広い広い海。
母くじらとはぐれてしまった子くじらは、
イルカと一緒に泳いでいました。
どんなに探しても、
母くじらや仲間のくじら達に会うことはできませんでした。
子くじらは、夜の月を眺めることで、
淋しさを紛らわせていました。
月の明かりは、母くじらの瞳のように優しく
子くじらを照らしていました。
子くじらは、カモメとも友達になりました。
カモメは、空や森、他の鳥から聞いたことなど、
子くじら . . . 本文を読む
かたつむりは、殻の中に雨音を大切にしまっています。
雨の降らない日は、殻の中に入って、
雨音を聞くのが楽しみでした。
これは、アジサイの葉に落ちた雨音。
これは、水溜りに弾いた雨音。
でも、今年は全然雨が降りません。
仕方なく、かたつむりは、毎日殻の中で雨音を聞いていました。
一昨日も、昨日も、今日も、雨は降りません。
かたつむりは、誰かと雨の話をしたくなりました。
のそりのそりと歩いている . . . 本文を読む
大きな大きな母くじら。
母くじらに寄り添って泳ぐ小さな子くじら。
母くじらは、いつも言います。
「お母さんから離れないように泳ぐのよ。」
ある日、海は大荒れ。
母くじらでさえ流されてしまいそうな大波です。
「お母さんから離れないように泳ぐのよ。」
母くじらも必死に泳いでいました。
長い間荒れていた海も、ようやく静けさを取り戻しました。
母くじらは一息つくと、ハッとしました。
子くじらがどこに . . . 本文を読む