読書とかいろいろ日記

読書日記を中心に、日々のあれこれを綴ります。

『犬として育てられた少年』 ブルース・D.ペリー、マイア・サラヴィッツ

2010年11月12日 | 読書日記
犬として育てられた少年 子どもの脳とトラウマ
ブル-ス・D.ペリ-,マイア・サラヴイッツ(仁木めぐみ・訳)
紀伊國屋書店

¥1,800+税 紀伊国屋書店 2010/2/1発行
ISBN978-4-314-01061-0

> ここで作家であり弁護士であるアンドリュー・ヴァクス氏の作品と現在進行中の構想に敬意を表したい。長年にわたって、ヴァクス氏は私の仕事のためにその知恵を惜しみなく提供し、導いてくれた。彼のおかげで私は適切な質問をすることができた。彼こそはこのあいまいな世界の中で揺るがない不動の指針だ。(367頁 謝辞)

ぶっちゃけ、この一文が『本の雑誌』で紹介されていたからこそ、この本を手に取ったのだ。
アンドリュー・ヴァクス。
一時期むさぼるように読んでいた。バークシリーズ。児童虐待をテーマにした骨太のハードボイルド。
登場人物が軒並み個性的で魅力的で、作者自身がまた…。



いやまあ、ヴァクスは魅力的だしヴァクスを誉めてるペリーに親近感を覚えるけどそれは本書の評価とは別の話。


> レオンは他の人が抱きしめられたり触れられたりするのを好むことは理解できたが、過去に接触への欲求を無視されていたせいで、人とのふれあいを嫌なものだと思うようになった。他の人々が人づきあいを楽しんでいるのは理解できたが、幼少期に気づかってもらえなかったせいで、他人にほとんど興味を持たなくなった。彼は人間関係というものがまったくわからないのだ。(170頁)



> 人間は自分が理解できないものを怖れる。未知のものは恐ろしいのだ。なじみがなかったり奇妙な外見や振る舞いをする人に会うと、我々はまず距離を置こうとする。時には、異質な存在を人間ではないかのように考えたりおとしめたりして、自分のほうが相手より賢く優れていると思いこむ。人種差別、年齢差別、女性嫌悪、反ユダヤ主義など、我々人類に蔓延する醜い所業の源は、脅威を感じたときに脳が起こす基本的な反応なのだ。(334頁)


> トラウマを受けた子どもの治療に必要なのに、現代社会ではなかなか手に入らないものが二つある。時間と辛抱強さだ。(361頁)

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