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Beerかた手に独り言

建築とJAZZと酒をこよなく愛するオヤジの想い

【星影の小径】

2011-01-26 | 映画・音楽






【ちあき なおみ】がTVから姿を消してもうどれくらいたつでしょうか?

彼女の歌うこの【星影の小径】、私の記憶では今迄に3回TVコマーシャルで
使われています。

コーヒー、自動車、ジュースだったと思いますが・・・
アカペラで始まるこの歌をコマーシャルで聴いてからとても気になっていました。

その当時気になっていたのはどうやら私だけではないらしく、相当問い合わせが
あったようです。



2000年の6月に『ちあき なおみ これくしょん』
と言う6枚組のCDーBOXが発売になるのを知り、この一曲の為に手に入れたのですが
全曲聴いている内にすっかりはまってしまいました。



ちあきなおみ 星影の小径




このCDを手に入れた年のオーディオ研究会の例会を私の所で開いたのですが、
メンバーの自作によるドイツシーメンス社のEDと言う真空管を使ったアンプと
私のTADバーチカルツインで聴いた【星影の小径】は,出だしの『静~かに・・・』
で全員ノックアウト。

今迄底域がどうの・・・高域がどうの・・・と
なんやかんや言っていたメンバーが一瞬にしてシ~ンとなり、すっかり彼女の歌に
引込まれていました。

それを見た私はしてやったりとニンマリしたものです。
後日、何人かのメンバーからのCDを貸して欲しいとの電話でまたまた・・・ニンマリ!


このアルバムにも入っている『夜を急ぐ人』と歌があるのですが、NHKの紅白歌合戦で
身体をくねらせ、髪を振り乱し、半狂乱のようにこの歌を歌った彼女を見て
白組司会者が「気持悪い歌ですね~」と言ったのは有名なエピソードです。



ちあきなおみ 黄昏のビギン




元々歌の上手さでは定評のある彼女ですが【美空ひばり】亡き今、ジャンルを
超えてきっちり歌を歌えるのは彼女ただ一人ではないかと思います。


ご主人を亡くした1992年から活動を休止している彼女ですが、ファンの一人として
是非、また歌って欲しいとせつに望んでいます。


彼女の歌うJAZZがまた、いい~んです!




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【幻のキャバレー】

2010-08-04 | 映画・音楽



例によってすっかりご無沙汰をしてしまいました。



函館は今、港まつりの真っ最中で、久々に大門に出掛けてみました。

いつもの大門とは大違い、函館にこんなに人がいたのかと言う感じで、
若かりし頃の大門を思い出したしだいです。



先日探しものをしていて、懐かしいパンフレットを見つけました。

2007年9月23日(日曜日)一夜限りのグランドキャバレーの灯

    『THE Cabaret』


それは一夜だけ復活した伝説のキャバレーの物語。


廃墟と化していたグランドキャバレー「未完成」を一夜だけオープンさせようと
言う企画で、それはそれは大門への最高のオマージュでした。

その時の様子は私もブログ
書いていますが、もう~三年も前になるのですね~


当日会場で流れていた曲がとても耳に付いて、ず~と気になっていたのですが
先日Twitter上でその事をつぶやいたら、当のご本人からYouTubeにアップされて
いる事を教えていただき、早速お気に入りに入れました。




『幻のキャバレー』  この曲が中々いいんです。

   作詞、作曲  蛯乃木ユウイチ   
       歌  メ イ







歌っている、メイさんの声が本当にいい~


眠らせて置くには本当に勿体ない曲です。

シングルリリースして欲しいとTwitterでつぶやいたら、ご本人達から
サクセンカイギをしたいと言う返事を頂きました。


何やら情報によると、この他に『大門の月』と言う曲もあるらしい~
是非、聴いてみたいものです。



私の耳は昔から何時でも何処でも、良い音楽と音には直ぐに反応してしまうのです。(笑い)





久しぶりに大門を歩き、つくづく思う。
この場所の再生には人々がここで暮らす意外にない事を。

こんな歯抜け状態だからこそ、色々な意味で今がチャンスなのに
市の考えも動きも全然見えてこない。


相も変わらず、二十間坂の不自由の女神は存在しているし、伝建地区、
豊川町のあの黄色い看板も存在している。


一体、市は都市のデザインを本当にしている自覚があるのだろうか?
と言うより、デザインをすると言う事が理解できていないのではないだろうか?

