見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

活動リーダーに求められるもの

2007-03-16 23:30:14 | 仕事・職業
まちづくりに熱意ある人々の会食会に招かれた。若い大学講師一人を除くと、全員がそれぞれ異なる活動を展開するまちづくりの旗手たちだ。

「今、どうしても行き詰まりを感じるんだ」と中心街で美味しいランチを提供するカフェのマスターが言う。「行政も市民も議員もまちづくりを唱えるが、中心街の総合ビジョンやイメージを明確に示さない。古いビルの保存や花の育成など、個々の事業に囚われているから全体が見えなくなる。ボクもやれることはやってきたが、何をやっても限界に突き当たる。その先のビジョンが見えなくなってしまった。全体を俯瞰した将来のまちづくりの姿を語れるリーダーが必要だと思わないか」と、香り高いメルローで何度目かの乾杯をしながら、マスターは集まった人たちに問う。

リーダーが必要なんだ。そうだ、ビジョンを示せる人が必要だ。思いのある団体や個人をネットワーク化し、結集した力にするリーダーだ。

・・・と盛り上がった後、「じゃあ、誰に白羽の矢を立てるか」で一瞬間が空き、みんなが口火を切る「だれか」を待つ。しばらくして、「オレは、あの人はどうかと思う」と控えめにだれかが言った。

「わかった。Aさんでしょう」とすかさず反応したのは、この街で開業して10年になる旅を愛する女性。
誰を代表に選ぶかの議論は、代表に何を求めるかの違いによって白熱する。
「Aさんはちょっと・・・」「知名度もあるし最適」「彼は敵を作らないし、みんなに好かれているが」「最高だ」「でも、ビジョンを示すことはできないのでは」「まちづくりの代表は、万人受けする人がいい」「自ら動く人でないと」「外部に対する存在感があれば」「それだけでは一緒に動く者の負担が大きい」・・・なるほどの議論が続く。

ロハスなまちづくりを推進することについては異論の出ない人々なのだが、各論に踏み込むと、様々な異論が交差する。一緒に創り上げようとする意識が支え、異論は口論に逸れることなく相手を説得しようとする努力が頼もしい。
しかし、最も要となるリーダーに求める資質に違いが見えると、なかなか厄介でもある。



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