子狸のトウモロコシ畑のみかと思っていたら、現実は厳しかった。真夏となった暑さにもめげず、機嫌良く出勤した「百姓候補生」氏のがっくりとうな垂れた姿が・・・・・。聞けば、彼のトウモロコシ畑も襲撃された模様で、荒れ果てたトウモロコシの残骸が横たわっていた。覗いてみると状況は同様で、茎はなぎ倒され、実は食い荒らされ、走り回った痕跡も。どうやら子狸のトウモロコシ畑を襲撃した一団が、そのまま彼の畑も襲ったようだ。距離的にも近いので、当然ながら宝の山に見えたのだろう。連中にしてみれば、片手間仕事かもしれないが、農家にとっては死活問題だ。商品として栽培している農家なら、売り物が無くなってしまうのだから。幸か不幸か、自家用での栽培なのでそこまでの被害は無いが、当てにしたトウモロコシの楽しみが消え去ってしまった。彼は微かに残った被害を受けてない実(画像下段)を愛おしそうに収穫していた。食べれる状況かどうか不明だが、今年の作品として持ち帰るようだ。家族で大事に眺めて楽しむのかも知れない。
害獣の被害が大きく各地での取り組みも伝え聞くが、効果的な手法も無いようだ。当地ではまだしもイノシシ被害が少なく(存在はしている)、アライグマやハクビシンそれに時折タヌキ等が中心だ。体型が小さいだけにシシ被害に比べたらマシなのだろう。専門家の話を聞けば、畑に作物を放置しないこと、動物の潜み場となるヤブを刈り取ること、人間の怖さを思い知らせる事、等々を繰り返すしか無いようだ。とりわけ放棄地や廃村等に残された果樹が、害獣達のエサ場となってる模様だ。動物の襲撃は、彼らが襲っているのでは無く人間が招き寄せているのだ、との指摘は傾聴に値するかも。我々が森の果樹園で再生活動を行ってるのも、害獣被害の予防線とは成っているのだろう。
例の「百姓候補生」氏、惨憺たる結果を見て、もうトウモロコシは栽培しないと宣った。大きな被害を受けてそうなるのも当然かとは思うが、トウモロコシは貴重な食材、しかも美味しい産物と来ている。諦めないで何とか栽培に挑んで欲しいと願うのだが。かくいう子狸も、あまりの負けっぷりに提言の仕様も無いが、何とか工夫を講じたいと密かに願っている。