この状況は景観に対する民意の低さもさることながら、行政の都市デザインに対する
意識も認識も最悪としか言わざるおえないのである。

駅から続くあの道を戦略的に攻略している北村水産の方が都市デザイン課なんかより
余程、二十間坂通りの重要性を認識しているように思えるのです。




8月20日が期限の「不自由の女神」像の撤去、残った建物はどうするのか?
市民の意識が問われています、市民の覚悟が問われています。


みなさん、「不自由の女神像」撤去の為の署名運動にご協力ください。


まだまだ、終わりではないのです。




最後に一句、『坂上の女神の命果敢なきに我泣き濡れて蟹とたわむる』(大笑い)








【HINDI・ZAHRA(インディ・ザーラ)】

2010-05-13 | 映画・音楽



五月も中だと言うのに毎日、この寒さ!
桜も満開になったばかりなのに、いったいどうなっているんでしょうかね~?



今朝、東京に居る学生の時からの友人からメール。
開いてみると、You Tubeの動画のアドレスがびっしり。


どうやら最近、彼がハマっている歌手らしいのですが、クリックしてみてビックリ!!

久々にやられたぁ~って感じです。


(出来れば、イヤーホンかヘッドフォンの使用をお勧めします。)
Hindi Zahra - Beautiful Tango



『ビューティフル・タンゴ』この曲で火が着いたようです。

   ・・・うん~これは、良いねぇ~♪♪




早速ググって見ました。


『インディ・ザーラ』 
インディが苗字でザーラが名前だそうです。
1979年6月16日アフリカのモロッコ生まれ、13歳の時に家族と共に
パリに移住。

18歳の時にルーブル美術館で働くようになり、毎日観ている芸術作品に
触発されたように曲を作り始め、BARで歌い始めたそうです。

徐序に人気になり、作った曲をWebのマイ・スペースにアップした所、
一気に火が着き2010年の1月、フランスのブルー・ノートから
デビューとなったようです。



hindi zahra




この民族音楽とジャズやブルースなどをミックスしたような独特の
アコースティックサウンド。

なんと言ってもこの声と力の抜けた説得力ある歌が魅力。

曲作りもアレンジも上手い!




Hindi Zahra - Imik Smik live.avi






それにしても『You Tube』の威力は凄いね~

情報によると5月17日に東京で プレミアムライブがあるらしい。

いいなぁ~Ustreamでライブ配信してくれないかなぁ~



と言う訳で違う内容でブログを書いていたのですが、嬉しくて
急遽変更してしまいました。(笑い)




中島、ありがとう!   
お陰で今日はちょっと嬉しい日になりました。


お返しに何か送っておきま~す。



さぁ~早速、CD買いに行かなくっちゃ!














【 CIRQUD ・DU・ SOLEIL 】

2010-04-28 | 映画・音楽







ゴールデンウイークが始まろうとしているのに、毎日のこの寒さは何んなんでしょうね~

せっかくほころび始めた桜の莟もこの寒さで萎んでしまい、この分だと函館の桜は
連休後になりそうな気配です。



先日、所用で横浜に行った折に念願だった『シルク・ドゥ・ソレイユ』の『ZED』
観て来ました。

専用劇場として2008年のオープン以来、ず~と観たいと思っていたのですが、
いやぁ~噂には聞いていましたがそのスケールの大きさに度肝を抜かれました。


『シルク・ドゥ・ソレイユ』それはフランス語で『太陽のサーカス』を
意味します。

大道芸人だった「ギー・ラリベルテ」が1984年にカナダで設立したサーカスを
ベースにしたエンターティメント集団。

今世界に『シルク・ドゥ・ソレイユ』の常設の専用劇場は9カ所あり、それぞれに
違う演目が行われておりシアター東京は『ZED』と言う演目になります。



ストーリーは『ZED』と言う名の少年が「天」と「地」の世界を冒険の旅をする
中で色々な出会いから成長して行く物語です。


確かにそれは、サーカスの伝統的な様式を取入れていますが、内容は全く別次元の
世界でまるでオペラかミュージカルでも見ているようで、まさしく芸術です。










そのステージが始まり最初に反応したのは、耳でした。
立体的なPAの音の素晴らしさ、音楽の素晴らしさ、演奏の素晴らしさ!


