~窓をあけよう☆~

~部屋に風をいれよう~

だまし絵II 進化するだまし絵 展

2014-09-26 11:44:11 | 一期一絵
9月19日、渋谷のBUNKAMURAで映画「グレート・ビューティー」を鑑賞した後に、同じ建物で開催されていた「だまし絵II 進化するだまし絵」展を鑑賞しました。

ポスターに載っている作品は「司書」ジュゼッペ・アルチンボルド作1566年
おお!映画の主人公ジェップは多分ジュゼッペの略称だから、映画と展覧会がうまく繋がりました。

映画は年配の方が多かったのですが、この展覧会は若い世代が多く、カップルで見に来ているティーンエイジャーも数組見かけました。作品のトリックの話をしながら見て回る可愛さににんまり(#^.^#)

作品のまず最初は、開催の挨拶が貼られた壁の上方の隅っこに直接シャドウペインティングがうっすら描かれてました。窓から日が差して木の葉の影もありました。これは気づく人は少なかったかも。
向かい側の壁に小さく作者と作品名が書かれてましたが、きっと作品リストに載っているだろうと思ってメモしなかったら載ってなくて(汗)作者と作品名を失念してしまいました。
これから見る方は解説とあいさつが貼られた壁の右斜め上を見てみてくださいね('ω')ノ

古今東西のさまざまなトリックアートが展示されていましたが、その中で印象深く感じた作品をいくつか載せたいと思います。



「円筒アナモルフォーズ デンマーク王フレデリク3世と王妃ゾフィー・アマリエの肖像」ゲルト・ディットマース作1656年
グニャッとした丸い絵の真ん中に円筒型の鏡をのせると、鏡面に普通の形になった王様と王妃様が映るトリック。
こういう遊び心を理解する王様だったのね~


「白紙委任状」ルネ・マグリット作1965年
馬に乗ってたたずむ貴婦人の木立の間から見え隠れするのがおかしい。遠近がずれて奇妙な感覚です。


「姿の見えない眠る人、馬、獅子」サルバトール・ダリ作1930年
中心に存在する女性のヌードのような腕が頭の馬のような、しっぽが頭の獅子のような生き物。
後ろに見える雲と岩が呼応していて、同じ形だったり線対称だったりしています。
子供のころ見たダリの絵は怖かったけど、今は大好きです。


「上昇と下降」マウリッツ・コルネリス・エッシャー作1960年
堅牢な建物の屋上の階段を永遠に上り続け下り続ける。上ったと思ったら最低の段だったりします。なんだか哲学的



現代アートもいろいろあって、福田繁雄氏、福田美蘭さん親子の作品もそれぞれ展示されてました。

ラリー・ケイガンの針金のアートやいろいろな作家のキネティックアート(錯綜した線や色面が目の錯覚で動いているように見えるアート)作品もありました。

チャック・クロースが人物の顔を指を使ってリアルに描いたフィンガーペインティングにも惹かれました。

それからシャドウペインティング

「赤ん坊の影№122」高松次郎作1965年
実際に見るともっとうっすらとさりげなく近づいてみて、やっとペインティングとわかります。
影が独立して描かれるのもおもしろいし、赤ちゃんがそばにいないのに影があるもんだから思わず気配を感じて後ろを振り返ってしまう不思議な感覚になります。


写真や映像作品もあり、杉本博司の写真作品は模造品がまるで本物の風景のように見え、詩的で物語を感じる情感がありました。


「官能的な死」フィリップ・ハルスマン撮影1951年
こちらはダリの骸骨の絵を実際にモデルさんに組んでもらって撮影したものだそうです。骸骨型に組み合わせるのに時間がかかったそうです。モデルさん大変だったでしょうね。寒くならなかったかな、途中でトイレに行きたくならなかったかな?とつい考えてしまいました。
前にいるシルクハットの紳士はダリ氏。どや顔ですね。


「引き伸ばされた女 #2」エヴァン・ペニー作2011年
女の人の顔を不自然に縦に伸ばした立体作品。かなり大きいです。シネマスコープの画像がテレビ画面に無理やりはめ込んで縦長な映像になった画像を思い起こしました。
近くで見ると、髪の毛、まつ毛、毛穴まできちんとリアルなので余計縦に無理やり引き伸ばされた気分です。余りの細長さ、薄さに自分の脳が対応できず目に痛みを感じます。



ほかにログハウスの壁から見える景色(映像になっている)が正面からは雪景色が見え、裏側に回ると、今度は暖かそうな室内が見える作品。
カエルの形をした立体に女の人の目と口だけを映像で映して単語を取り留めもなくしゃべらせる見た目が不気味な作品。

小さいけど心に残る作品に、片方から見ると「si」(イタリア語のyes)横からみると「no」にみえる文字作品がありました。

そして最後に展示されたのが最高に懐かしい・・・これもアート作品と改めてナットクしました。

1985年に世界的にヒットしたノルウエーの三人組バンドa-haの「Take on Me」のビデオクリップ
音楽が流れるだけでもこのビデオクリップが脳内再生されるぐらい当時テレビの洋楽番組で何度も放送されてました。音楽や歌も聞くと自分も80年代に戻ってしまいます。
若い鑑賞者は自分たちが生まれる前のこのビデオクリップをどう感じて見たのだろう。やはり古典作品なのだろうか・・・。
このビデオクリップは撮影された映像の一部の上にトレースをのせてチョークで手書きで写すロトスコープというアニメーション技法を使っていて、漫画の主人公と実写の女の子の恋をとても自然に現実化しています。ロトスコープの線が手書きなので揺れがあるのも良い感じです。今はこの技法もコンピューターシステムで作れるそうですが、この味わいは手描きだからこそと思っていたいです。
動画をさがしたらありましたが、ミュージアムショップでビデオクリップのDVDも販売されていたので動画は載せず、写真だけ少しのせます。




 

 


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。