世界遺産安芸の宮島を臨む経小屋山に登ってきた。山頂直下にある展望休憩所のパーゴラへ至る遊歩道沿いにある数本の大きな松に松根油採取跡を見つけた。以前も広島のどこかの山で遭遇したこともあったが、どこだったか思い出せない。久しぶりの再会に少しばかり興奮してしまった。この、採取跡は実に見事な形をしているんです。まさに、鳥の羽根のごとく中央に向かって、V字型の平行線が連続して刻まれているんです。どうやったら、こんな平行な線を刻むことができるのだろうと、にらめっこするももの、結論が出ません。本当に見事な平行線の連続なのです。この松根油の採取跡はまさに太平洋戦争の生き証人なんです。戦争末期、航空機のガソリンの原料として、老若男女、学生、児童まで動員されて、採取に励んだということらしいのです。”200本の松で1機の航空機が1時間飛べる”がうたい文句だったみたいなんです。ガソリンを製造した記録はあるらしいのですが、実際使用したかどうかは定かではないということです。こんな遺跡が世界遺産を見下ろしているんですねー。