最初は生演奏だとは気付かなかった。


と言うのも普段から私は始めて観るものや、聴くものについては、先入観なく
感じたいので一切情報を入れない事にしています。



目の前で繰り広げられるバンジーや輪縄、ジャグリングに空中ブランコなど、
生身の人間の身体の極限状態から生み出されるアクロバティックなサーカス芸術の
躍動感、それは力強く情熱的で尚かつとてもエレガンス。



その内容にピッタリと寄り添った音楽は何処かシルクロードの香りのする神秘的で
何処か懐かしい音楽、時に台詞の様だったり、時にはまるでナレーションの様でした。


生歌は日本語でも英語でも何処の言葉でもない、「シルク・ランゲージ」と呼ばれる
韻を踏むような歌詞の歌でつい、目を瞑って聴き入ってしまいました。




本当に凄い音楽です!!



CIRQUE DU SOLEIL ~ ZED




楽器の数も少なく、特別な楽器も入っていないのに、ピラミッド形のどっしりした
スケールの大きな立体的な音、一つ一つの楽器の音の粒立ちが際立っていて演奏も
素晴らしい。

こんな音楽を創り出す作曲者の「レネ・デュペレ」を始め演奏者もサウンドエンジニアも
ただ者ではありません。

こんな素晴らしい鳥肌ものの音楽とPAサウンドは始めてです。


内容の素晴らしさにすっかり度肝を抜かれ、酔いしれたアッと言う間の時間
フィナーレは圧巻、感動で目頭が熱くなってしまいました。










そんな訳で終わっても暫く席を立つ事ができず、照明が付いてようやく立ちました。

頭の中では音楽が鳴り続けそのままスーベニアSHOPへ直行、パンフレットとCDを
買い余韻を楽しみながら後ろ髪を引かれる思いでシアターを後にしました。




『シルク・ドゥ・ソレイユ ZED』 決して忘れる事はないでしょう・・・


         ・・・もう一度,是非観たい!!!









【 グラン・トリノ 】

2009-12-29 | 映画・音楽




今年も残り2日、最近は一年が本当に早い!

先日久々の休み、前から観たかった映画
『グラン・トリノ』
を観ました。

あの「クリント・イーストウッド」が監督、プロデューサーそして主演と言う
2008年のアメリカ映画です。

舞台はアメリカの自動車産業の衰退と共に寂れ、移民が増えて治安が悪くなり
荒廃して行く街。

フォード自動車の元工員で朝鮮戦争の帰還兵、イーストウッド扮する典型的な
アメリカの男『ウォルト』


(78歳のイーストウッドがまた、渋~い!どこまでいってもダーティー・ハリーなのです。)


妻に先立たれ老犬と暮らすそんな彼の楽しみは、彼が組立工として作った
72年型『フォード・グラン・トリノ』をピカピカに磨き上げ、其れをポーチで
ビールを飲みながら眺める事なのです。








『フォード・グラン・トリノ』それは真に大きくて強い、自信に満ちた
アメリカ、ちゃんと「ものづくり」をしていた頃のアメリカの象徴です。


話はそんな彼の家の隣に暮らすアジア系の少数民族一家の少年との交わりを
通じて徐序に心を開いて行く『ウォルト』の姿を描いています。


この映画、話の構成はとてもシンプルですが、国旗や芝刈り、自動車や
人種などに象徴された今のアメリカが赤裸々に描かれています。







ラストシーンは思いも寄らぬ展開 !  ・・・・・ちょっとびっくり!


   男らしさとは何か・・・?

          男のケジメの付け方と何か・・・?

                      男の生きざまとは何か・・・?


色々な意味で『男の生き方』を象徴した『責任の取り方』や『ケジメの付け方』
を問いかけている様な映画でした。



今の世の中、政界も経済界も世の中全体が『当たり前』な事が
『当たり前』でなくなっているこの時代、本来『当たり前』な事は
本当に本質的なシンプルな感覚のはずなのに、何やかんやと言い訳を
付けて見えなくしてしまっている。


「決断」=「責任」だと言う事が分ってない「責任」の取り方や
「ケジメ」の付け方が分からない(玉が付いていない)男が本当に
多いのですよ。

こんな事では、本当に子供達に示しがつかない!!


