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もんじゅを廃炉に!関西集会-集会メモ

2013年09月24日 | 反原発・脱原発・エネルギー

 「もんじゅを廃炉に!関西集会-もはや廃炉しかない-」2013年9月23日(祝)の集会メモです。

 集会趣旨はこちら
 http://www.page.sannet.ne.jp/stopthemonju/


 大阪市天王寺区民センターのホールはほぼ満席で立ち見もあった。最後にみんなで片付けた椅子は450脚か480脚だったから、500人前後というところだろうか。

 集会冒頭は、ストップ・ザ・もんじゅ制作のDVD「明かされた真実」のハイライト部分の上映。約30分。
解説・小林圭二、朗読・吉永小百合、ナレーション・坂本龍一。ナトリウム冷却材の危険性も、映像だとわかりやすかった。

 続いて九州大学副学長・吉岡斉(ひとし)氏の講演、「脱原子力の鍵・核燃料サイクル」。吉岡氏は九州大学副学長で、福島原発事故調査・検証委員会委員。「御用学者」と自虐しながらも、事故調の姿勢、報告書などについては、批判的なスタンスを貫き、原子力市民委員会の座長代理でもある。www.ccnejapan.com/‎

 脱原発は困難ではない。節電・省エネルギー、そして少子高齢化と脱工業化の自然減だけで十分カバーできる。原発は一次エネルギーの1割、電力の3割を占めるにすぎない。他の一次エネルギーや他の発電手段で代替することは可能。
 しかし政府首脳は、「即時・無条件・全面」再稼働のシナリオに固執する。なぜか。原発廃止の最大の障壁は、軍事・民事の両面にまたがる日米原子力同盟=日米核同盟の存在。米帝は日帝の核武装は認めないけれども、プルトニウム保有=核武装のポテンシャルは容認しておこうというわけだ。アメリカでは原子力産業は衰退しているので、日本の技術力なくして核体制が維持できないという事情もある。
話しぶりには枯淡の味わいがあった。『脱原子力国家への道』(岩波書店)は、おすすめ。政府にはもんじゅを技術遺産継承のための博物館にしようという提言をしたそうだ。

 休憩をはさみ、パネルトーク「各党に問う もんじゅの継続に何の意味があるのか」。
 社民党・福島みずほ、民主党・福山哲郎、無所属・山本太郎の3氏。このうち福山氏は10分ほど遅刻。ビルが工事中だったので、タクシーの運転手さんが通り過ぎてしまったという。出席確定だったはずの共産党、みどりの風、生活の党は結局不参加。
 みずほ氏は司法修習生時代にもんじゅ訴訟に関わり、すでに30年とか。さすがに話は上手で、もんじゅから福島原発事故、最後に秘密保全法について10分の持ち時間で要点をまとめていた。秘密保全法が成立すれば、「汚染水問題はブロックされている」という安倍の嘘発言…あるいは嘘という自覚すらないファンタジーも、それを批判はおろか検証する手立てもなくなる。
 太郎氏はTシャツに七分丈ジーンズにサンダルの議員らしからぬ姿で登場。政治ではなく、市民運動の力で脱原発に賛成しない政治家には圧力をかけて落選させていくしかないというのはもっともだが、その作戦は今回失敗したのではないだろうか。好意的な反応もあれば、いらだった来場者からヤジやツッコミも受けていた。その日も大阪でキャラバンという。おもしろいのだが言葉が軽すぎるんだろう。
 3・11当時、内閣官房副長官だった福山氏は、「原発危機 官邸からの証言」(ちくま新書)から引用して脱原発の決意を語るとともに、大同団結のためにレッテルを貼るのはやめようと訴え。
 きょうの3人が中心になり、超党派の脱原発議員連盟を作ることがみずほ氏から提起された。近畿圏の脱原発首長や議員連盟という提起もあった。しかし「くびちょう」は業界用語なのだろうが、「しゅちょう」「知事や市長」などのフォローがあったほうがよかった。

