労働日誌

県下の労働運動を適時配信!!

不当な権利侵害に立ち上がり要求実現へ

2015年06月27日 22時47分04秒 | 高知一般web機関紙

 年度末決算期との兼ね合いからか、3月は中旬から雇用契約の更新打ち切りでの相談からの組合加入が相次ぎました。

 更新の繰り返しによる期待権が備わってる状況下で「以前に打ち切りに了承した」「健康上の心配があった」との理由を示しますが、当人の納得の得ていない一方的かつ不都合な内容であり、実質的な解雇に等しく、人員を減らさざるを得ないような逼迫(ひっぱく)した経営状況であるなどの客観的理由が明確でありません。

 共通して、雇用主との上下関係を背景にした不安定雇用や雇用形態による退職への促し行為と見受けられます。

 他では、『藁をもすがる』心鏡にに追い込まれて、労働基準局を尋ねる・弁護士に相談する・高知県労働委員会で斡旋(あっせん)申請する等のインターネット情報に頼っての『一人で問題を解決する』傾向が見受けられます。

 そうした意味合いから宣伝行動等を通じてのアピール・労働組合に入って問題解決・要求の実現に向けての呼びかけが弱く、まだまだ浸透するに至ってないないと痛感しました。

 山積みする課題はありますが、組合加入がきっかけになって、職場から独立して核となる組合員を育て、日常的な繋がり・定期的な学習会を計画して『数の力』を構築してゆく手段への転換への理解を促していくことが求められます。


労働法制の根幹を揺るがす『残業代ゼロ法案』は撤回を求める

2015年06月27日 20時59分38秒 | 高知一般web機関紙

 安倍政権は5月3日、正式名所『日本型新裁量労働制』いわゆる『残業ゼロ制度』の新設を含む労働基準法等の大改悪法案を閣議決定して国会に提出しました。同法案は、法案要綱を審議した労働政策審議会の答申さえ「認められない」という労働者代表委員の意見が付けられたように、三者構成という基本原則を逸脱し、経営者側の主張に編重した瑕疵(かし)ある法案であり、到底容認できません。

 安倍政権では、「長時間労働を抑制するとともに、労働者が、その健康を確保しつつ、創造的な能力を発揮しながら効率的に働くことができる環境を整備する」ことを力説しますが、実際には更なる長時間労働を強いる内容です。

 労働時間短縮措置として盛られた内容は「著しい長時間労働に対する助言指導を強化するための規定の新設」「企業的単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組促進」など、極めて実効性の乏しい内容であり、撤回を強く求めます。

現行の限度基準(月45時間(中小零細企業))の法制化

 労働時間の上限規制は経営者の反対を理由に見送られたが、過労死や健康破壊が後を絶たない日本の異常な長時間労働を改善するためには、現行の限度基準(月45時間)の法制化など、労働時間の上限規制が必要不可欠です。

 同法案の最大の問題点は、『高度プロフェッショナル制度』=『ホワイトカラー・エグゼンプション』労働時間規制の適用除外制度が盛られたことです。

 安倍政権は「高収入の専門職に限定。希望者のみ」などと言い訳を強めているが、高収入だからといって、業務上の指揮・命令を受けて働く一般労働者の心身の健康をまもる労働時間規制をはずしてよいはずはありません。

 労働者に対して労働時間の裁量を保障する規定もおかず、「労働時間ではなく、成果で評価する」として、成果達成に向けた業務命令のもと、際限のない長時間労働になることは必至であり、実質的には『過労死促進法案』に他なりません。

 企画業務裁量労働制やフレックスタイム制の大幅な要件緩和も盛られました。安倍政権「企画業務型裁量労働制の見直し」というが、盛られた「課題解決型提案営業」と「裁量的にPDCAを回す業務」の内容は「企画、立案、調査及び分析という相互に関連し合う作業を組み合わせておこなうことを内容とする業務」という企画業務型の概念そのものを曖昧にし、対象労働者を大幅に拡大するものとなっています。また労働者派遣の専門業務にみられるように、グレーゾーンがうまれ、規制がはたらくなることが強く危惧されます。

労働組合・市民運動との共同して廃案に追い込みましょう

 今回の法案の本質は8時間労働制という労働者保護法制の根幹をなし崩しにするものです。労働者は無権利状態に置かれ、ますますの長時間労働に駆り立てられることは必定(ひつじょう)です。

 人間らしく働ける労働時間の短縮と雇用の安定を求める全ての労働組合、市民との共同を一層に強め、日本中をブラック企業にしかねない大改悪法案を廃案に追い込むために更なる結集を呼びかけます。


第86回メーデー高知県中央集会(高知市中央公園)

2015年06月27日 20時25分17秒 | 活動・イベント報告

 5月1日の第86回メーデー高知県中央集会は、12産別33団体から1,100名が集まり大成功しました。

 田口朝光執行委員長は主催者挨拶で、「日本は2つの意味で戦前化しつつある」として次のように訴えました。

 ①特定秘密保護法が施行され19万件が秘密指定されモノを言えぬ戦前社会への傾斜」が進み、自民党による報道への圧力と介入は度を越え、「見ざる・言わざる・聞かざる」の国民を作りだし、その先に、国家による教育統制が狙われている。

 ②戦争立法の連休明けの14日に閣議決定され国会提出が目論まれているが、憲法9条の改悪を行う前に、環境権等で国民を改憲に慣れさせておいた後に、憲法9条の改憲を行うといった「2段階改憲論」である。と述べ「2つの戦前化」を許してはならないと強調しました。

 労働法制の改悪では、「労働者派遣法の大改悪」「残業代ゼロ法案」「解雇の金銭解決法案」を『ブラック3兄弟』と表現し、「生涯派遣労働者を作り、非正規労働者を今まで以上に増やす内容であり、若者から働き甲斐と明るい未来を奪ってなならない」と批判して、労働法制の改悪の阻止に向けた更なる団結を力強く呼びかけました。

 また、「メーデーは労働者の祭典である同時に、国民的な闘いの起点である」として、「平和・民主主義を、戦争阻止・生活を守るためには、一点共闘の輪を拡大して、宗教関係者・保守層にも呼びかけて行くことが重要である」と、メーデーの闘う伝統を現在の情勢に合わせて発展させていく必要があるとしました。

 尾崎正直高知県知事、岡崎誠也高知県市長からメッセージが寄せられ、製造業・流通業・教職員・保育士等を含む7つの労組の代表者から職場実態と共に、労働問題が紹介され、力強い決意がなされました。

 集会終了後は、デモ行進を行い、その後に高知城ホールにおいて懇親会が開催されました。