見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

迷路のメディナと喧騒のスーク

2007-11-05 19:16:00 | モロッコ
アラブの国によく見られる混然としたメディナ(旧市街)。モロッコの多くの街に見られるメディナは、7世紀にアラブ人が侵入してきた時に作られた。
丘の上につくられたメディナも多く、起伏のある坂に狭い路地や階段が迷路のように入り組む。
輸送の担い手は小柄なロバ。人がやっとすれ違えるほどの道を、重い荷物を積んだロバや荷車を引いた男たちや買い物袋を両手に抱えた女性たちが行き交う。
城壁の中には、住宅や商店ばかりでなく、銀行や工房や学校や・・・普通の街にあるもの全てが軒と壁を連ねてぎっしりと詰まっている。
食べ物屋やみやげ物屋の並ぶスーク(商店街)を歩くと、幼い頃に祭りの夜店をひとつひとつ渡り歩いたときのような高揚した気持ちに包まれる。

「いいですか、万が一はぐれたら、私を探し歩かずにその場でじっと待っていてください。明日の朝には迎えに来ますから。でも、今夜はホテルの柔らかなベッドの上で眠りたいという方は、決して自分勝手な行動をとらずに私に付いてきてください。」ガイドのジョナさんは、フェズのメディナの入り口に全員を集め、念を押した。すでに危ない人が数人、参加者にいることを彼はわかっている。

メディナの雑踏に迷い込み、一日、目の前を通りすぎる人々を見ていたいが、行き交う人々の邪魔になることは間違いない。メディナ、「預言者の町」。



↑多くのメディナは高い城壁に囲まれ、外敵から守られている


↑所狭しと商品を吊るし、並べる商店


↑鉄の窯ボウルで、クレープ状のパンを焼く


↑細かい細工の入った工芸品の店で値切り交渉を始めると、時間がいくらあっても足りない。


↑狭い路地の奥にあるパン焼き釜。扁平のアラビアパンは、中がふっくらしっとりしてとても美味。現地の人たちは、間に焼肉や野菜を挟んで食べたりもする。一個7円。


↑ジェラバ(フード付きの上衣)を着て髭を生やした商人が、「ジェラバはどう?お土産にぴったりだよ」と何度も声をかけてくる。


↑スーク(商店街)は、同業種がまとまって立並ぶ。魚屋界隈で一番丁寧に魚が並べられていた店。


↑靴下や女性の下着などの日用品も壁に上手にディスプレイされる。


↑銀行。メディナに並ぶ家の壁は素っ気無いが、一歩建物の中に入ると色彩豊かなタイルのインテリアで飾られているものが多い。


↑大きな研ぎ石を手で回しながら包丁を研ぐ。


↑目の前を重そうな荷物を載せてロバが通り過ぎる


↑メディナの建物の谷間にある革なめし工房。はがされた羊や牛の革を円形の水槽で洗い干す。革や羊毛をターメリックやヘナなどの天然の染色剤で染め上げる水槽もある。臭いがきいので、見学時には新鮮なミント草の束を渡され鼻に当てるよう促された。


↑フェズのメディナを取り囲む城壁は丘の起伏に合わせて頑強にできている。


↑城壁の外から見たフェズのメディナ。迷子になったら出てくるのが難しいほど広い。


↑タンジェのメディナ上部にある住居街。ジブラルタル海峡に面するタンジェの街は、スペイン文化の影響も大きい。


↑夜のメディナはオレンジ色の電燈が各所で点灯し、白い壁を幻想的に浮き上がらせる。


↑タンジェのメディナはこじんまりとまとまっている。岸壁沿いにカスバ(城塞)が併設されたメディナだ。
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