第80回応用物理学会秋季学術講演会に上坂GからM2の古橋が参加しました.
2日目のセッションで発表する古橋
私は前回の応用物理学会に引き続き,
プラズマCVDで合成されるa-C:H膜の構造に及ぼす高密度プラズマ化の影響について報告いたしました.
また,応用物理学会に参加するにあたり他の方の発表も聴講したのでいくつか紹介させていただきます.
1. 異なる希釈ガスを用いたRF低圧テトラメチルシランプラズマにおける電極への入射イオンの質量分析 (千葉工業大学 鈴木様)
異なる不活性ガスで希釈されたTMSガスを用いて成膜した場合に電極に入射する炭化水素イオンの測定の結果について報告されていました.
不活性ガスであるHe, Ar, Neのうち,Heを用いた場合イオン量が一番多い結果となっており,
希釈ガスによってもイオン量を大きく変化させることができると知りました.
また,オリフィスを用いた炭化水素イオンの検出方法は以前上坂先生から伺っており,
オリフィスを実際に用いて実験している方のお話を直接聞くことができ良かったです.
2. 水素化アモルファス炭素膜の構造と電気伝導特性の関係 (東京工業大学 富所様)
a-C:H膜の構造と電気伝導特性の関係性についての報告がされていました.
この報告の中で膜中の水素含有量の減少に伴い活性化エネルギーが上昇するという報告がありました.
私の別の研究テーマでは,膜中の水素含有率とsp3結合比率が相殺してダングリングボンド量に変化がみられない結果となっていました.
この結果はこの発表と異なる傾向を示しています.今回の応物の場ではその原因について判明させることができませんでしたが,
発表者の富所様に参考文献をいくつか教えていただいたので読んでたいと思います.
3. トーンバーストフローティングプローブ法によるイオンフラックスとプラズマ密度の測定 (東京電機大学 片平様)
プラズマ密度を測定する技術であるラングミュアプローブ法(LP法)にかわる手法について報告されていました.
トーンバーストフローティングプローブ法はプローブに電流を流さずに測定が行えるため,
LP法のように絶縁物がプローブにコートされ誤差が生じるようなことがないそうです.
私の研究では,イオンフラックスを試験片に流れる電流値から概算していますが,
しっかりとイオンフラックスやプラズマ密度の測定をする手法として,
PL法以外にもこのような計測方法があることを知り,勉強になりました.
今回は会場が北海道ということもありグルメを思う存分楽しんできました.
大好きないくらを器いっぱいに盛ってもらえて幸せでした.
一時間以上待って食べたジンギスカンもスープカレーも全てが美味しかったです.
次は修論にむけて頑張っていきたいと思います.
M2 古橋
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