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車好きオヤジのブログ

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有朋自隣、不亦楽乎

2014-04-24 19:14:00 | 日記

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「ワン、トゥ、スリー、フォー!」
 
ドラマーの掛け声と共にゆっくり始まった軽快な4ビートの
Fantasy In D」を聴きながら
いつものようにカウンター隅で麦の水割りで喉を癒している。
 
真冬に戻ったのかと錯覚するような一か月前とは一転、
先週あたりからここ数日はポカポカとした春の陽気でとても気持ちが良い。
何をやるにしてもベストなコンディションだな。
 
どうせもう少しすりゃクソ暑くて真夏じゃないのかと思うような日が来るだろうが、
貴重で限られた時間なら好きな音楽を聴いて過ごすのは
俺にとってある意味贅沢でもある。
 
ベース、ドラム、ピアノの最小とも思える構成だが、
楽器には全く素人にもその演奏能力の高さがはっきりと判る。
 
いつも思うのは技量が優れているプレイヤーでさえ
経済的に恵まれているかどうかは別だと思える事である。
 
勿論それは音楽界だけでなくゴルフやサッカーみたいなスポーツでもそうだ。
億を稼ぐのはほんの一部、大半は世間一般の中間管理職のサラリーマン以下なのだ。
要は生活するには必要なお金もミュージシャンみたいな特異な職業には
それが全てでは決してないのだと。
 
大きな器ではきちんとするけど小さな場所では適当になんてする者は
おそらくこの道で食っていける程この業界は甘くはないだろう。
今日のメンバーには釈迦に説法みたいなものなんだがな。
 
採算性なんて無粋なことが頭をよぎる程に
安価で素晴らしいひと時を与えてくれる彼等に感謝するだけである。
 
普段はフリーランサーとして其々が独立して活動している彼等だが
一旦集まると何十年も一緒に組んできたユニットのように完成された
まさに本物のプロと言える集団なのだ。
 
ドラマーのKとベースのOはギタリストの竹田和夫と一緒に
ツアーをしていたのが縁で親しくしてもらっていた。
 
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特に素顔のKは普段はそのダイナミックな演奏からは全く想像出来ないくらい
腰の低いそれでいて関西人のノリは忘れることのないナイスガイである。
パーマのロン毛を突然ツルツルに剃った時には驚いたが、
それは仕事仲間のOからも同じ話を聞くとやはり少々イチビルタイプ、
いや失礼注目されて何ぼと割り切っているのかも知れない。
 
この数年竹田氏が日本でツアーする際は必ず一緒に
熱いステージを観せてくれていた彼らだが、
実は今年約30年ぶりにクリエイションを復活させてツアーする事になった為、
一旦このメンバーでの演奏は聴けなくなってしまっていたのだ。
 
先週そのKから俺の自宅近くでライヴをすると連絡があったのである。
それもこれまた素晴らしい演奏をするOと一緒にやると聞けば
行かない手はないに決まってるではないか。
 
竹田氏とはロック、R&Bで今日はJAZZ、フュージョンと毛色の違う演奏も楽しみだ。
ドラムのKにベースのO、それに加えて今回はピアノのP3人構成だ。
 
普段から寡黙で職人みたいなOが今日はその中心でMC兼任なのも新鮮な感じ。
写真や映像でもいつも真剣でニヒルな彼もどうやら根はそうでもなさそうなのだが、
長年培ってきた性格はそう簡単に変えられるものじゃない。
 
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頼まれた訳でもないのに勝手にイジルのは関西人の俺の性だが、
写真に撮られる時には口角を上げてニッと笑ってねなんてやってしまうんだわ。
 
今日初めて知ったP2人よりまだ若い30代半ばくらいの年齢だろうか。
ちょっとポッチャリした短い金髪の彼だが体の動きも会話も軽くてノリも良い。
例えりゃオヤジダンサーズのパパイヤみたいなフットワークだね。
 
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Oによれば注目の若手ピアニストなんだとか。
彼ら2人が一緒に組むという時点でかなりの腕前だろうと嫌が上にも期待は膨らむ。
 
演奏が始まってすぐにその予想は確信となったのである。
 
2曲目「Travels」、3曲目「And Sammy Walked In」と
演奏は順調に進行していった辺りで
Oから「P君とは今日初めてのセッションだけど折角の(腕のある)メンバーなので
ここからはちょっと難しいのを選んでみました。」とMCが入る。
 
実際の演奏能力、技量が俺に具体的に判るはずはないが
ベースの頑固職人が自分の好みで拘ってセレクトした曲目を聴けるのも
こういう小さなライヴハウスの醍醐味だろう。
事実「なんや判らんけど凄いのとちゃうのこれ!」って感じのライヴである。
 
JAZZの時はOのウッドベースしか聞いたことのなかった俺には
ロックの時みたいにエレキベースが新鮮だったね。
キャラ変えするなら絶対こちらの方が熱さが伝わるぜ、きっと!
 
小休憩の時に「ちょっとムズイよねこれ」とPが独り言のように呟きながらも
いざ本番になると踊るように鍵盤を移動する指先と流れる音を聴いていると
素人には丸っきり楽勝ペースに見えるのは流石プロである。
 
因みに後のセットリストは以下の通り。
From Within」、「Actual Proof」、「Falling Grace」、「Song For Abdullah」、
Spain」、Snap Shot」、「Three Views Of A Secret」、
ラテン調あり、ボサノバ調あり、スローな8ビートありと
十分に堪能できた一夜だった。
 
そして最後は「On Fire
流石Oがラストに置いていただけにこれは最高の盛り上がり。
 
他の観客からのアンコールにPが応えて即興で弾いた追加曲は
Fly Me To The Moon」。
しっとりとスタンダードなナンバーをキメてくれるじゃないの。
若くても押さえるところはきちんとって事だよな。
こうして大人の夜は更けていくのだった。
 
美味い酒に小さな洒落た店、そして最高の演奏とくれば不満はただ一つだけ。
魅惑的な女性が隣にいないことだけだろうな・・・。
いいさ、ハードボイルドには女は似あわぬものなのさ・・・・・・・・・・・・・・ううっ(涙!)
 
 
ドラム:高阪 照雄   https://sites.google.com/site/orute528/
ピアノ:パク ヨンセ   http://www.parkyeongse.com/
ライヴハウス:Mクアトロ http://www.geocities.jp/m_cuatoro/Mcuatro.htm