ロシアの北都 サンクトペテルブルク紀行

2005年秋から留学する、ロシアのサンクトペテルブルク(旧レニングラード)での毎日を記します。

シベリア鉄道の旅-ウラジヴォストークまで1万円-

2006-02-21 22:48:55 | Weblog
2006年02月20日
ロシア滞在通算162日目
【今日の写真:露店で品定めをする人々。バシレオストラフスカヤ駅前にて。】

今日の主な動き
09:25 出かける
09:32 マヤコフスカヤ駅
  メトロ マヤコフスカヤ(09:40)→バシレオストラフスカヤ(09:47)
10:06 学校
13:00 6番通りの文房具屋
13:15 バシレオストラフスカヤ駅前のマック
  187番のバス バシレオストラフスカヤ駅(13:43)→カザン聖堂前(14:04)
14:07頃 日本センター
16:30頃 カザン聖堂側の列車予約センター
17:43 ネフスキー大通りの本屋 ”Дом Книги”
18:15頃 帰宅

 新しいクラスに入って約1週間近く。
 今日私が後ろの席に座っていると、トルコ人の男子学生が休憩時間の後、「どうしてそんなところにいる?ここに来い。」と、空いていた一番前の、自分の隣の席をすすめてくれた。初めて話す人だったが、とてもフレンドリーな学生だった。
 クラスの他の人々も、各々の発言に笑いあり、突っ込みありでとても面白い。今まで韓国、台湾人しかいないクラスにいたが、今のクラスはトルコ、フランス、イタリア(?)など学生の国籍も様々。前のクラスに比べて活発で、その場にいるだけで楽しいが、私も負けないようにいろいろ発言しなければならないなと思うところだ。

 今日は夕方に予約センターへ行き、先週土曜に端末の不具合で未遂に終わった、モスクワまでの全列車料金調査を実行する。今回は端末のご機嫌が非常に良く、快適。次々に列車を検索しては、その画面表示を、解像度を約100万画素まで下げたデジカメで接写。これでデータが入手できると満足していたところ、日によって臨時列車があったり、空席がない列車の料金は表示されなかったりと、ところどころに穴があることが判明。臨時も含めてあくまで「全列車」の調査をしたかった私は、だんだん飽きてきた。

 退屈になってきたので、ふらっと2階の国際列車予約コーナーへ行って掲示板を眺めていると、一枚の貼り紙が目にとまった。その紙には端末では検索できない(検索しても0.0ルーブルとなる)、国際列車の料金が一覧になっていた。
 それを見ていて、あることに気づいた。ベルリンやワルシャワなど、西へ向かう列車はペテルブルクからも出ているが、ウラジヴォストークやハバロフスク、ウランバートルや北京など、シベリア鉄道経由で東へ向かう列車は全てモスクワから出ているのだ。かねてからシベリア鉄道の時刻を知りたかったのだが、いくら検索をかけても出てこなかったため、特別な列車だから端末では表示できないのかなと諦めていた。が、端末で検索する際は始発駅をモスクワに設定してから目的地を入力しなければならなかったのだ。今までなぜこんなことに気づかなかったのか分からないが、そうと分かれば嬉しくなって、早速端末で東へ向かう列車を調べてみた。
 この端末、当然のことながら一文字でもスペルミスをすると受け付けてくれないという、ロシア語にとても忠実なマシン。地名を入力する際はスペルに気をつかうが、日本語読みで記憶している地名だと、「あれ、どう綴るんだっけ?」と迷うこともしばしば。ともあれ、モスクワ始発で適当にウファ、ノボシビルスク、ハバロフスク、ビシュケクなど、ロシアや中央アジアの地名を入力していくと、ぞろぞろと列車が表示されてきた。所要時間や距離も表示されるので面白くてたまらなくなり、ついつい遊んでしまう。

 気になるシベリア鉄道、ウラジヴォストークまでの列車を検索すると、3本の列車が出てきた。うち1本は所要時間が他の2本に比べてやたら長い(約220時間)うえ、座席表示が出なかったので、どうやら旅客用ではなさそう。
 他の2本は、44列車(モスクワ発00:35 所要167時間23分 ウラジヴォストーク着23:58 奇数日運転)と2列車(モスクワ発21:20 所要148時間47分 ウラジヴォストーク着02:07 奇数日運転)。所要167時間とか148時間というのに最初は驚いたが、24で除して日数に換算すれば6,7日。約1週間だと思えばやたら長いわけでもない。
 ちなみに距離は44列車が9300km、2列車が9259kmとの表示が出ていた。経路によって若干異なるのだろうが、シベリア鉄道はこれくらいの距離があるらしい。これをもとに表定速度を算出してみると、44列車、2列車それぞれ55.6km/h、62.2km/h。

