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労働法制の根幹を揺るがす『残業代ゼロ法案』は撤回を求める

2015年06月27日 20時59分38秒 | 高知一般web機関紙

 安倍政権は5月3日、正式名所『日本型新裁量労働制』いわゆる『残業ゼロ制度』の新設を含む労働基準法等の大改悪法案を閣議決定して国会に提出しました。同法案は、法案要綱を審議した労働政策審議会の答申さえ「認められない」という労働者代表委員の意見が付けられたように、三者構成という基本原則を逸脱し、経営者側の主張に編重した瑕疵(かし)ある法案であり、到底容認できません。

 安倍政権では、「長時間労働を抑制するとともに、労働者が、その健康を確保しつつ、創造的な能力を発揮しながら効率的に働くことができる環境を整備する」ことを力説しますが、実際には更なる長時間労働を強いる内容です。

 労働時間短縮措置として盛られた内容は「著しい長時間労働に対する助言指導を強化するための規定の新設」「企業的単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組促進」など、極めて実効性の乏しい内容であり、撤回を強く求めます。

現行の限度基準(月45時間(中小零細企業))の法制化

 労働時間の上限規制は経営者の反対を理由に見送られたが、過労死や健康破壊が後を絶たない日本の異常な長時間労働を改善するためには、現行の限度基準(月45時間)の法制化など、労働時間の上限規制が必要不可欠です。

 同法案の最大の問題点は、『高度プロフェッショナル制度』=『ホワイトカラー・エグゼンプション』労働時間規制の適用除外制度が盛られたことです。

 安倍政権は「高収入の専門職に限定。希望者のみ」などと言い訳を強めているが、高収入だからといって、業務上の指揮・命令を受けて働く一般労働者の心身の健康をまもる労働時間規制をはずしてよいはずはありません。

 労働者に対して労働時間の裁量を保障する規定もおかず、「労働時間ではなく、成果で評価する」として、成果達成に向けた業務命令のもと、際限のない長時間労働になることは必至であり、実質的には『過労死促進法案』に他なりません。

 企画業務裁量労働制やフレックスタイム制の大幅な要件緩和も盛られました。安倍政権「企画業務型裁量労働制の見直し」というが、盛られた「課題解決型提案営業」と「裁量的にPDCAを回す業務」の内容は「企画、立案、調査及び分析という相互に関連し合う作業を組み合わせておこなうことを内容とする業務」という企画業務型の概念そのものを曖昧にし、対象労働者を大幅に拡大するものとなっています。また労働者派遣の専門業務にみられるように、グレーゾーンがうまれ、規制がはたらくなることが強く危惧されます。

労働組合・市民運動との共同して廃案に追い込みましょう

 今回の法案の本質は8時間労働制という労働者保護法制の根幹をなし崩しにするものです。労働者は無権利状態に置かれ、ますますの長時間労働に駆り立てられることは必定(ひつじょう)です。

 人間らしく働ける労働時間の短縮と雇用の安定を求める全ての労働組合、市民との共同を一層に強め、日本中をブラック企業にしかねない大改悪法案を廃案に追い込むために更なる結集を呼びかけます。


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