コニタス

書き留めておくほど重くはないけれど、忘れてしまうと悔いが残るような日々の想い。
気分の流れが見えるかな。


別の理由

2010-04-03 09:52:25 | 
4/2に新2年生のコース決定面接がありました。
欠席者もいましたが、日文中文あわせて30人。
景気のいい話です。

でも、面接していて、コイツは来年以降コニ研に来るな、と思えた人はやっぱりゼロ。微妙な感じはいるにはいるけども。
去年1年間のつきあいで、今年は2人くらいはそれらしいことを言うかなと、実は多少期待してたんだけどやっぱりいざとなるとシビアだなぁ。
“敬遠”なのか“嫌悪”なのか、避けられてるのか他が魅力的過ぎるのかは不問にしておくとして、不人気なのは事実です。

で、それは認めるんだけれど、それだけじゃないようだな、と。

それにしても、「現代文学の研究」と言い、作家名を言う人の多い現状には、なんだか無力感。
で、来なくて良いよ、と思ってしまう。

今回は、出版社に就職したい、と言う人が目立ったんだけれど、だったらなおのこと、学生時代は古典をしっかり学んだ方が良いと思うんだけどねぇ。

とにかく絶望的な気分にさせられるのは、古典古文を全然読んでないということ。
「源氏」や「平家」はそこそこいるし、「古事記」を読破したという強者も居るには居るんだけれど、近世は教科書に載っている和歌程度。
一番豊穣な部分(だと私が思っている)は教科書にも載らないし、一生触れないままなんだろうな。
それで、なんの損にもならないから、構わないんですけどね。

でも、前にも書いたかも知れないけれど、編集者目指すんだったら、江戸の方法をきっちり学んでおかないともったいない、とは思う。
学ばないと損だ、とまでは言わないけれど、学ぶとトクだ、というのははっきり言える。
私の色々のかなりの部分は、多分江戸仕込みだ。
研究対象であると同時に、それを真似ることで今の私がある。

そう言うことを知るチャンスがないままなんだと言うことが、日本文化専攻としてどうしようもなく悲しい。


ここで、もっと前に書こうと思って放置している話題をちょっとだけ頭出ししておこう。

この半年くらい、浮世絵の展示会が空前の活況なんだけれど、mixiでも、ブログでも、その意義を精確に照射した記事を見たことがない(細かく検索してませんので文字通り“管見”ですが)。
それは、浮世絵というメディアが、相変わらず“芸術”に押し込められたままなんだと言うことだと思う。


補助線として、ボルゲーゼ美術館展を置いてみると解りやすいかも知れない。

ルネサンスからバロックへ、そして近代前夜、ヨーロッパの絵画は、聖書の呪縛から逃れ、表現そのものを求めて動いてきたように見える(微妙に解説に頼りつつ、多いに誤解してるかも知れないけれど)。実際には、聖書が消えたわけではないんだけれど、少なくとも、読むための絵から見るための絵になってきたことは理解できる。

浮世絵は、西洋人によって発見されて、アートになった。
そう簡単に言い切れないことも、暮れの展示会でちゃんと示されていたんだけれど、西洋人と、西洋人に評価をゆだねてしまう日本の近代知識人たちによって、浮世絵が、“ただの芸術品”になってしまったのは、確かなことだ。
西洋人にとっては、聖書や神話と言った“大きな物語”は、どんな表現の裏側にも当たり前にこびりついている。
日本絵画も、中国の画題を含め、豊かな物語が付随していたんだけれど、多くの現代人にとって、そう言う情報は全部消去されている。

現代日本人の生活に根ざしていない物語は、学ぶことによってしか継承できなくなってしまった。
それは、そうなるしかなかった歴史の必然なのだろうけれど。


そこに豊かな泉があるのに気づかないのは本当にもったいない。
僭越を承知で言うけれど、私は、それを――限定的ではあるけれど――伝えることが出来る。

今の2年生、3年生には、少し面白い学生もいるので、多少“勧誘”しようかなぁとも。

あぁ、でも新歓コンパは欠席です。
だからダメなんだよね。

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2 コメント

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Unknown (I.M)
2010-04-03 23:49:55
確かに、編集とか作家志望なら、去年の南部公民館「職業作家の誕生~売れる本と言うこと
」を逃したのは残念だったろうにと思います。編集に限らず、デザインにしろ「お笑い」にしろ、「あら、江戸時代からあったのね」ということを教えてもらうと、今、各業界で活躍している人たちは実は古典が元ネタというもの多いのじゃないか、とか。

浮世絵は、歌舞伎や文楽を知っていればもっと楽しく見られるのだろうなと思い、ということは当時の人々にとって歌舞伎や文楽が「日常」だったということですよね。そして「くずし字」も普通に読めていたわけで。
やっぱり現代の私たちは、ここらへんは、学ばなければ分からないんですよね。
学べば、めちゃくちゃ面白い。そして江戸から近代、現代に移るなかで「手放してしまったもの」にも気付いたり。

本当に、こういうことを学生時代に学べたら大きな財産になるでしょうね。
40過ぎてから学んでも十分楽しめるけれど。
そうそう (こにた)
2010-04-03 23:56:28
「職業作家の誕生」は、文学史の授業でやります。
これで、面白い、と思える学生がちょっとでも出てくればしめたものですね。
でも、こういう授業は文学史じゃなくて各論でやれ、とか言われそう。

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