この映画を観れば流石にあの『鳩山』さんでもきっと『ケジメ』の付け方が
分かるのではないかと思います。(笑い)



感動のラスト、エンディングに流れるイーストウッドの息子である
ジャズベーシスト「カイル・イーストウッド」による主題歌を歌っている
イーストウッドのシワガレ声がまた何とも言えない味を出しています。



衝撃的なラストとは裏腹にある種の『清々しさ』を感じた映画でした。

『イーストウッド』・・・流石です。






今年も一年、『Beerかた手に独り言』にお付き合い頂きまことに
ありがとうございます。

どうぞ来年も宜しくお付合いください。









【 沈まぬ太陽 】

2009-11-08 | 映画・音楽



本当に素晴らしいエンディングでした。

先日、公開を心待ちにしていた【沈まぬ太陽】を観て来ました。

原作はご存知「山崎豊子」、誰が観ても舞台設定は日本航空だと分かります。
発刊当時からJALサイドからのクレーム騒動は有名な話ですが、映像化された今、
増々強まっているようです。

今この時期、まだそんな事をやっている「この企業」は何なのか?(笑っちゃいます!)
そんな事を言っている場合では無いと思うのですがね!

是非、社員全員に観て貰いたい映画です。

3時間22分と言う長い映画、間に10分のインターミッション(休憩)が入ります。
始めは休憩なんか無しで一気に見せても良いのではないかと思っていましたが、
内容が濃過ぎて、前半でギブアップ、やはり中休みは必要ですが、あっと言う間の
3時間22分でした。

普通はこれだけ長い映画だと少しは中弛みがあるのですが、オープニングからエンディング
までギッシリな内容、全然『軸』がぶれません。

素晴らしい編集だと思います。

オープニングの後の御巣鷹山のジャンボ機墜落のシーンでは、前に観た『クラマーズ・ハイ』の
あの、取材側の映像とリンクしてしまい、何とも妙な感覚で観ていました。


若松監督は、『男の矜持』を描いた映画だと言っています。

今、この時代、家族とは、仕事とは何か、会社とは何なのか、企業の責任とはどう言う事
なのか、人が『生きる』と言う意味は何なのか、「国民航空」と言う架空の企業を通して
問い掛けています。

エンディングのサバンナに沈む夕日は、企業再生への希望と主人公の『矜持』を象徴して
いるようで非常に感動的なエンディング、映画のタイトルがここに集約されています。

ある意味、今この様な時代だからこそ作れた映画のような気もします。

3時間22分の全編に渡り見応えのある深い内容で久々の社会派の名作では
ないかと思います。



それにしても最近の日本映画は本当に頑張ってますね~

ハリウッドにも見習って欲しいものです。


【沈まぬ太陽】本当に良い映画でした。
劇場に出向く際には、決してハンカチとティッシュをお忘れになりませんように!






【マイ・アーキテクト】

2009-10-09 | 映画・音楽



気が付けば、山も大分色づいて来ています。
すっかり、ご無沙汰でした。

先日、また「ギックリ腰」をやってしまい、ふてっていた所に前から見たくて頼んでいた
DVDが届きました。

タイトルは『マイ・アーキテクト/ルイス・カーンを探して』2003年にアメリカで制作された
ドキュメンタリーです。

数年前に日本で公開され、業界は勿論ですが他でも話題になった映画なのでご存知の方も
多いと思います、札幌で公開されたのですがチャンスを逸してしまいました。

この映画はどうしても劇場で観たい映画でした。


没後25年を期に孤高の建築家『ルイス・カーン』の建築をこの映画の監督でもある、
一人息子「ナサニエル・カーン」が訪ね歩き、関係者のインタビューなどを通じて、
父親としての「ルイス・カーン」の実像を探る旅をして行きます。

その内容は彼の建築そのものでは無く彼の生き方、人生そのものにスポットを当てています。






1974年3月、ペンシルベニア駅のトイレで一人の男が亡くなりました。
身元が分からず、其れが「ルイス・カーン」と分かったのは遺体安置所に
運ばれて3日後の事でした。

