別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン5 その9

2014-01-01 22:19:29 | シーズン5
第12話 魂の交換

・冒頭、いつものこれまでのスパナチュは!がなく、いきなりバーに登場するサムちん。
・様子が変。ウキウキ浮足立っていて、免許証見せてバーテンにバナナダイキリを注文。そんなもんがあるんだ。バナナとダイキリ…合うんかいな(^_^;)
・日本傘付きのカクテルなんぞ喜んですすってるサムを眺める、ちょい年増の色気ねえさん。目がキラリ。
・明らかなモーションに、あんぽんたんな受け答えをするサム。おや、ここまで朴念仁ではないはず(笑)
・一緒に出ましょ、まで言われ、ようやく一気に鼻息が荒くなる(笑) 「それってせっくすするってこと?」 直球一本。
・大喜びでおねえさんと出ていくサム。しかし鏡に映っているのは小柄なティーンエイジャー。
・ジャレがえらいたのしそうに演じておる(笑)
・36時間前。とある家に訪問してる兄弟。ディーンとサミ―と本名を呼ぶ奥さんは、なんと兄弟の子供の頃のベビーシッター。
・うをw ベビーシッターさんを普通に頼んでいた時もあったとは。これは色々妄想できます(笑)
・2週間も留守にすることもあったジョンパパ。でもあなたたちを愛してたと言う奥さん。寂しそうながらもうなずく兄弟。うんうん(;_:)
・引っ越してきた家にポルターガイストが続き、娘のお腹には不気味な傷文字が。それで兄弟に助けを求めるご家族。
・バーガーショップで相談。兄貴はいつもの高脂肪炭水化物メニュー。弟は振って混ぜるシャカシャカサラダ。
・ネット調べしながら振りまくるサム。兄「思う存分シャカシャカしろ」
・あの家はすごく古くて、吊るされて殺された魔女がいたらしい。
・ドナ(ベビーシッター)は幸せそうだな。ああいう家庭に憧れないかと言う兄に、いやもうそんなの興味ない。と言う弟。
・こんな子になっちゃって…
・いやむしろ、地獄で拷問担当して戻ってもまだ暖かい家庭に惹かれる やわらか兄貴がたまらない。
・兄弟、とくに弟を凝視してニヤリとするバーガー店員。冒頭のサミになってる男の子、ゲイリー。
・夜の道。調査結果が芳しくなく、電話で兄に今帰ると連絡するサム。と、首にグサリ! 吹き矢が。
・気がつけば雑木林の中。あれれ。服が違いますぜ。
・パトカーに呼び止められ、家族が心配してますよ、ゲイリー・フランクルさんと言われる。
・そう、着ているのはバーガーショップの制服。
・「僕の家族? じゃあ兄貴が連絡を?」 わああ、家族と言えば兄貴なのね。当然だけど萌ゆるv
・「うちのちっちゃな弟が帰ってこないんだよ!」「弟さんの特徴は?」「身長2m弱でマッチョ。歳は27歳。仔犬顔で可愛い奴さ。一目でわかるぜ!」「…」 (サム脳内シアター)
・警官に送ってもらった家から飛び出してくるご夫婦。どこに行ってたのゲイリーと責められ、混乱状態のサミが見たパトカーのフロントガラスには、見知らぬ男の子。
・そう、サムとゲイリーは入れ替わってしまいました。
・二次創作不用(言い飽きた)
・一方、モーテルのゲイリーinサム。鏡に映ったサムの体に、おおいえー。ムキムキと喜ぶ。カラダ目当てかお前。
・帰ってきたディーンを懸命にごまかす。かなり無理くり。
・だが、あんちゃんはチーズバーガーとフライドポテトにあっさり追及をやめるのであった。ディーン…

ここで解説。ドラマ内では、サムとゲイリーは中身が入れ替わっている設定。
ディーンもゲイリーの家族も、いつもの弟や息子の姿に見えるので中身が違うことはわからない。
でも、見ているこちらにはジャレがバーガー店員の服を着てるし、ゲイリー役の俳優さんがサムの服を着てるだけに見える。
ジャレッドやゲイリー役の男の子が、中身が他人の演技をしてるわけじゃないのです。ややこしい。
“魂が入れ替わってる”という設定なんで、視聴者が見えているのは種明かしなわけ。だからゲイリーの服は明らかにサムは着れないし、サムの服はゲイリーにはぶかぶかのはずだが、そこを突っ込んではいけないことになる(笑)
童顔のジャレだが、ティーンエイジャールックはやはり無理がある(笑) 体がああだもんね。

