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車好きオヤジのブログ

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18000秒の奇跡

2013-09-07 22:48:00 | 日記

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楽しい事はその時間の経つのを忘れさせてくれる。

いや本当はもっとそのまま続いてくれれば良いのにと誰もが願うのも虚しく

一瞬で通り過ぎるようなものだよな。

 

きっとそういうひと時を日常が思い通りにならない事の繰り返しの世の中で

神さんがなんとか頑張る為のご褒美としてくれているのかも知れないな。

先日の若隠居さんとの対面はそんな気にさせてくれた一夜だった。

 

先々月連絡を受けてからのひと月ちょっとの間の俺は

遠足や運動会を控えた幼稚園児みたいだった。

会ってあれを聞こうこれを話そうと思う気持ちばかりが先走る。

 

こちらだけ一方的にその容姿を写真で見て知っていただけなのに、

何だか何十年ぶりの旧友に会うみたいな気分になってしまう。

それはカムリコミュでとても親しく接してくれていた事に他ならないが、

若隠居さん、いやご隠居は俺だけでなく他の者にも

当たり前田のクラッカーで誰に対しても同じ姿勢なのは言うまでもない。

あんかけの時次郎を知らないご仁はこの前後の文章は無視してくれたまえ。

雲と一緒にあの山越えて~♪♪

 

バーチャルとリアルを有る意味使い分けてる少々ひねくれ者の俺にとっては

ご隠居みたいな人物は超天然記念物、世界遺産みたいに感じてしまうのである。

まあご隠居のひととなりを俺が今更説明するのは全く必要ないのだが。

 

ホテル建物の1階にある駐車場に入ると出入り口近くに

仙台ナンバーのニュークラウンハイブリッドが停まっていた。

多少約束の時間にも余裕があると真横に停めて記念写真をパチリ。

はげおやじさんが浮気心を煽られるのも判る気もする。

悔しいけれど至極当然、車格が違うね、高級感抜群。

 

ロビーでの対面も俺から近づいて行き挨拶した際の意外そうな顔のご隠居は

相当イメージと違うと言わんばかりだ。

事前に伝えていたはずだけど同い年くらいに思っていたのじゃないかって感じ。

念のために再度書かせてもらいますがかなりの若輩者でっせ。

ごく普通のおっさんに対して一体どう思っていたのかは聞きそびれてしまったままだ。

 

ご隠居が穏やかな性格、容姿も事前に知っているこちらにもひとつだけ違和感があったのは

不思議というか面白いものだった。

 

何だと思うかな?

 

 

書けば何てことない俺の関西弁とご隠居の標準語(関東弁かな)の会話なのである。

改めて認識し直すのは関西弁はやはり口語向けのものだとね。

こうして文字お起しするには俺自身多少の標準語を無意識に使っているようだ。

そのつもりはないが俺に標準語で喋れと言われても土台無理なのは会話すると良く判るだろう。

 

食事をする店Mの近くまでオヤジ号で3人で向かう車中でそんな話をすると

「我々東北人は(実はご隠居生まれ育ちは関東なのだ)昔は小馬鹿にされたり

恥ずかしかったりで極力方言を出さないようにする為に標準語で話そうとしたものです。

ところが関西人は東京でも堂々(おそらく図々しくの意だろう)と関西弁で話すのが

羨ましいような気になりましたよ。」と言われる。

日頃関西弁まみれで生活しているせいでそれだけが少しばかり奇妙で新鮮に感じられた。

 

自宅の最寄り駅まではMからマイクロバスが迎えにくる手筈になっていたが、

雨が急に降ってきたのは丁度駅に着いて二人を降ろす頃だったろうか。

5分も待たせてはいなかったと思うが車を置いて駅にダッシュで戻るともう迎えが到着してる。

一応ちょいと駆け足ではあったが体力不足を実感することになるとは・・・。

太股の後ろがピッときて危なかったのは実はご隠居には内緒だった(笑)!

