別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン9 雑感感想4

2015-11-07 19:35:19 | シーズン9
第6話 天国から来た殺し屋

人間キャス頑張るの回。
この回、キャスは良かった。ぶっちゃけスパナチュの天使成分はイライラの種でしかないので、人間として、器のジミーでもないカスティエル自身の性質の善さが出てた。
コンビニで働くキャス。真面目な性質が役立ってます。人の真似をして一緒懸命人間を学ぶ姿が可笑しくも可愛い。仕事に慣れてるので、一回くらいはお給料貰ってるだろうに、モーテルにも行かず倉庫で寝泊まりしてるのは節約のためなのかな。
しかしどうやって雇ってもらったのか。向こうでも履歴書は出さないのか。ねつ造したのかな。メリケンのスーパーに行けば、君も元天使やテディベアの店員に会えるかもしれない。

コンビニ店長さん、期待持たせといてあれかい! 彼の本当の良さがわかってたようなので、ボーリングデートなんて行かずに彼と過ごせばよかったのに。でもそうしたら、リトジアンに遭遇してキャスが普通の人間じゃないとわかっちゃったか。今期のキャスは女難の相が出ておる。
プレゼントは感心だが、それ彼女の庭のバラ(笑) それでも差し出されたら嬉しいものだけど、切り損になっちゃったね(^_^;)
大乱闘の部屋とエフレイム(リトジアン)の死体まで超特急で片づけ、その間にもディーンが子(弟)育て経験からアドバイス、キャスは解熱剤を赤ちゃんに飲ますというたいへん忙しい二人を想像した。

リトジアンが本来はどういう天使か調べてないけど、スパナチュの天使達はたいていが単細胞でどうしようもない。
人間の複雑な感情を理解できないって、天界で自分の任務だけ、地上で派閥抗争だけして何千年では人間について全然無知なのも当たり前じゃ! たとえ絶望しても、また立ち上がる勇気を持つのが人間。それも知らず、『助けに来た』ってドヤ顔。そもそも天使を癒したり安楽死させたりする役目なら、人間は管轄外だろうが。あんたが人の死をどうして決めるよ。「人間になるのを選んだのは、死を選んだことだ」とかキャスに言うし。メタトロンに人間にさせられたことは知らないにせよ、人間を軽んじてる。なにが特殊任務の天使だゴラァ!(こういうしたり顔の分かったつもりの奴きらい)
結局彼はキャスに天使の責務を自覚させるために出しただけだね。あっちゅうまに殺されるし。 
悪魔陣も派閥抗争。だがこっちは本領なんでかまいません。今シリーズでは、どう転ぶかわからぬクラウリーがキーに。その代わりにS8で良かったアバドン姐さんが力だけの単純キャラになりつつあるのがちと残念。まあクラウリーとメタトロンで裏表キャラ枠は一杯だけど。

ディーンはキャスを着の身着のままで追い出しておいて、そんなのお前らしくねえはどうなの。まあ兄貴は何一つ手元に無くても、偽カードやギャンブルですぐ調達するからな。大の男はそういうもんだと思ってる。弟も父もそうだったはずのウィンチェスターズは基本サバイバル。
キャスに悪いことしたとラストに謝ってたけど、それ以上にキャスが人間として働いて努力してることを偉いと言ったのが良かったな。

調べ物が嫌で、キャスが見つけた狩りに一人で出かけるディーン。無論本当はサムの中にいるエゼキエルがキャスに会いたがらないからなんだけど。
兄がいない間に24巻の分厚い本を調べ終えちゃうサムとケヴィン。確かに兄は要らないや(笑) ケヴィン、サムの肩あたりに頭がある。どんだけデカい弟。そしてエラム文字かわいいぜ。
血の電話にはかなりの量が必要に見えるんだが、いつもは殺して搾り取るよね。血をあげたケヴィンが貧血すら起こさず、平然としてるのはなぜすか。

とぼけて見えるキャスだけど、心の中では罪悪感や絶望が渦巻いてることをリトジアンに見抜かれた。人間になってより深くなる苦悩。でもそれがさらに過酷な運命の兄弟への理解と助けになっていく。

