最後だと、わかっていたなら・・・・・

最後だとわかっていたなら


２００１・９・１１アメリカ同時多発テロ事件の後、アメリカの追悼番組や追悼集会で紹介された詩で、そののち佐川　睦さんによって翻訳されたものです。作者のノーマ　コーネット　マレックさんは亡くなった息子サムエルに捧げる詩として発表したものだそうです。

あなたが眠りにつくのを見るのが、最後だとわかっていたら
私は、もっとちゃんとカバーを掛けて、神様にあなたの魂を守って下さるように祈っただろう

あなたがドアを開けて、出て行くのを見るのが、最後だと分かっていたら
私はあなたを抱きしめてキスをして、
そしてまたもう一度呼び寄せて抱きしめただろう

あなたが喜びに満ちた声を上げるのを聞くのが最後だと分かっていたら
私はその一部始終をビデオにとって毎日繰り返し見ただろう


確かに いつも明日は やって来る
見過ごしたことも取り返せる
やりまちがえたことも やり直す機会が いつも与えられている

「あなたを愛している」と言うことはいつだって出来るし
「何か手伝おうか？」と声をかけることも、いつだって出来る

でも 、もし それがわたしの勘違いで
今日で全てが終わるとしたら
わたしは 今日
どんなにあなたを愛しているか 伝えたい

そして私たちは 忘れないようにしたい
若い人にも 年老いた人にも
明日は誰にも 約束されていない
のだということを

愛する人を抱きしめるのは
今日が最後になるかもしれないことを

明日が来るのを待っているなら
今日でも、いいはず

もし明日が来ないとしたら
あなたは今日を後悔するだろうから
微笑みや 抱擁や キスをするための ほんのちょっとの時間を どうして惜しんだのかと

忙しさを理由に
その人の最後の願いとなってしまったことを
どうしてしてあげられなかったのかと、
だから 今日 あなたの大切な人たちを
しっかりと抱きしめよう
そして その人を愛していることを
いつでも いつまでも 、大切な存在だと言うことをそっと伝えよう

「ごめんね」や「許してね」や「ありがとう」や「気にしないで」を伝える時を持とう
そうすれば もし明日が来ないとしても
あなたは 今日を後悔しないだろうから・・・