きまぐれパラダイス

たどたどしい日常ですが

ふたつの桜

2014年05月19日 | 日記

さて、長男の就職が決まると 二男モト助もこんな事を言い出しました。


「オレもひとり暮らしした~い

「今すぐにもひとり暮らしした~い


じつは入学して間もなく、こいつはこんな事を何度となく訴えている。

ひたすら聞こえないふり 無視を決め込んで対処してきました。


だってこの子は「通える大学が良い!」その1点張りでこの大学に入ったのでございます。

その初志は貫徹させなければなりませぬ。


「おれが間違っていた、許しておくんなはれ


ふん、そんなこと言ったって無駄です。

受験の時から何度も「一人暮らししてみたいとは思わないの?」と聞くと

「一人暮らしなんてめんどくせえ。引っ越しなんてくそくらえだ。俺は通える大学に行く!」

そう堂々と宣言していた事をみ~んな知っています。

あっという間の心変わり。これもこの子らしさ。。。

その心がさらに変わらないか、2年間見つめてまいりました。


確かに変わりませんでした。


確かに 電車バスで1時間、車だと朝は1時間半。

サークル活動に勤しんでいるので帰りはいつも10時とか11時。就床は1時過ぎ。

家では ご飯食べて風呂入って寝るだけの毎日になってしまいました。

そして朝は6時半から起こされ眠い目をこすりながらの登校。

これでは学校の近くにアパートを借りてやるのも仕方ないかなと思えるようになりまして


「お兄ちゃんが引っ越しになるまで我慢しなさい」


という約束になりました。(わ~いばんざ~い



ところが、です。

せっかく許可することにしてやったのに、アパートの情報収集とか、全くしようとしないのです。

学校の近くに友達がいっぱい住んでいるので、住み心地とか賃料とか聞いてほしいのですが

自分で住む部屋なのに興味ないとは…

本人の希望は バストイレ別で学校からめっちゃ近ければ良いんだそうですよ。

私は私なりにこっそりネットで賃貸情報を調べちゃいましたけどね。


結局3月になるまで何にも動かず、なぜか行きたい不動産屋があるとのことで

受験生の合格発表の前日に駆け込み契約となりました。(どうしてそんなにギリギリでいられるのでしょうかね)


古いけれどリフォームがされていて広めのキッチンと6畳、学生の一人暮らしには充分です。

兄が会社の寮に入ることになったので洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、キッチン用品一式もらえることになりまして

これも大変ラッキーだったのに「え~っ、お古なのぉ?」


文句いうんじゃありませんっ!ありがたく使うんだよっ!


自分らしさがないって本人はちょっと不満のようです。

兄だって 文句があるならカネよこせ と言いたい所でしょう。


かくして3月30日、兄は東京のアパートを引き払い

寮に送った荷物の残りをモト助のアパートに搬入するため

家族で引っ越し大作戦を行いました。


さようなら東京。

時々遊びに行って楽しかったよ。


兄の心は これから始まる新しい生活への不安と

大学時代の仲間との惜別に胸がいっぱいのようでした。


雨に濡れた満開の東京の桜が

今でも私の胸にも しっかりと焼き付いています。


さてモト助よ、

これからはここで独立してオトナとして歩んでいくんですよ。

もう朝、起こしたりしませんからねっ!

しっかり頑張んなさいっ!


モト助の街の桜は これから満開を迎えるところでありました。。。