
特徴です。香港や台湾の影響が大きいので、「大陸中国」的大袈裟な
ハッタリをかまさない雰囲気なのが非常に心地よく思いました。
そして、今回の広東研修会の末尾に訪れたのが、「先力得熱処理公司
(Xian-Li-De Heat Processing社)」でした。曽社長一番のお奨め
事業所とのこと。期待してお訪ねしてみました。

(真正面が入出荷を行なうセクション。両側の4層の窓が付いた建物
内全てがこの会社の占有です)
熱処理の種類は、真空熱処理・浸炭・サブゼロ・炉焼入れなど。技術
水準は、かなりいい線行っているみたい、だと石井さんの弁。

(巨大な真空熱処理装置。中国国内製。こんなでかい奴、日本国内に
は中々あるもんじゃありません)

(連続焼成炉に入っていくボルト類。じわじわ炉の中を移動し、オイ
ルバスにて冷却されていきます)
日本の大手弱電メーカー某社さんからの小物マルテンサイトSUS
シャフトの熱処理+センタレス研削も設備フル稼働していました。
この会社の技術力ならば確かに日系企業の厳しい技術要求にも耐える
ことができそうでした。
全体的に、昨年の「CRAFT大連研修会」の際に訪問した企業よ
り、広東省の方が技術水準の高い企業が多い様に思いました。2日
間で7社程度訪問しただけで全てわかったかの様に言うのは口幅っ
たいですが、元々、弱電産業・樹脂成型等民生品作成産業の基礎が
ある上に、ここへ来て急速に自動車産業の集積をも迎え入れること
で、広東省の珠江デルタ地域が「世界有数の一大工業地帯」化しつ
つある様な印象さえ持ちました。
台湾の中小製造業が広東省の伸びに押されて不景気に喘いでいる理
由が少しだけ理解できた様な気がします。
と、他人事の様にコメントしている場合ではないこと、百も承知で
すが。
珠江デルタ地域だけで人口およそ7000万人。周辺地域から続々
と人が押し寄せてきており、数年のうちに1億人を突破する勢いです。
恐るべし広東。叶う事なら、もう少し穏やかに成長して下さい。
周辺地域・周辺国がやってられませんので。
夕刻、広東省南端の深圳から香港特別行政区へ越境しました。実質
的な出国手続きと入国手続きを行ない、それぞれ通関せねばならな
いので、面倒臭いことこの上ありません。
しかし、この壁が香港経済を現在に至るまで繁栄させ、なおかつ、
大陸からの無分別な人口流入を防いできたのは紛れもない事実。
道路も右側通行から左側通行に変わり小奇麗な印象に。僕ら日本人
はなんだかホッとした気持ちになりました。
街行く人々の服装や態度物腰まで、見事に別世界である香港が、
いつまで大陸との格差を保持し、繁栄し続けるのか。一応、後40
年は現在の制度を維持するとのことですが。
九龍半島側の佐敦(ジョーダン)のホテルに荷を降ろし、半島先
端の尖沙咀(チムサーチョイ)に行きました。対岸の香港島の夜景
が素晴らしいです。

(上海の外灘(バンド)からみた浦東地区の夜景も凄いですが、
海・山に挟まれたエキゾチックな地形に建つ摩天楼の立体感と歴史
の重みが醸し出す独特な雰囲気から、香港の夜景の優勢勝ち、かと
思われます)
尖沙咀(チムサーチョイ)からのスターフェリーに乗り、対岸の
香港島へ。3年前に昼間に乗ったことがありますが、夜乗船するの
は初めて。
香港島の最高点「ビクトリアピーク」へピークトラム(登山電車)
で登り、「百万ドルの夜景」を拝んでこよう、との算段でしたが、
そのピークトラム、利用者多すぎ・僕らの持ち時間少な過ぎ、でし
たので、次善の策、タクシーで山頂へ。
なんでも地元では「ビクトリアピーク」とは呼ばず、「ザ・ピーク」
と呼び習わしているんだとか。カッコイーッ!

(世に言う「百万ドルの夜景」です。ただし、周囲たくさんいる
観光客の歓声の半数は日本語。自分もその中の一人であるくせに、
エキゾチズムを阻害する日本人達を減らしたい気分に)
山頂のビル内にあった日本料理屋で、「CRAFT」5名と山口
銀行香港事務所のOさんとで、極くささやかな今回の研修会の打
ち上げを行ないました。
今回の広東研修会は、Oさんはじめ山口銀行関係各位のお世話に
よってはじめて成功裏に終わったものと認識しています。ご関係
の皆様、大変ありがとうございました。
香港島にお住まいのあるOさんと別れ、「CRAFT」メンバー
5名で九龍半島の佐敦(ジョーダン)にある妖しい土産物屋通り、
かつ露天喰い物屋通りである男人街(ナムヤンガイ)と言われる
繁華街へ。
ホテルから近いのでぼちぼち歩いて行きました。

(この写真は男人街の入口のそのまた入口。人通りの激しいあた
りには、道幅いっぱいに屋台の土産物屋・喰い物屋が建ち並んで、
妖しさ百点満点です)
男人街の入口で5名一組の集団行動を解いて、後は勝手にやりま
しょ的流れ解散しました。
僕は独りで屋台間の狭い路地をあっちうろうろ、こっちうろうろ
し、ネクタイを1本だけ仕入れました。金額は25HK$
(およそ390円)。
翌朝早く移動開始せねばなりませんでしたので、30分ほど
うろうろしただけで、後ろ髪引かれつつ男人街を後にしました。
早朝、4時間ほどの睡眠から醒め、24階の窓から写真撮りました。

(こげな感じ。大陸からのスモッグのせいで朝焼けが異様に美
しいです)
8時50分離陸のドラゴン航空に乗らにゃなりませんので、日曜
の朝から辛い思いで布団から転がり出ました。

(香港空港はキャセイパシフィックの本拠地ですが、そのキャセイ
に子会社化されたドラゴン航空も拠点として、香港と主に大陸
中国との間に路線を持っているとのこと。僕らが乗ったのはこの
機体でした。正直、ドラゴンエアーなんてどんなヘボい機体に
乗せてくれるものなんやろか?と思っていましたが、思っていた
よりはるかに立派でした。おみそれしました)