勾配エコー法の解説は,まだまだ終わったわけではありません.そう簡単ではないのです.
勾配エコー法(この日本語自体,たいへんマイナーな言葉で,多くの日本語の文献ではグラジエントエコー法と呼ばれています:傾斜エコー法はもっと少ない)の理解には,いくつかの方法があります.また,勾配エコー法の理解には,定常状態ばかりでなく,初期状態から定常状態への変化も追う必要があります.
初期状態から定常状態への変化は,4月13日と14日に示したように,核磁化の分布を,計算機シミュレーションで追いかける方法があります.ただし,これでは,核磁化の全体を直感的に把握するのは困難です.
そこで,核磁化の動きを直感的に理解する手法である,spin phase diagram(スピン位相図)という手法を紹介しましょう.
これを理解するためには,まず,3個のRFパルスによる,stimulated echoを知る必要があります.その紹介は,また明日.