インドから帰った彼のパスポートの住所が意図的に消されていた為だそうです。

彼には三つの家庭がありました。
本妻の他に二人の愛人、一人は事務所のスタッフ、もう一人は「ナサニエル」の母親で
造園家の「サリエット」







この二人の話から、いかに三人の女性たちから愛されていたか、自分に正直で
最後まで独自の愛を貫いた「ルイス・カーン」と言う人間が垣間見えてきて、とても
興味深いインタビューです。

男としては少々羨ましいですが、とても三つの家庭を持つ気にはなりませんね~(笑い)






「ルイス・カーン」は巨匠と言われる建築家の中では遅咲きで、彼の才能は50歳を過ぎて開花、
その「完全主義」な姿勢にクライアントの数も少く、作品の数も決して多くありません。

重要なのは数ではなく『内容』と言わんばかりで、その姿勢はインタビューに出て来る有名建築家
や元所員の話から垣間見えてきます。

お陰で計画はいつも赤字、事務所の経営状況はいつも火の車でお金には本当に無頓着
だったようです。

特に「フィリップ・ジョンソン」や「I・M・ペイ」の話には苦笑いをしてしまいました。







彼の建築の中でも圧巻なのは、バングラデッシュの国会議事堂。

23年の歳月を掛け、1983年に完成、彼の死から9年後でした。

湖の静寂の中、霧の中に浮かぶその姿は神々しい程美しく、スピリチュアルなものさえ感じます。









空間の圧倒的なボリューム、その空間はどうあるべきか、幾何学で裏付けられた究極的な
美しさ、それは、彼の創造の精神そのもののように思えます。

最後のインタビューは涙が出て来ます、「世界一貧しい国に彼の最大の建築が出来た」と
言う言葉がとても印象的でした。

この建築の完成を見る事なく、インドからの帰り彼は誰に看取られる事も無く独り
寂しく亡くなってしまいますが、同じ『もの』を創る人間として、ある意味とても幸せな
人生に思います。



いつの世も『建築はアート足り得るか』と人々は問いかけます、それはこの孤高の
建築家『ルイス・カーン』の建築を見れば自ずと答えは見えて来る様に思います。



『建築は時を超越しなければならない、50年後の姿を・・・』



久々にとても納得の行く深い映画でした。





【ひのき屋】

2008-07-29 | 映画・音楽

函館には【ひのき屋】と言う、世界中で演奏活動をしている
ワールドミュージックのバンドの活動拠点があります。

 http://www.hinokiya.com/  

メンバーは 
      ソガ直人  (篠笛)
      しまだめぐみ(たいこ)
      雨宮牧子  (パーカッション)
    ワタナベヒロシ (ギター) 

と言う4人でシンプルな構成なのですが、彼等の創りだす音は厚みのある、芯のしっかり
した音楽です。                

始めて彼等の演奏を聴いたのは6年程前、私が手掛けた施設の完成披露パーティーでした。

その素晴らしい祭り囃子に感激して後で、代表のソガさんと音楽について少し話しを
したのを覚えています。

その頃はまだ彼等自身の音楽も「日本」の域を出ておらず、方向性も定かでは無く、
何処へ向って行くのだろうと思っていました。
今にして思えば、この時既に彼等の目には世界中を巡り演奏している姿が見えて
いたのかも知れません。

そんな彼等の最新アルバム『プトヴァーニエ』を聴いていると、どこか大陸的で懐かしい
原風景のようなものを感じ、まるでモンゴロイドのアイデンティティをくすぐられる様な
感覚を覚え、何故か曲と供に景色がイメージとして明確に浮んで来るのです。

