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転職人生ここにあり!

証券マンから、スーツアクター、はたまた映画のプロデューサーとはちゃめちゃな人生を歩む筆者の日々の日記

それでもボクはやってない

2007-02-01 19:34:18 | 映画

周防監督の『Shall we dance?』から11年経っての最新作『それでもボクはやってない』を観た。

 

これは、今までの周防WORLDを期待してはいけない作品だった。なのでこれから行かれる方は、周防監督というブランドを忘れて、一つのドキュメンタリー、社会派映画として観れば満足いくであろう。

 

簡単に言うと、冤罪の話だが、痴漢に間違われ逮捕された主人公徹平(加瀬亮)が無実を訴えるが結局有罪となってしまう話。冤罪をはらすことの難しさをリアルに描いている。裁判という現場には、普通の人は立ち会うことはあまりないと思うし、そういう私もそうだったので、非常に勉強になった。

 

さて、あまりストーリーの話は観ていない方にはこれからのお楽しみでもあるので、この映画を観て、1点疑問だったことを書こう。

 

今回の話で痴漢にあう、女子高生が法廷に出ないのだ。当然、被害者と加害者が裁判所で言い合う姿を想定していたが・・・・・。で恥ずかしながら、実際に日本の裁判ではそういうことが基本的にないということをつい先日知った。被害者は検察官の要請がないと法廷に立って証言ができないのである。

 

つい先ごろ、法廷で被害者や遺族が被告人を問いただすことができる仕組みを法制審議会がまとめたとのこと。ようは今までそれができなかったのだ。だから映画でもそのシーンが描かれていない、というより被害者が被告人を問いただすシーンを描いたら嘘になるのだ。

 

でもこれからはそういうことが実際に行われる。海外ではそれが当たり前だそうで、日本だけが古い仕組みでやっていて取り残されていたとか、テレビで言っていた。裁判に報復感情を持ち込まれることが問題だったようである。はあ、初めて知った。映画で疑問に思っていたため、なおさらよく理解したのであった。

 

さて裁判というのは映画を観て理解したが、他人が白黒はっきりさせる場であり、正しいジャッジをする場ではない。ようは無実でも有罪になることもありうる。誰でもそういう立場になりうるとのこと。

 

満員電車に乗るときは、なるべくつり革に両手をつかむか、片方はカバンを持つかするように心がけていたが、映画を観てなおさら十分注意することにしよう。


『地下鉄(メトロ)に乗って』を観た。

2006-11-18 23:22:28 | 映画

以前から観たいと思っていた映画『地下鉄に乗って』。浅田次郎さん原作の作品。ようやく今日観ることができた。公開から1ヶ月まだ経たないのですが、昨今の映画公開ラッシュにおされて、公開館数が減っていき、さらに上映も1日1回みたいな感じで、近くのシネコンで時間に合わせてなんとか観にいった。

 

たまたまこの作品は脚本(初稿段階)を読む機会があったのだ。もう2年近く前ですが・・・。脚本で泣けるということはあまりないのですが、その段階でも非常にいい内容だったので、絶対映画は観ようと思っていたのでした。

 

で実際どうだったか?脚本はかなり短かったので、今回尺を稼ぐためにも、初稿になかった内容が加わっていたような気がした。脚本での感動があまりにも強かったために、映像では少しギャップがあった。

 

タイムスリップなのか夢なのか・・・やはりタイムスリップだったのかなこの話は。タイムスリップで思い出すのは、大林宣彦監督の『時をかける少女』。まだ若い頃に観たこともあってか、感情移入ができて、非常に良かった。最近やはり感受性が落ちているのか、今回はあまり感動できなかった。

 

今年は、映画館、ビデオなどで映画を多数観たのだが、どうも印象に残るものが少ない。今年印象に残った作品はずばり2本。それも昔の映画。

 

黒澤明監督『生きる』と、スタンリー・キューブリック『時計じかけのオレンジ』。

 

どちらも名作ですね。非常に心に響いて、映像も眼に焼きついた。最近、どういう映画が心に残るのだろうと考えてしまう。最近の映画は、あまり心に残る映画がないような気がする。一体どういうものが人々の心に残るんだろう?

 

※ちなみに『地下鉄に乗って』に浅田次郎さんが存在感のある演技?で登場してました。ご覧になった方は気づかれましたでしょうか?


『出口のない海』を観た。

2006-10-15 16:18:19 | 映画
土曜日の『フラガール』に続いて、先週の日曜日、朝から映画を観た。なぜ朝かというと、 『出口のない海』という若干マイナー映画ゆえモーニングしか上映がなかったのだ。もともと戦争映画であることと市川海老蔵主演というあたりターゲットは年配なのを予測していたが、その通りの客層だった。自分が一番若いぐらい。


さて、この話は、人間魚雷(かつて私のブログでも書いたことがありますが。)についての話なのだが、かつて私がよく行った山口の光というところに人間魚雷回天の基地があり、そこを舞台にした物語。なので観てみた。



内容は、どうもgoo映画での皆さんのコメントどおり厳しいものであった。特に一番最後なのだが、結局、魚雷発射し爆発せぬままとなった回天が戦後回収されたところの描き方。回天の扉を上から開けて、もう本来なら白骨化していてもおかしくない乗組員がきれいな状態で、片手にボールを握り締めている。(主人公は大学野球の選手)この描き方は、ちょっと!?