 小出裕章氏の汚染水問題ビデオインタビュー。
 2020年、東京オリンピックはないだろう。想像もできない。放射性汚染や被災地の問題の存在さえ「ブロック」され、被災地の復興は遅れ、7年後の汚染状況はさらに悪化しているとしか思えない。
 汚染水をブロックして、放射性物質の拡散を停めなければ何も始まらない。山間部ほど放射性物質の汚染が激しく、平地でいくら除染を進めても意味がないのではないかとも聞く。ただ会津地方には影響が少なく、「福島県」でひとくくりにするのは誤りである。
 東京電力は17日、福島第一原発の地上タンク群に設けた堰から16日に排出した水の総量は約1130トンだったと発表した。排出水の放射性物質の量は推定で約885万ベクレル。1リットル当たりの換算で放射性物質濃度は法定基準(ストロンチウム90で30ベクレル)を下回っているというが、どこまで信頼に値するのか。台風への備えもマニュアルさえないというのは、政府も東電も「組織的な現実逃避」というほかない。これはエネルギー問題のコンサルタント、マイケル・シュナイダー氏のコメント。
 現在、政府は凍土壁によって、山地から流入してくる地下水をブロックする方針である。これは超低温の冷却剤を循環させ地下水を凍結させる技術である。トンネル工事などでは、液体窒素による凍結工法の事例はある。東京メトロ東西線の俎橋の地下区間などはこの工法で工事された。
 しかし長期にわたる維持管理ではどうなのか。ひとたび停電が起きれば、氷壁は崩壊してしまう。実はこのプランは、民主党政権時代、一度提出されたが、すでに却下されたプランだったはずだ。五輪招致に向けたパフォーマンスにすぎなかったことは、ここでもわかる。
 放射能の減衰を待たなければ、作業も進まない。素人考えでは、建設ロボット技術のイノベーションが望まれるが、The Battle of Evermore……これはもう限りなき時間との戦いというほかない。どうしたらいいのか。冒頭の吉岡斉氏のレジュメより引用してみる。

 〈福島第一原発の事故処理、事故廃棄物の処理・処分政策
 放射能汚染水対策を優先してすすめる。海への放出を止めるための遮水壁の設置などの対策を強化すると同時に、漏洩リスクの高い貯蔵タンクから回収した汚染水と、多核種除去装置(ALPS)の導入後も残るトリチウム水の長期貯蔵能力を確保するため、堅固な大容量タンクの設置をすすめる。タンクは岩盤に杭を打って作った地盤に設置すべきである。溶融デブリの冷却が可能(事故後5年程度)となり次第、空冷に移行することで汚染水発生量を低減させる。
 廃炉へ向けた工事は最小限の養生にとどめ、できるだけ放射能の減衰を待つ(少なくとも10年程度)。その間は、1・2・3号機の使用済み核燃料の取り出しを延期する(無期延期もありうる)。
 中長期ロードマップを見直し、建屋を解体せずに「石棺」化する。建屋解体は少なくとも相当期間(50~100年)延期し、経過観察をする。〉


 前衆議院議員の服部良一氏のメッセージのあと、集会決議。反骨のミュージシャン・朴保さんの歌を聴く。ものすごいパワフルボイス。山本太郎が主演した『夜を賭けて』の音楽監督。反原発闘争で不当逮捕されたUさん奪還について報告があった。

 会場を片付け、デモに出発。六万体から谷町九丁目、千日前通りで難波に出て、いつもの解散地点の元町中公園へ約3キロのコース。

 今回は右翼の妨害もなかった。デモ指揮にはアニメ声の歌の上手なお姉さんもいて、シュプレも2年前にくらべたら断然良くなってきた。しかしリズムの悪さはあいかわらずかな。「惨事の手前」は「三時の手前」かと一瞬思った。これは書き言葉でも、「大惨事」でワンセットだと思う。
 解散地点のいつもの元町中公園では、若者がバーベキューの準備中。ノリがよく、「原発反対!」と元気よくシュプレヒコールに唱和してくれた。「スケベ代表」のタスキをつけたリーゼントくんが最高だった。

 この人民の革命的合流(!)に、警官が「近隣から迷惑条例違反の抗議が来るぞ」と妨害に入ってきた。一般の公園はバーベキュー禁止なので、あのあと警察から弾圧を受けなければよかったのだが。大阪近辺ならこちら参照。bbqnavi.com/search.php?ken=25‎

 それでは、またどこかでお目にかかりましょう。



 Oh dance in the dark of night, Sing to the morning light.
 踊れよ夜の闇の中で、歌えよその朝日に向かい。

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