初めて赤ちゃんを抱いたにしては、抱き方も子守も上手いなキャス(中のミーシャのたまもの) 赤ちゃんもたいそう可愛い美赤子。あの子守歌は既存の歌なの? ミーシャも津田さんもそれぞれ味がありました。かわゆかった。


第7話 バッド・ボーイズ

うぁあああこの回大好きだぁああ

兄弟主義の我がツボを押すストーリー。
今まで兄弟の子供時代やサムの幼少期は描かれてきたけど、ディーンの思春期メインは初めて。16歳のディーン役のディラン君はジェンとは違う顔つきだけど(そもそもジェン似の子役なんてそう見つからんだろう)、彼の演技は秀逸でしたよ。

現在の兄と回想の16才兄が交差するあたりも上手くできていた。今まで知られなかったディーンの少年らしい夢や希望と、それを諦めたいきさつが語られる。
兄が消えた理由を知らされずにいたチビサム。デカサムはン十年たっていようが追求します(笑) またボビーに預けられていたというシーズン1無視ライン。
ポーカーで生活費をすっちまったからと言ってるけど、その賭けも生活のためじゃないのかなあ。ジョンパパは帰宅がしょっちゅう遅れてたわけだし。
万引きがパンとピーナッツバターで、それもサムの為というのがすでに泣ける…。

始めは反発していたソニーの家で、たった一ヶ月で班長になり、学校の成績も良くて、レスリング部をつくり州大会で優勝したディーン。
おそろしく優等生じゃないか! ジョンもヘンリーが失踪しなければ大学に行って賢人になってただろうし、基本ウィンチェスターの男子は秀才なんだよね。
狩りや弟の世話が無く、年相応の勉強や活動に専念できる環境を与えられた途端、ディーンは一気に伸びた。今の兄はサムの追及に、「誰も俺のことをいじめたり、根性焼きしたり、ハンガーで殴ったりしなかったからな。良しとする」なんて言ってたけどね(東地節が笑える)。父に鍛えられていても、ディーンだっていじめにもあってきたんだろうね…。 ここでの落ち着いた生活で友達も沢山できてたようで、ディーンがいかに自分の本領を押さえてたかがわかる。
ソニーは本当に良い人で、少年の心を思いやれるし、口先の教育などせずに地に足のついた男性。かつて自分がギャング生活で得た教訓と苦味を真に生かしてる。だからディーンの心もつかめた。手錠をピンで外してくれたところで既にポイントついてたよねディーン(笑)
尊敬する実父からほとんど褒められてなかったディーンが、「誇りに思うよ」とソニーのような人に言ってもらって、本当に嬉しかっただろう。

そして意外や、16歳のディーン、恋に初々しい。兄は早熟なイメージがあったけど、考えたらあのオヤジの元で狩り三昧、いないときは弟の世話で幼少期は女の子どころじゃないよな。のちにサムをピエロランドに残してデートに行ったり、どうせすぐ転校するから勉強なんかクソ喰らえ、かわいこちゃんといちゃついてあとは弟から目を離さないだけだぜ時代になるわけですが(S4だっけ) 
この恋が苦い終わり方をしたことで、女の子とはそういう風にしか付き合えないと決めたんだろう。く…っ。

好きになった女の子には、稼業を「つまんねー仕事」と言うしかなく、ロックスターか車の修理工になりたいという望みを話した16才の少年。
まだ普通の人生を歩む可能性があったディーン。

ダンパに行くのにめかしこんで、その時に父が迎えに来たことを知るディーン。その時の表情が…!!(大泣) こんときばかりは、オヤジ! ダンスパーティーだけでも出してやれよ!!と思ったよ本当。
精一杯おめかしして、胸をときめかせながら彼を待っているだろう少女を思っただろう。二人の写真がかわいくてまた泣く。
父親と第二の父になったであろうソニーと愛した少女。その間で揺れながらも、結局ディーンを引き戻したのは無邪気に車で待ってる弟の姿(号泣) 兄のおさがりに違いない大きいシャツ着て(兄シャツ)

