見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

細分化された消費税率

2007-11-21 20:00:10 | ポルトガル
ポルトガルの消費税区分の細かさに驚いている。

欧州では、スーパーやレストランの支払いの際、打ち出されるレシートに消費税が明記され、自分の支払った消費税額と各品目の税率が一目でわかるようになっている国が少なくない。
日本の消費税率は品目にかかわらず5%と一律だが、欧州各国では、・食料品・外食等サービス・生活用品・運賃・アルコール類・入場料、など品目別に税率が2~3段階に区分されている。

これまで訪問した国の中で最も消費税率が高いのが、スウェーデンの生活用品、外食に課せられる25%だが、運賃は6%、食品類は12%と区分されている。

どの国でも共通しているのは、基本的な食品類が低率で、日用品等物品やアルコールは高率の傾向にある。レストランなどでの外食費の扱いは国によって様々。ドイツでは食料品と同様の7%であるが、チェコはアルコールや日用品と同様の19%、スペインではアルコールと同様の16%である。



さて、今滞在しているポルトガルだが、食料品でも加工品と農産物では差があり、食堂でもメニューによって税率が区別されている。それらは、支払いの際に渡されるレシートに明確に表記されている場合が多いのだが、驚くほど区分が細かい。
レジデンス管理人のソフィアに、消費税の区分について聞いてみたのだが、彼女も説明しながら「複雑なので、分かり易く説明しにくいわ」と言って笑った。

例えば、加工していない農産物(生鮮野菜、くだもの、肉等)は5%で、加工して缶詰になったトマトは12%。惣菜は21%。さらに、パンでも、食パンと味のついた菓子パンでは、5%と21%と、極端に税率が異なる。
鮮魚も複雑だ。。一般的な魚介類は5%だが、エビが21%。
ソフィアは「エビは贅沢品だから。それに輸入に頼る品でしょ」と言った。タコやイカは5%である。ワイン税率12%でビールは21%。

<パンだけ5%の表示>

説明に苦労しながらソフィアが「輸入品は税率が高い」と言うので、ワインでも輸入ワインと国内産とは税率が異なるのかと聞いたところ、彼女はしばらく考えて言った「輸入ワインなんて買ったことがないからわからないわ。だって、ポルトガルは国内産で美味しいワインがたくさんあるのだから、輸入品を置いてある店なんてあまりないわよ」なるほど、ラゴスは豊かな町である。

これほど小刻みに区別している国は初めてだ。いや、もしかすると今までは無頓着で気付かなかっただけだろうか。
ソフィアは「複雑なので、説明しきれない」と話しを終えてしまったが、この判断基準は、ドイツ語やフランス語の女性名詞、男性名詞の区別に匹敵するほど興味深い。しばらく、レシートに打たれる税率と品目に注目してみたい。

コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 地域の人々の憩いの活動 | トップ | タイルの壁の街、リスボンへ »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お久しぶりです。 (八方)
2007-11-24 18:34:58
こんばんわ。
消費税で大衆品目は安く、嗜好品は高くすることは有用ですね。
誰がどのような形で税を負担するかは重要ですね。

現在、世界ではサブプライムローンについて騒がれています。
サブプライム関連以外の銘柄も影響を受けており、P&GやJ&Jなどは購入するのに良い機会と思います。
株価は購入するときに捨てる資金です。
変わりに株式の価値を手に入れます。
株式の価値が増加する限り、運命を共にするのがよろしいと思います。
返信する
株価と為替レート (ワイン)
2007-11-25 07:43:22
八方さん、お久しぶりです。お元気そうですが、仕事も順調なのですね。日本でも消費税についての議論が出てはいるようですが、一律の消費税率は再考すべきと思います。
今、ユーロ世界を歩いていると、為替レートが気になります。米ドルよりユーロが強いですね。株価も連動しているので世界経済を総合的に見る目が欲しいと痛感します。まだまだ勉強不足です。
返信する
外貨 (八方)
2007-11-25 18:14:38
米ドルは落ちていく運命です。
米国のグローバル企業は売り上げが通貨バスケットになっているため、新興国の成長も取り込めます。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ポルトガル」カテゴリの最新記事