このアルバムのCDとDVDを聴いて始めて、彼等の音楽性や方向性がハッキリと見えて来た
気がします。

中々聴きごたえのある良いアルバムでした。

そんな彼等の企画で『はこだて国際民族芸術際』(8/18~24)と言う民族音楽の祭典が開催
されますが、今から楽しみにしています。

           http://wmdf.org/

音を楽しむと書いて『音楽』、彼等の音楽には世界中の人々を楽しませる「パワー」が
あるように思います。

北島三郎やGLAYだけではない、世界に通用する『音楽』が今の函館にはあるのです。


【クライマーズ・ハイ】

2008-07-26 | 映画・音楽

『クライマーズ・ハイ』

横山秀夫原作の小説ですが、何年か前にNHKでドラマ化されたのを見て、とても良い出来
だったのを覚えています。

確か、佐藤浩一の主演だったと思いますが・・・

映画化されると言う話しを聞き、楽しみにしていました。


1985年8月12日、23年前のあの日もとても暑い一日でした。


群馬県の御巣鷹山に墜落した日航ジャンボ機の事故をめぐり、自分達のプライドと誇りを
掛けて繰り広げられる地方新聞社の物語りです。

締きり時間に追われながらの話しの展開のスピード感と緊張感、キャスティングも
良いのではないかと思います。

そもそもタイトルの『クライマーズ・ハイ』とはロッククライミングなどの時に興奮が
極限まで達して恐怖感がマヒする状況を言うらしいのですが、この映画ドキュメンタリー
タッチに仕上げられていて見応えのある内容でした。

昨今の様々な不祥事続きの企業や社会に対し、自分達の仕事に「誇り」や「信念」「使命感」
を無くした今の日本に、何が一番必要なのかを語っている様に思います。

近頃、全くフィルムの無駄では無いかと思う映画が多い中、久々に心に残る映画でした。




【4 minutes】

2008-06-24 | 映画・音楽

久しぶりに心を揺さぶられる映画に出逢いました。

【4 minutes】、邦題は【4分間のピアニスト】と言う昨年公開されたドイツ映画です。

天才的なピアノの才能を持ちながらも無実の罪で収監された少女と、その刑務所に
ピアノを教えにきた年老いたピアノ教師の物語り。

少女は抑圧された毎日、お互い気になる存在、音楽観の違いからぶつかりあいながら
も互いに引かれて行く二人の心の綾が静かに描かれていて、とても見ごたえのある
作品です。

話しの内容もさる事ながら、凄いのは演奏です!

抑圧され悶々とした毎日の中で唯一、自由になれるのがピアノを弾いている時と
ばかり、その演奏はまるで自分が生きている事を確かめているかの様です。

エンディングは真に心をわし掴みにされる様な圧倒的な演奏で、
珍しく、サウンドトラックのCDを聴いてみたいと思っています。


・・・「やぁ~映画って本当にイ~イですね~」・・・

【BACH】

2008-02-24 | 映画・音楽

普段私はクラシック音楽は殆ど聴かないのですが、バッハだけは昔から聴いています。

もう遠~い昔の話しですが、中学の美術担任がクラシック好きで、学校帰りに遊びに
行ってはよく聴かせてもらいました。

それは普段、音楽の授業で聴くクラシックとは一味も二味も違うものでした。

今にして思えば、この頃に音楽の授業で聴くものがもっと違えばクラシック音楽に対する
印象も随分違っていたように思います。

高校時代、毎朝NHK-FMでバロック音楽の番組を良く聴いていましたが、その中でも
「チェンバロ」の曲がとても好きでした。
確か「バロック音楽を・・・」とか言うタイトルだったように思いますが~?

よくJAZZとクラシック音楽の違いは「JAZZは即興」「クラシックは解釈」と言われて
いますが、バッハの音楽はJAZZの世界でもよく演奏されています。

アルバムの数では断然、ジャック・ルーシェ トリオですが、MJQのジョン・ルイスには
「プレリュードとフーガ」を演奏した4枚のアルバムがあり、気品ある演奏は中々です。

またキース・ジャレットも「ゴールドベルク変奏曲」「フランス組曲」
「平均律クラヴィーア曲集」などを演奏していますが、中でも「平均律クラヴィーア曲集」
はピアノではなく、チェンバロを弾いていて、驚いてしまいました。

このバロック音楽には欠かせない楽器「チェンバロ」
函館には『森 洋子』さんと言う素晴らしいチェンバロ奏者がいます。

      公式ホームページ  http://yokintei.seesaa.net/

画像の『J.S.Bach インヴェンションとシンフォニア』と題されたアルバムは昨年の2月に
森 洋子さんの演奏を地元で録音したもので、レコーディングディレクターの方から偶然に
入手しました。

