見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

ヒグマ警報

2008-07-31 23:43:07 | 北海道の風景
このまちには、災害情報用の有線が各家庭に備え付けられていて、時おり、様々な警戒情報が流れてくる。

先日は、「姉別の道路上をヒグマが歩いていたという情報がはいりました。」とジングル音の後に、若い男性の声でアナウンスがあった。
いつも同じ声なので、町役場の担当者なのかもしれない。

クマの出没情報を有線で聞くのは初めてだった。
以前住んでいたところでもクマ(信州ではツキノワグマ)がリンゴを食べに里に下りてきて、子どもの登下校時には親に送り迎えしてもらうという時期があった。
猟友会にも協力を得て、警戒したりしていた。
クマに罪はないが、時に人間が傷ついたり、命を落としたりするので厄介だ。

クマが歩いていたという「姉別」がここから近いのか遠いのかわからない。
北海道にはアイヌ語を漢字に当てはめた地名が多いが、「別」は「川」のこと。
別のつく地名が多いのは、北海道に川が多いためだ。
ヒグマが歩くのは餌を探しているからだろうか。



昨日、PCに向っていると、ティから電話が入った。
「今、職場のアイさんが、家の近くの路上をクマが歩いている姿を目撃したって連絡してくれたから、気をつけて。林道付近を出歩かないようにして」と。
林道は唯一の生活道路なので、そこを避けるということは家に籠っている、ということだ。

ここからわずか数百メートルの山林にヒグマの住居があるらしい。
家の前の林道を500メートルほど走って一般道路に出た辺りにヒグマ注意の看板が常設されている。
北海道各所にあるシカの飛び出し注意を呼びかける標識は立派なスチール製だが、ヒグマ注意の看板は、ベニヤ板にヒグマのカラーイラストを貼り付け、役場名を入れた簡易なもの。役場名が入り、いやに現実的で迫るものがある。
一説には、この近くにある海産物の廃棄場所を狙ってヒグマが歩くのだとか。

ヒグマの怖さは出会ってみないとわからないが、
ここに来る宅配業者や郵便局員が真剣な顔をして異口同音に「クマは大丈夫ですか」と聞く。
単なる挨拶なのか、本当に危ないのか、判断に困っていると、
「出会ったら、決して後ろを向いて逃げないで、クマの目をじっと見て、にらめっこをしながら、ゆっくり後ずさりしてくださいね」
と郵便配達員のYさんが出会った時の対応法を伝授してくださった。


今日、首都圏から遊びに来る友人たちをJR駅に迎えに行くとき、
クマ警戒看板の下に、昨日の出没情報がしっかり貼られていた。
目撃情報があったときは、役場の担当者が逐次貼り付けるのだそうだ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« キーホルダー式のカード | トップ | 漁師の豪快料理「ちゃんちゃ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

北海道の風景」カテゴリの最新記事