ディラン君の泣き笑いの表情が素晴らしいです。マジ泣き。


現在。ティミーは孤児院でも辛い目にあって逃げ出し、ソニーが預かることになったんだろう。ついていた母の幽霊は、その頃には息子を少しでも害する者は許せないと思うばかりの悪霊になっていた。
兄貴は孤独な幼子には優しい。でも子供が退治する対象なら殺すしかないというシビアさも持つようになってしまったね。それでも、行き過ぎた愛情の果てにある執着がどんな事態を呼ぶかも、彼だからこそ知ってる。
ディーンはサムが弟だから可愛いというのと、他の人生を選ばず弟を守ることを誓った時点で、それが人生の意義にならざるを得なかった。
抱えているエゼキエルの問題も、自分の執着が不味い結果を呼ぶ予感を感じてる。

ソニーに言われた、「一度きりの人生だ。自分を通せ」という言葉を、ティミーに言って聞かせるディーン。
そして、「愛する者を傷つけても、言わなきゃならないことがある」と。
あれはディーンがジョンに言わずに終わってしまった言葉。そののち、弟はそれを父親に突き付けて家を出た。
けれどサムはすべてを失い兄の元に戻り。ディーンもまた、弟を選んだことを後悔してるわけもない。

サムが兄に犠牲を払わせたのではなく、ディーンが辛くても家族を選択した。「ずっとここにいたかった。でも役目がある」 この吹き替えのセリフは実は言ってない。「行かなきゃ」と一言だけ。でもディーンの心はまさにそうだっただろう。
16才にしてディーンは自分の運命を自覚して選んだのだから。

目を痛めてからなかなかできない字幕と吹き替えの見比べ。この回は両方じっくり見た。スパナチュの吹替えは字幕の倍以上の情報量があるので、英語ヒアリングができるのでなければ、何度も書くけど吹替えは必須。
『タバコの火を押し付けたり』が『根性焼きしたり』になってるのに笑った。そういや今シリーズのOPも天使の羽の根性焼きだな←
兄貴が苛めっ子ペアに言う『グワンタナモに送るぞ!』は、いいのかね(^_^;) ディーンは結構ブラックジョークも多い。字幕だけ見てるとわからないよ。
ロビンと別れ際の会話も。「見ての通りロックスターにはならなかった」というディーンへの返事が、字幕ではあっさりと「カッコいいと思うわ」。吹替えでは「でも私にはキラキラして見える」 実際は「すごくロックっぽいわよ、ディーン・ウィンチェスター」って言ってるんだよね。

少女のロビンは、ロックスターに成りたいと言った時より車のことを熱く語るディーン少年が、すごくキラキラして見えたんだろう。キスせずにはいられないほどに。別れの言葉さえなく突然姿を消したBF。途方もない仕事をやり遂げながらそれを「つまんねえ仕事だろ」と言った今の姿に、かつての輝いてた少年を見つけたのかもしれない。だから吹替えは正しいんですよ。
現在のロビンも美人だけど、ティーンのロビンがまた可愛い! サムの怪物の女の子との初恋と同じく、少年ディーンの恋も可愛くて切ないね。

大好きな車を修理する仕事をしながら愛する家族と暮らしたいと願った少年は、血みどろの流浪の旅の人生に。
それでも、ディーンは父が残した愛車を何度もその手で造り直し、祖父から引き継いだ居場所でただ一人の弟と今もいる。
そして旅をして沢山の人と出会う写真家になりたいと思った少女は、生まれた町を出ずにダイナーを継ぎ、その人生に満たされている。
人生ってままならぬものだけど、望みがかなわずとも報われるものもある。

ディーンの青春、ティミー少年が一人で生きる力を得ることで報われる母、その両方を見て何かを得たサム。
「いつも僕のそばにいてくれる。大切なものを引き替えにしても」
サムはあの家での少ない時間の中で、ディーンの選択を理解してた。
そしてこのあとに、言わなきゃならないことを言う時が来る。

みんないい演技してた。大好きなエピソードになりました。




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