明るい希望をもって常に晴れ晴れした気持で生活することは若さを保つ秘訣(ひけつ)である。明るい希望をもつのはよいが、人を傷つけ又は倒して自分の虚栄心(きょえいしん)や利欲を満足せしめようとする野心はよくない。利己的野心はそれだけ陋(いや)しい形の皺(しわ)を表情に刻むことになるのである。芝居やテレビを見ていると、悪人が仲間同士で善人を倒すべく相談して互いに頷(うなず)き合うときなどの表情が、どんなに醜(みにく)いものであるかがわかるのである。常にそのような表情を頻繁(ひんぱん)にしていると、何も考えないときでも、自分の顔面の表情が、いつも習慣的にそのように悪相を呈(てい)して来る。悪相を呈して来たら、もうその人は美貌ではないのである。
常に間断なく動いて流るる水は腐(くさ)らない。年齢は既に六十歳を超えるとも、間断なく仕事をして精神を積極的にはたらかしている者は、体力においても、容貌においても老いることが少い。動かさない関節(かんせつ)は硬化(こうか)して曲らなくなるように動かせない筋肉は硬化(こうか)して速(すみや)かに老衰する。「こんなに年老いてからまで働かねばならぬのか、詰(つま)らない」と不平不満足の心を起して働いているのでは、若返りどころか、却(かえ)って老衰の原因になるのである。
谷口雅春先生の【新版女性の365章】
第五項・あなたが長く若く美しくあるために
161ページ 明るい希望が若さを保つ より
精神を積極的に働かしている者は、体力も容貌も老いることが少ないと書いてあります。様々な事に関心を持っていきたいです。