 気になる料金だが、2列車のほうから調べてみた。デラックス車両もあるらしく、モスクワからウラジヴォストークまでデラックスだと19017.90ルーブル。クッペ(4人用個室寝台)は8829.40ルーブルと10239.40ルーブルの2種類の料金設定があった。約4万円から8万円といったところで、やや安いか、妥当といったところ。
 ところが、次に44列車を調べて唖然とした。こちらは個室ではない寝台だったが、表示された金額は2526.00ルーブル。日本円にして1万円ちょっと。あまりに安すぎる。間違いないかどうか区間を再度確認したが、モスクワからウラジヴォストークまで、確かに2526.00ルーブルと表示されていた。さすが鉄道王国ロシア。

 端末から44列車の詳しい時刻表を接写し、帰宅後、その時刻表をもとに地図でシベリア鉄道をたどってみた。

 モスクワ、ヤロスラブリ駅を深夜0時35分に発車する列車は進路を北東にとり、モスクワとヴォログダのおよそ中間に位置する町ヤロスラブリ(1日目04:42着)へ向かう。ヤロスラブリまで北上した後進路は東へ変わり、キーロフ(1日目22:16着)、ペルミ(2日目02:50着)、ロマノフ朝最後の地エカテリンブルク(2日目09:35)などの都市を経由してウラル山脈を越える。エカテリンブルクがヨーロッパとロシアの境界になっていると聞いたことがある。
 ウラル山脈を越えてからはカザフスタンと接するオムスク州の州都オムスク(2日目22:24着)、ノボシビルスク(3日目07:14着)をなど経て4日目の15:21にバイカル湖近くの都市イルクーツクに到着。バイカル湖の南岸を迂回し、チタ州に入る。列車は5日目丸一日をかけてこのチタ州を通過する。チタ州で、接する国境はモンゴルから中国になる。デカブリストの流刑地で、東シベリアの中心地とされる州都チタには5日目の08:58に着く。
 その後列車はスヴォボドヌィ(6日目14:28着)、ハバロフスク地方南端のビロビジャン(7日目00:50着)を通ってハバロフスクへ進むが、どういうわけか詳細な時刻表はビロビジャンから約1時間ほど先のインという駅で終わっていた。理由は不明だが、もしかすると44列車としての運行はここで終わり、客車だけ別の列車に連結されるのかもしれない。7日目の23:58に終点ウラジヴォストークに到着する。

 ウラジヴォストークといえば、日本と目と鼻の先。新潟から飛行機で約1時間という近さである。ペテルブルクからはるか離れたモスクワから約1万円で行けるとなると、これまで想像もつかなかったシベリア鉄道の旅が身近に感じられるようになった。途中いくつかの町で観光しても良いだろう。時間の都合もあってこの留学中の全線踏破は難しく、来年の春休み以降になりそうだが、モスクワから比較的近いエカテリンブルクなどへは今年の夏休み辺りにでも行ってみたいものだ。

 ロシアの偉大な大地を横断するシベリア鉄道。世界の長距離鉄道の象徴的存在であるこの鉄路は、鉄道好きでなくても、誰もが憧れる旅路である。
 



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2 コメント

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Unknown (Maruyama)
2006-02-22 14:18:26
つっちーひさしぶり☆

昨日、H谷くんに会って、つっちーが元気にがんばっていると聞きました。

カリンカでも時々つっちーのことが話題になったりします。ロシアの交通事情(電車)の話とかで。

つくばは春めいてきて昼間はジョギングやウォーキングには適した季節になってきたけれど、U先生のアルバイトのため毎日学情に通っています。ロシアはまだまだ寒いだろうけれど、身体に気を付けてね!
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Unknown (komachi)
2006-02-22 21:15:25
>Maruyamaさん



お久しぶりです。コメントありがとうございます。



そういえば今H谷さんは日本にいるんですね。

同じ大学から留学中のH谷さん以外の二人も、滅多に会う機会はありませんが元気にしているようです。



ロシアの鉄道は本当に最高です。駅の作りも大変手が込んでいるし、日本にはない便利な列車時刻、料金空席検索端末はあるし、それよりも何よりも、鼻血がでそうなくらいめちゃくちゃ料金が安いので、毎日電車旅行をしたいくらいです。Maruyamaさんもカリンカメンバーを引率して、夏休みあたりに遊びにいらしてください。



もうつくばではジョギングができるのですか。羨ましい限りです。こちらは-5℃前後でだいぶ暖かいのですが、今日も雪が降っていてジョギングが再開出来るのはいつのことやらといった具合です。



U先生のアルバイトお疲れさまです。ジョギングも頑張ってください!

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