 

限られた時間でどれだけ言いたい事、聞きたい話が出来ただろうか判らない。

会うまでは色々と考えていたはずなのに何故か会話はご隠居夫妻のペース。

今、冷静に振り返るとこちらが先に酒に酔うのが計算に入っていなかったように思う。

はやこま日記を読んで一応頭では理解していたはずだったのに・・・。

 

結局は山ほどあった聞こうとした事が反対に上手に喋らされていた気がする。

自白剤代わりの酒が入ると単に陽気になって思った事を

何でも話す性格もお見通しだったろうな。

絶好の夜景を見るロケーションで雨が止んだのは嬉しい誤算だった。

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ふと気がつけばウキウキ気分の食事もいつの間にか終わり、

往きと同様にマイクロで駅前まで戻る時間になってしまった。

ここからホテルまでタクシーでも知れた時間、料金なのだが

最後は作家の有川浩の世界でお見送りと洒落込むとしよう。

 

45年前に刊行され映画化もされたのでご存じの方もいるだろう。

その名もズバリ「阪急電車」。

 

酔っ払って解説をし忘れたがご隠居、あれがその物語のコースなのです。

本のサブタイトルは「片道15分の奇跡」だったかな。

各駅を昇降する乗客にスポットを当ててそれぞれの人間ドラマを描いたものだが、

映画のキャッチコピーでもあった「その出会いは偶然なんかじゃない。

その終着駅はきっと笑顔」というのをまさしく感じていたのはこの俺自身であった。

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ガズーというバーチャルの世界で出会って1年余り。

東北と関西で縁もゆかりもない見知らぬオッサン同士が親しくなり、

実際に会って一緒に飯を食い、酒を交わすなんて普通ではなかなか有り得ない事だろう。

偶然と思うか必然と考えるか、俺は後者を選びたい。

 

正解なんてお呼びでない、苦しみ、耐え、忍び、悲しむのも一つの人生かも知れない。

だけどきっと俺の方が楽しい選択だと自負している。

同じ人生なら面白おかしく行く方が良いやないの。

 

案外とお気楽脳天気は周囲に助けられてそのままやっていける気になるね。

厚かましいのは重々承知の上だがこれからも世間の皆様のご厚誼を賜るつもりでいる。

 

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バーSはカウンターとテーブル席が二つだけの狭いところだ。

そのテーブル席の向こうには辛うじて収められたピアノとドラムが置いてある。

地下1階にあるここでは12カ月に一度程度ジャズの生演奏が行われているが、

ライヴもなくひっそりとした今日はご隠居と二人カウンターで焼酎のロックを飲んでいた。

 

ホテルのある駅に着いたのは21時を少し廻った頃だったか。

このまま別れるには名残惜しくてホテルの前にあるこちらに誘った俺だった。

 

奥方はお疲れだったのか遠慮され、二人だけの二次会となったが

別れ際に「また明日からもありますので」とニコリと微笑まれると

早々ご隠居をあまり遅くまで引っ張る訳にもいかない

プレッシャーをくれるのも達人クラスのなせる技と感じないはずはない。

 

バーカウンターには1人か2人で行くのが似合うというのが俺の持論だが、

残念な事に最初のM同様に何を話したのかよく覚えていないのである。

 

朧気な記憶を辿ればママのSさんが埼玉だったか千葉だか東京近郊の出身で

関西のこの地に似合わず関東弁でご隠居と車中で話題にしたような話をした気がする。

 

そちらの趣味がないので俺には客選びをしそうな頑固さのあるバ、いやママさんというだけだが

タカラジェンヌの隠れ家的なここは劇団員から熱心な愛好家まで

知る人ぞという人物のようであるらしい。

トップが楽が引けると挨拶に来るらしいと他の常連に聞かされた事もあるが、

知らない者の強みで遠慮しないのが却って受け入れてくれてる理由のような気がする。

この店のカウンターに初めて座った時に「うちの店は能書き親父は出入り禁止なの。」と

言われてもう来れないなと返すと「貴方はまだ大丈夫よ。」というような会話を交わした事があった。

 

既に腕時計は22時半を廻ってしまっている。

思いと気合は空廻りとなり結局はご隠居の優しさだけを感じただけの2次会だった。

 

階段を登って店の前のホテル玄関で明日からの無事の旅をお願いして別れとなる。

こうして俺とご隠居の初対面、超ミニオフ会は終わりを告げた。

 

さあ俺も明日から頑張るとするか。

夕方から降り続いた雨がまだ止んだままになってくれてる間に早く家に帰ろう。

 

(追記)

皆さんの投稿があまりない中での連続投稿は若干恐縮ですが、

日頃はネタ不足の折、滅多にないことなのでご勘弁願いたい。