昨日の日経の朝刊に出ていた記事で、新規公開株の公募株にしか投資をしない人の話が出ていた。新規公開株の公募というのは、要は、その株式のスタート前の一般投資家が購入できる株のことだ。公募株に割り当てられる株数は少ないので、なかなか手に入らない。また一般的には上場したら値上がりが狙えて、株によってはいきなり2倍、3倍ということもある。
年間100社以上の会社が新規公開するが、昨年は全体の株式相場もよかったことや新興株市場人気も手伝って、新規公開株のほとんどが大儲けしたのだ。そこで、とある投資家は、とにかくその上場前の公募株ばかりを証券会社から購入しているという記事の内容だった。ただ証券会社にも割り当てられる公募株が少ないので、できれば有効に使いたいのが本音。例えば、大手顧客で、損をさせているお客さんに優先的にお渡ししたい。
しかし、損もしていないのに、この公募株だけを欲しがる人がいる。そこで、記事にもあったのだが、何か株以外の商品で付き合ってもらう抱き合わせ販売に使ったりもする。例えば投資信託など証券会社にとって手数料が内包しているようなものを1000万単位でやってもらったりする。
記事に出てきた人も、いろいろな証券会社に口座を開いては、付き合い商品を購入させられている。しかし基本的に証券会社の商品は元本保証ではないので、実は相場が悪くなると、公募株の儲けなんか一気に吹き飛んでしまうような商品も多々ある。また、あまりにも上場ラッシュが続くと、需給バランスが崩れ、公募価格割れなどが起こり、上場後の方が安く買えるということもある。今その危険性が増している。
昨年とはあきらかに今年は相場が異なる。昨年は10年に1回あるぐらいかの上昇相場だった。昨年がむしろ例外と思った方がよいのだ。需給バランスが崩れて公募価格割れが続いてくると、本当に業績がいい株もいきなり下がったりする。そういう誰も見向きもしていない時期こそがチャンス。今公募株にお金をつぎ込むならちょっとお金をプールしておいて、公募価格割れ銘柄を狙うのも手。そろそろそういう時期になるような気がする。