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『世界史の極意』 佐藤優

2015年07月19日 | 読書日記

『世界史の極意』 佐藤優
¥780+税 NHK出版(NHK出版新書) 2015/1/10発行
ISBN978-4-14-088451-5

>  言ってみれば、安倍政権は、コンビニの前でヤンキー座りをして、みんなでタバコをふかしている連中と同じです。仲間どうしでは理解しあえても、外側の世界が自分たちをどう見ているのかはわからない。アナロジカルに物事を考える訓練をしていないと、外部の世界を失ってしまうわけです。(25頁)

>  国家には暴力性が強まる時期と希薄になる時期がある。冷戦崩壊以降、経済のグローバル化が進む中で、国家の介入が薄まったのは事実です。[…]グローバル化が極端に進んだ現在は、ベクトルは国家の機能強化に向かっているのです。(53頁)

>  アメリカはヨーロッパと違って、第二次世界大戦を経てもまだ啓蒙の精神が盛んで、非合理な情念(プレモダン的な「見えない世界」)が人間を動かすという感覚をよく理解していません。そのため、啓蒙思想や合理的思考がもたらす負の帰結に対する洞察が働かず、問題は先送りされたままとなってしまったのです。(200頁)

>  ソ連型社会主義の崩壊後、資本主義国がカネに対する統制を失いつつあることを挙げましょう。社会主義という目に見える脅威が存在したときは、資本主義国は自国での革命を阻止するため、富裕層に集中する富を累進課税や法人税で吸い上げ、中下層に分配していました。しかし、共産主義国が崩壊し再分配の必要がなくなった。その結果、富が上位の何パーセントかに集中する著しい格差が資本主義国を覆っています。(227頁)

……そうか、富の再分配を国家が怠っているのは社会主義が崩壊したからなのか。


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