このバッハの「インヴェンションとシンフォニア」と言う作品は2、3分程度の長さの
素朴な印象の美しい曲が納められた小品集なのですが、音の煌めきと緊張感ある森さんの
演奏には驚きました。

函館も4、5年程前からクラシックの演奏会がとても盛んになってきましたが、残念ながら
私の好きなバッハは中々演奏されません。

教会の多い函館こそバロック音楽が似合うと思いますし、取り分けこの「チェンバロ」の
響きは特別な様に感じます。

今度は是非、教会の中で森さんの「平均律クラヴィーア」を聴いてみたいものです。






【 夜がくる 】

2008-01-13 | 映画・音楽
年も改まり、函館は厳しい冷込みの毎日です。
お陰でお正月の不摂生が祟り風邪をひいてしまい治りきらずにおります。

先日、恒例の「オーディオ研究会」の新年会があり、久々にメンバーとの楽しい
時間を過して来ました。
その際、メンバーの一人が珍しいCDを持ってきました。

ウイスキー「サントリー オールド」(俗称だるま)のコマーシャルソング
『ダンダンディダン シュビダディンガ オデーエエー・・・・』と続くあの曲です。

小林亜星が作詞作曲し、日本のコマーシャルソング史上最も知られた曲ではないで
しょうか。

1967年のTVコマーシャルのオンエアー以来、くり返し使われてきました。
哀愁を帯びたギターにスキャット、映像をバックに流れるこの曲はサントリー
オールドのコマーシャルを一躍有名にしました。

サントリーのコマーシャルは昔から質の高さで有名ですが、その前身である寿屋の
宣伝部に作家の開高健が在籍していた事は良く知られた話しです。

この曲は、開高健の『人間みな兄弟』と言うキャッチコピーを元にイメージして
作られたそうです。

Webでサントリーオールドの広告ライブラリーを覗いて見ましたが、とても懐かしく
なりました。

    http://www.suntory.co.jp/whisky/old/ad/ad01.html

『人間みな兄弟 ~夜がくる』と題されたこのCDは2000年8月に日本クラウンから
発売され、ハーモニカ、サックス、オルガン、ギター、スキャットなど
オリジナルバージョンを含め、全19曲の『夜がくる』が納められいて聴きごたえ
のある一枚です。
2曲目の小林亜星自身による口笛バージョンには、ちょっと感激!

やはり優れた曲は、どんなアレンジにも耐えうるものだと言う事を再認識
させられました。

実は今もこのCDを聴きながら書いています、たまらず一杯やりながら(笑い)。


    本年も『Beer片手に独り言』に、おつきあいください。



【12 タンゴ】

2007-10-17 | 映画・音楽

久しぶりに、ちょっと鳥肌ものの映画を観ました。

【12 Tangos Adios Buenos Aires】と言う映画です。
(邦題は『12タンゴ ブエノスアイレスへの往復切符』)

舞台は2002年の経済破綻後のアルゼンチンはブエノスアイレス、
74歳の現役タンゴダンサー、ロベルトと20歳の女の子マルセラ、この二人
のタンゴダンサーの生活を中心に現在のアルゼンチンのタンゴを取巻く状況を
、12曲のタンゴをバックに描いたドキュメンタリーです。

二人のダンスの映像も印象的でしたが、凄かったのは音楽でした。

本当に凄い演奏です!

真にタンゴの神髄!!

作曲家でギタリストのルイス・ボルダがこの映画の為に、様々な世代の一流
ミュージシャンをアルゼンチンから集めて、編成したオーケストラだそうです。

中でも、「ラ・カテドラル」と言うタンゴホールでの壮麗な演奏は圧巻で、
普段コンサートなどで聴く、形だけのタンゴとは完全に別次元のものでした。

今迄好んで聴いていたピアソラが霞んでしまいました。

92歳の現役歌手、マリア・デ・ラ・フェンテと現代最高のタンゴ歌手と言われる
リディア・ボルダ、この二人が歌うタンゴは、せつなく、時には激しく、生きて
行く為の人々の嘆きのようにも聞こえます。

