市民の直接選挙でなく、議員選挙後に最大会派が会派議員から市長を指名する自治体が少なくないことを知った。
オーデンセ市庁舎の見学で議会の本会議場に案内されたとき、その円形テーブルに感動した。「まるでアーサー王の円卓の騎士みたいですね」とガイドの女性に話しかけると「自由と平等が基本の民主主義の議場ですからね」と嬉しそうに応えた。
しかし、市の理事者と議員とはどんな座席編成で座るのだろうか。まさか入り混じって座るのではあるまい。いくつかの疑問が湧き出てきて、ガイドに問いかけたのだが、その答えが納得できない。質問と答えがかみ合わないのだ。
「市の理事者はどこに座るのですか」と聞くと、円形テーブル全体を指して、「ここに座ります」「???」
「それでは、議員はどんな座席順なのですか」と聞くと、再び円形テーブル全体を指して、「会派毎に順番に座ります。席は議員数の29席あるでしょ」「???」
「えっと、では、市長はどこに座るのですか」と聞くと、円形テーブルの中でそれらしき特別の様相をした椅子を示した。
あれ?その席は、議員の数に含まれている。わけがわからない。
私の知っている市議会では市の三役と部長級職員(理事者)が議長席側に座り、対面に議員が座って対峙する。ここでは議席も数があわない。何かが変だ。
英語の語彙が貧弱なためか、話がかみ合わない。が、やがて理解したことは、ガイドの女性の言っている「市の理事者」は「議員」を指し、「市の職員」は「市民の召使」という英語で表現しているということであった。
つまり、円形テーブルに座るのは全員が議員で、市の職員は円形テーブルから離れた部屋の脇の手すりで仕切られた席に座る。そして、その市の理事者たる議員が座る円形テーブルには市長と副市長も座っているということなのだった。
ツアー終了後、さらに追求してわかったことは、私が自分の経験の枠の中だけで言葉を捉えていたので、彼女の言葉を誤解していたということだ。
つまり、市長は議員なのだ。
オーデンセ市の市議会議員選挙は、会派投票と立候補者投票の混合で行われる、多くの会派は、「もし最大会派になったときは、○○さんを市長に指名して市政を運営する」というように公約して選挙に望むという。
私の知っている限りの日本の自治体では、市長と議員はまったく別の選挙であり、市の理事者とは市の幹部職員と三役を指す。オーデンセ市では、市の理事者は、市民に直接選挙で選らばれた議員なのである。
最大会派は、戦略的に副市長を別の会派から選出したりする。議員がそうであるように、副市長もフルタイムとパートタイムがおり、それぞれ特定の部局の長を兼任することもあるという。
なるほど。
ある市議会議員が以前「議員が何を言っても、市の理事者が決めたことをくつがえすことは難しい。増して、議員が政策をつくり、実行につなげることはもっと難しい。議員は苦情を言ったり、要望を出すだけ、空しい。」と吐露していた。
この北欧オーデンセ市の手法は、多くの北欧都市が採用しているものなのかもしれない。恥ずかしいことに初めて知る市政運営システムだが、その詳細や利点をさらに知りたくなった。
議会棟前に掲示されている議員の座席紹介
市の職員の席は、手前の手すりの中
オーデンセ市庁舎の見学で議会の本会議場に案内されたとき、その円形テーブルに感動した。「まるでアーサー王の円卓の騎士みたいですね」とガイドの女性に話しかけると「自由と平等が基本の民主主義の議場ですからね」と嬉しそうに応えた。
しかし、市の理事者と議員とはどんな座席編成で座るのだろうか。まさか入り混じって座るのではあるまい。いくつかの疑問が湧き出てきて、ガイドに問いかけたのだが、その答えが納得できない。質問と答えがかみ合わないのだ。
「市の理事者はどこに座るのですか」と聞くと、円形テーブル全体を指して、「ここに座ります」「???」
「それでは、議員はどんな座席順なのですか」と聞くと、再び円形テーブル全体を指して、「会派毎に順番に座ります。席は議員数の29席あるでしょ」「???」
「えっと、では、市長はどこに座るのですか」と聞くと、円形テーブルの中でそれらしき特別の様相をした椅子を示した。
あれ?その席は、議員の数に含まれている。わけがわからない。
私の知っている市議会では市の三役と部長級職員(理事者)が議長席側に座り、対面に議員が座って対峙する。ここでは議席も数があわない。何かが変だ。
英語の語彙が貧弱なためか、話がかみ合わない。が、やがて理解したことは、ガイドの女性の言っている「市の理事者」は「議員」を指し、「市の職員」は「市民の召使」という英語で表現しているということであった。
つまり、円形テーブルに座るのは全員が議員で、市の職員は円形テーブルから離れた部屋の脇の手すりで仕切られた席に座る。そして、その市の理事者たる議員が座る円形テーブルには市長と副市長も座っているということなのだった。
ツアー終了後、さらに追求してわかったことは、私が自分の経験の枠の中だけで言葉を捉えていたので、彼女の言葉を誤解していたということだ。
つまり、市長は議員なのだ。
オーデンセ市の市議会議員選挙は、会派投票と立候補者投票の混合で行われる、多くの会派は、「もし最大会派になったときは、○○さんを市長に指名して市政を運営する」というように公約して選挙に望むという。
私の知っている限りの日本の自治体では、市長と議員はまったく別の選挙であり、市の理事者とは市の幹部職員と三役を指す。オーデンセ市では、市の理事者は、市民に直接選挙で選らばれた議員なのである。
最大会派は、戦略的に副市長を別の会派から選出したりする。議員がそうであるように、副市長もフルタイムとパートタイムがおり、それぞれ特定の部局の長を兼任することもあるという。
なるほど。
ある市議会議員が以前「議員が何を言っても、市の理事者が決めたことをくつがえすことは難しい。増して、議員が政策をつくり、実行につなげることはもっと難しい。議員は苦情を言ったり、要望を出すだけ、空しい。」と吐露していた。
この北欧オーデンセ市の手法は、多くの北欧都市が採用しているものなのかもしれない。恥ずかしいことに初めて知る市政運営システムだが、その詳細や利点をさらに知りたくなった。
議会棟前に掲示されている議員の座席紹介
市の職員の席は、手前の手すりの中