私のお気に入りのアルバムのひとつ『beyond the Missouri Sky』
「チャリー・ヘイデン」と「パット・メセニー」により、1997年に
「ヴァーヴ」レーベルから発売されたアコースティクなデュオアルバムです。
何故かお決まりの「ECM」レーベルでない所も、ベースとギターの弦楽器同士
のアンサンブルと言う変り種のアルバム。
初めて聴いた時の、パット・メセニーのギターの弦が指で弾じかれた時の音圧を
感じるクリアーな音とチャーリー・ヘイデンのゆったりとしたベースの胴鳴り音
に背中がゾクゾクしたのを覚えています。
このアルバムは二人の故郷である、「ミズーリ」がテーマになっているのですが、
二人のシンプルで深い音の重なりは、まるで雄大な大地をゆったり流れる風のようです。
チャーリー・ヘイデンの決して多くを語り過ぎないシンプルで深い音に、
良く「印象派的音楽」と称される、パット・メセニーのアコースティック
ギターが重なり、優しく、温かくメロディーを歌い上げ、とにかく美しい
アンサンブルで、独特な空気感が漂います。
このアルバムには3曲の映画音楽が収録されています。
ひとつはオードリー・ヘップバーン主演の『いつも二人で』の中から、
「Tow for the Road」と言うヘンリー・マンシー二のとても美しいバラード、
後の2曲は私の大好きな映画『ニュー・シネマ・パラダイス』からエンニオ・モリコーネ
親子の「愛のテーマ」と「メインテーマ」です。
今迄、何度となく聴いてきましたが、聴くたびにこの二人の奏でるシンプルでありながら
深い音の世界に引き込まれてしまうのですが、いつも聴きながら実際に「ミズーリ」の
大地の空の下で聴いたらどんな感じだろうなどと想像してしまいます。
そう言えば昔~し、オーディオ仲間と野原でスピーカーを鳴らしたらどんな
風に聞こえるのか実験した事があるのですが、反射音がない分幾らでもボリューム
が上がり、ついには「ブッ」と言う音と共にスピーカーがパンクしてしまった
のを思い出しました。
そんな馬鹿げた事も、「やって見ないと分からない」などと、真剣になって
色々やった事に今は苦笑いをしてしまいますが、どれもこれも懐かしい思い出です。