「行くに径(こみち)に由(よ)らず」
『論語』雍也第六の十四にある。
安易な近道を選ばずに、大道を一歩一歩着実に歩むこと。
近道はちょっとした変化の魅力をもっていても、小道はやがて行き詰まりがくる。
というような意味でしょうか。
最近我が師匠は、この言葉ばかりを折に触れ口にする、ご自分が尊敬なさっている諸橋轍次先生の座右の銘なのだそうです、
30年を超す膨大で緻密な作業を経て完成にこぎつけた大漢和辞典の編纂は、まさしく「行不由径」の人生そのものだったのでしょうね。
しかし、師匠とは有り難いものです、この言葉をメモ書きして私に渡してくださる。
孔子の故郷、曲阜には何度も旅しましたが、耳を澄ますと楷樹の間を渡る風の音が
聞こえてきそうです。
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