いくら映画だから嘘がありとはいえ、ここはあえて主人公の死に顔を見せる必要はなく、腐った手のアップだとか、血染めのボールだけ写すとか、手紙だけ見せるとかもう少し工夫があってよかったのでは。最後に興ざめした人も多かったのでは?

『フラガール』を観た

2006-10-08 23:47:27 | 映画

久しぶりに映画館で映画を観た。話題の『フラガール』。前から観なければいけない映画だと思っていた。今、脚本開発中の映画とターゲットが似ているからだ。どういう事かと言うと、老若男女がターゲットいったところか。今はやりの恋愛映画でもないし、どちらかと言えば、昨年の日本アカデミー賞を総なめした『三丁目の夕日』に似ているのではと思ったからだ。

 

昨日、用があり有楽町のビックカメラに行った。ら、たまたま同ビルの7階に映画館があり、『フラガール』を上映していた。7階までの直行エレベーターには、若者というより年輩の人達の方が多く並んでいた。銀座に近いという土地柄か。しかし、上映5分前だというのにエレベーターが混んでいたので、わざわざ都会で観なくても、家の近所のシネコンの方がすいているだろうと思い断念した。

 

で、今日、シネコンのレイト割引で観てきたのだ。レイトにしては、チケット購入時に珍しく混んでいると言われた。端の通路側を指定し、座った。劇場を見まわすと、確かに中央部はほぼ満席だった。また年代も上下広かった。年輩の方同士。夫婦。カップル。小学生の子供連れ家族。

 

映画が始まった。出だしは、ちょっとした笑いもあり、期待感をそそった。途中では何回も泣かせるシーンもあった。最後は、無事ハッピーエンド?というか締めた、という感じ。最後のダンスシーンは、主役の蒼井優がOKカットを断わって、再度撮影し、本人も感動から泣いているシーンだが、その迫力は伝わったと思う。ダンサー皆が泣いていたのは演技ではなく、一つの大役を終えた満足感からだったのでは。

 

以前新聞の批評にもでていたが、昭和40年の炭鉱の町の実話という題材が良いのでは。『三丁目の夕日』もそうだが、もう40代以上にとっては古き良き時代(決して裕福ではなかったけど、どこか精神的な満足や、将来への希望があった)を懐かしむにはもってこいだった。観ることをお勧めするでもしないでもありませんが、まあ正統派というのが感想。先日観た『嫌われ松子の一生』が少しキワモノだったことを考えると。

 

ところで、フラダンスが手話だというのは今回初めて知りました。そのエピソードもうまくストーリーに盛り込んでいます。さて、この映画の中で、ダンスの先生役の松雪泰子が、生徒達にプロとは?ということを語ります。この俳優的プロ論について次回書きたいと思います。


嫌われ松子 VS 海猿2

2006-06-09 11:24:28 | 映画
今日は、一応プロデューサーという職業らしく先日見た映画について感想を。
今、実はとある大物作品の映画の企画&脚本開発を日々検討している。で、この俗に言う業界人ではない私、まあ言ってみれば新人プロデューサーみたいなもんなので日々の業界の方々との会話にもなかなかついていけていないことを痛感している。で以前とは見る側の観点よりプロデュース、演出側の観点で作品を見るようこころがけている。しかし映画には不思議な魅力がある。村上ファンドの村上さん株はやめて映画をやりたいなどと言ったとか言わないとか。なかなか一般の人が映画製作さらには劇場公開までこぎつけることは難しいものである。しかし、昨今のネット社会では個人の作品などを発表できる時代になり、私みたいな大手映画会社に所属しなくても映画作りに携われたりするようになった。業界人でない発想で映画作りをやっていくことにチャレンジしている。
さて前置きが長くなりました。先週の日曜日に、2本続けて映画を見た。
まずは『嫌われ松子の一生』、下妻物語で注目を集めたCM界から映画に入られた中島監督の作品。先日テレビで主演の中谷さんが撮影中、相当監督に怒鳴られたといっていた。実際の映像を見ていると、これは芝居難しいわあ、と納得。下妻でもそうだったが、独特な中島カラーというか色彩で全体の映画は流れる。そこに幼少時代からの松子が描かれている。あと一環して各シーンで流れる歌、これが最後のシーンで涙をそそった。というより密かに隣に座ってポップコーンを食べていた女性3人組に悟られないように、しくしく泣いた。やられた!という感じであった。前段から語られる松子のさまざまな人生、それが最後に集約されていた感があり泣いてしまった。久々にいい映画だった。
さて、続けて『海猿2』を見た。先日打ち合わせでお会いした脚本家の方も、普通のシーンをサスペンス調で描いているのはたいしたもんだと言っていたので、どんなもんかと思い観た。松子とはテイストが異なるのは理解していた。1作目とは異なりスケール感がかなりでかくなっていた。船の沈没シーンなどはタイタニックをも思わせた。封切から時間がたっていたがそこそこの観客もいて、すすり泣きが聞こえた。うん、確かに今の時代はこれが当たるんだなあと納得。でも最後はハッピーエンドだと知っていたのでそこが、どこか冷めてみてしまっている自分がいたので泣けなかった。ところで今別案件でとりかかっている映画があり、CGの合成作業をやってもらっている。しかし今のCGって本当にすごい。海猿もどこからが実写でCGかを目を凝らしてみていたが、あまりわからなかった。実際にあのでかい船を沈没させた訳ではないであろう。そういう点ではリアルであった。