映画を観終た後は、せつなくて、やるせなくて、
邦題の「ブエノスアイレスへの往復切符」と言うのは間違いで、今の彼等には
片道切符しか無いと言う事が分ります。

映画の中で素晴らしい演奏を聴かせてくれた、バンドネオン奏者の
ホセ・リベルテーラはこの映画を撮り終えた後、亡くなったそうです。

とても残念です。



【その声を】

2007-10-09 | 映画・音楽

函館もいよいよ本格的な紅葉の季節を迎えます。

先日、久々にとても耳に残る歌を見つけました。

函館には「FMいるか」と言う日本で最初のコミュニティーFM局があり、放送の
中で毎月、応援ソングが紹介されます。

そこで紹介された、函館出身の石岡雅敬(まさたか)さんと言う若い
ミュージシャンが作った【その声を】と言う曲です。

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Icho/1718/

9/20にインディーズレーベルから発売されたアルバムなのですが、ボサノバ調の
曲で歌詞も曲もシンプルかつストレートで好感が持てます。

始めてラジオで聴いた時は、どこか懐かしい響きでとても耳に残りました。

そう言えば、もう5、6年位前になるでしょうか? 始めてエゴラッピンの
「色彩のブルース」を聴いた時も、思わず仕事の手が止まり聴きいってしまい
その時は即、局に問い合わせてしまいました。

日頃ラジオで色々な曲を聴きますが、このように耳に残る曲は最近ありませんね~。

8月に亡くなった阿久悠さんの追悼番組を見ながら、つくづく彼の残した歌の数
と名曲の多さに驚いたのと同じに、その懐かしい歌を聞きながらその時々を思い出
してしまいました。

本当に「歌は世につれ、世は歌につれ」とは良く言ったものです。

近頃は歌謡曲と言うジャンル分けすら希薄になって来ていますが、ジャンルに
関係なく「大人の歌」とそれを歌える歌手が本当に少ない様に思います。

もう~私は、 ジャリタレ(これは失礼!)の歌にはうんざりしています。

たかが「流行り歌」、されど「流行り歌」・・・

今も昔も、優れた歌(曲)には時代も国境もジャンルも年齢も関係ないのです!




【星影の小径】

2007-04-12 | 映画・音楽
【ちあき なおみ】がTVから姿を消してもうどれくらいたつでしょうか?
彼女の歌うこの【星影の小径】、私の記憶では今迄に3回TVコマーシャルで
使われています。
コーヒー、自動車、ジュースだったと思いますが・・・
アカペラで始まるこの歌をコマーシャルで聴いてからとても気になっていました。

その当時気になっていたのはどうやら私だけではないらしく、相当問い合わせが
あったようです。

2000年の6月に『ちあき なおみ これくしょん』
と言う6枚組のCDーBOXが発売になるのを知り、この一曲の為に手に入れたのですが
全曲聴いている内にすっかりはまってしまいました。

このCDを手に入れた年のオーディオ同好会の例会を私の所で開いたのですが、
メンバーの自作によるドイツシーメンス社のEDと言う真空管を使ったアンプと
私のTADバーチカルツインで聴いた【星影の小径】は,出だしの『静~かに・・・』
で全員ノックアウトされてしまい、今迄底域がどうの・・・高域がどうの・・・と
なんやかんや言っていたメンバーが一瞬にしてシ~ンとなり、すっかり彼女の歌に
引込まれていました。
それを見た私はしてやったりとニンマリしたものです。
後日、何人かのメンバーからのCDを貸して欲しいとの電話でまたまた・・・ニンマリ!

このアルバムにも入っている『夜を急ぐ人』と歌があるのですが、NHKの紅白歌合戦で
身体をくねらせ、髪を振り乱し、半狂乱のようにこの歌を歌った彼女を見て
白組司会者が「気持悪い歌ですね~」と言ったのは有名なエピソードです。

元々歌の上手さでは定評のある彼女ですが【美空ひばり】亡き今、ジャンルを
超えてきっちり歌を歌えるのは彼女ただ一人ではないかと思っています。

ご主人を亡くした1992年から活動を休止している彼女ですが、ファンの一人として
是非、また歌って欲しいとせつに望んでいます。

彼女の歌うJAZZがまた、いい~んです!