先日、小諸市の事業選定委員会に参加してきました。
小諸市では、昨年度以上に行政の透明化を図り、住民との協働を進めるため、今年度の事業仕分けも昨年度と同様、市民判定人方式を採用したほか、事業選定は、住民から投票されたもののほか、市民仕分け人を交えた選定委員会で決定することになったのです。
仕分け対象に決まった事業は、他の自治体でもその課題が多く指摘されたものであり、市の企画課や財政課でも問題意識があったようです。おおむね良い事業が選定されたと思います。
ひとつだけ心残りだったのは、「コミュニティ助成事業」が選からもれたことですね。
この事業は、自治宝くじの収益金の一部を地域振興に役立てようとするもので、県が市町村の要望を取りまとめて、採択された事業に予算を配分します。主に教育施設、道路・橋りょう、公営住宅、社会福祉施設の建設改修費等に使われていますが、公共工事に回らない事業もあり、宝くじを買った方も、どのように使われるのかわかりにくいと思います。
小諸市では、この助成金を毎年2~3区(自治会)を対象に、区の公民館の建設などに充てているそうです。
しかし、必要に迫られて建設するものばかりではないようで、せっかくお金をもらえるのだから何か建てよう、という安易な発想になっていないか、そうだとしたら本当に危険です。建てる時は良いとして、毎年の維持管理経費や老朽化したときの対応などは、いったい誰が面倒を見るのでしょうか?
私は、「この事業を仕分け対象として、収益金の有効な使い方や、配分のあり方を市民・国民として一緒に考えても良いのでは」、と投げかけましたが、他の委員さんからは、「仕分け対象になって、廃止になったら困る。せっかくもらえるんだから、このままでよい」との意見でした。
宝くじ収益金は、まるで交付税の地域版となっているように思います。他の自治体でも同様の意見が出ました。タダでもらえるんだからもらわなければ損、施設の後年度負担など考えない、ないよりあったほうが良い程度の事業でもやってしまう・・・。
公共心とか次の世代の負担を減らそうとか言う言葉は、なかなか心に届いてくれません。この仕組みがある以上、仕方のないことなのでしょうか。
でも、この自治宝くじはそもそも地域振興が目的なのです。ならば、もっと必要なところに回したら良いのに、と思ってしまいます。
今回の大震災で多大な被害のあった自治体などへ、重点的に配分できないのでしょうか。
それに、宝くじの収益金の約45%が当せん金や手数料に、40%が地方自治体に納付され、残り15%程度が宣伝費や印刷代などに充てられているそうです。販売はみずほ銀行に委託していますが、ずっと1社独占です。契約金額の設定はどうなのでしょうか。有名な俳優さんたちも宣伝してますし、見直すことはたくさんあると思います。
宝くじ収益金を、被災した自治体へ重点的に配分して!と願わずにいられません。