目に見える大きさの生物で、回転する足を持ったものは地球上にいない。
人間が人工的に作った平らな状態、道路がなけれは、車輪は用をなさない。
紀元前、シュメール人が初めて厚い木の板に軸棒をつけた四輪の戦車を作った
その後、車輪には鉄のベルトが巻かれ、強度的にも摩擦にも強くなり
馬車の時代まで使い続けられ、ちなみにこの車輪の履いがタイヤの語源です
十九世紀以降、道路を走る手段は、蒸気やガスエンジン、電気モーターと
いった新しい動力を得てバリエーションを増やしていったんだって。
この時代の進歩は、十五世紀にコロンブスによって発見されたゴムの
この分野への新しい利用方法を生み出したらしく
それまでのゴムは熱や寒さに弱く、せいぜい消しゴムや防水布のコーティングに
使われる程度だったが、一八三九年に米国のグットイヤーがゴムに硫黄を加えて
加熱することで、ゴムの温度による劣化を改善した。
この弾力のあるゴムを使って一八四五年、英国のトムソンが空気入りタイヤ
の特許を取得し、重くて乗り心地の悪かった蒸気自動車のタイヤにして好評を
博したらしい。
しかし当時まだ自動車自体が社会に受け入れられず、ゴムタイヤが再び脚光を
あびたのは、一八八三年、英国のダンロップが自転車用に作った
空気入りタイヤだった。
またフランスのミシュランによって一八九五年、パリ~ボルドー間のレースで
初めてガソリン自動車にも装着されたんだって。
タイヤは自動車に必需品となった一九〇三年には、米国のパーマーがタイヤの
ゴム繊維層を斜めに組み合わせるバイアスタイヤを発明し
また一九四八年にはミシュラン社が現在のタイヤの主流を占めるラジアルタイヤ
を発明した。
タイヤ一本の接地面積は、わずか葉書一枚分に過ぎないが、動き、止まり
高速回転し、巨大な荷重を支え、熱や形態に耐えるように
驚異的な進化を遂げたんだって