・インパラを運転させてくれと言い、そしていきなしケツぶつける。オールドハードロックを喜ぶおかしな弟。
・携帯を全部ゴミ箱に捨ててしまうゲイリーinサム。頭は回る。でもそれ、一個はパパジョンの携帯では…^^;
・留守電しまくり、助けてくれというサムinゲイリー。助けをすぐ呼ぶところが弟だよなあ。相変わらず。
・ゲイリーの部屋を家探しするサム。ダースベイダ―のTシャツ見て、「童貞」断定。根拠はなに。なんなの…!
・家族団欒の朝食をぶっ壊すサムinゲイリー。ゲイリーが小麦アレルギーと知らずにパンを食べてしまう。ゲリ。
・兄より行儀は悪くないかに見えるサムだが、ママの皿のパンをいきなり取って食うところは、しつけの通りか(しつけ=兄)
・兄貴とゲイリーinサムは魔女の墓探し。あの^^、話すときジェン目線が下ですよ(笑) 演出家も気づけよな(笑)
・墓掘りの際、後ろでなにやら不穏な動きのゲイリーinサム。
・そこより、一人でもくもくと穴掘りしてなんも言わんディーン。おい甘すぎるぜ兄貴
・ディーンを撃とうとしたゲイリーinサム。だが霊が出没し、そっちを退治してその場は終わり。
・深夜のバーで、酒とベーコンエッグチーズバーガーの兄弟。言うことやること好むこと、すべていつのものサムとは違うことに、さすがに不審な顔の兄貴。いや、考えなくてもおかしいっしょ^^;
・お兄ちゃんは弟の挙動不審についてあまり考えたくないとみた。
・このシーンでの兄貴の、ジェンの唇がやけにポテッとして赤い。いつもにも増して。
・冒頭の、おねえさんにお持ち帰りされるゲイリーinサム。兄貴の赤い唇をなんとかするチャンスを逃すとはさすがお子ちゃま←
・学校でイラつくサムinゲイリー。友人のトレバ―とノラに声をかけられても突っぱねる。しかしトレバ―が吹き矢を! トレバ―の家に監禁されてしまう。
・シロウト高校生に吹き矢で失神、縛られるハンター(注:魔王の器)。
・ゲイリーinサムと電話でやりとりするトレバ―。ディーンを殺す話をしてるのでンガッとなるサムinゲイリー。
・ラブホのベッドで裸待機のゲイリーinサム。ナンパおねえさん登場。黒レザールックと鞭をお持ちなされてる(笑)
・「これは完全に想定外だったな」(^◇^) オープンザニュードア、ゲイリー!
・高校生三人は悪魔に賞金を餌にに釣られ、ディーンを殺そうとしてました。入れ替わりは魔術オタクのゲイリーの案。
・ノラはサムの説得に揺らぐが、トレバ―は悪魔を呼び出してしまう。
・トレバ―の子は綺麗な顔だな。あたまワルイ役でもったいない。
・悪魔はノラに乗り移りました。この女優さん上手いな。10代じゃないかもしれんが。ちょう邪悪な表情するよ。
・トレバ―はあっさり殺されちまいました。勉強や魔法本よりもチャック著「supernatural」を読むべきであった。
・ディーンを殺そうとしたゲイリーinサム。こちらもあっさり兄貴にぶんなぐられた(笑)
・留守電のヘルプミーを聞いてる兄。あれ、その声はサムではおかしくないか。ゲイリーの体の時に吹き込んでるから、流れてくる声はゲイリーボイスではないのか?
・そこにノラに乗り移った女悪魔が。兄貴は吹っ飛ばされる。ゲイリーにルシファーに会えと言う悪魔。サムの体をルシに差し出したい所存。
・兄貴を痛めつける様子に悪魔払いの呪文を唱えるゲイリー。立ちあがったディーンも唱えます。
・おお、兄貴も呪文暗記できたんだね。前は弟まかせだったのに。そんだけ数え切れないほどやったってことか…
・でもラストに「アディオス。あばずれ」 ゲイリー「アディノスだよ」 兄貴の方はシロウト高校生に訂正食らっている。
・元に戻ったサムとゲイリー。親に正攻法で反抗してみろ、君はうらやましい人生だと諭すサム。
・感心する兄貴に、全部嘘だよ。家族の団欒なんてストレスがたまるだけだ。あんなもの幸せと言えるかとサミ。
・その言い草はよ(-"-)
・悪魔付きの際、友達を殺しちゃった女の子のフォローはしたの。そして死体はどうしたよ。
・さっそく、カーステを小さくしろというサミ。真面目な弟というより小姑並みの口やかましさ。
・兄貴はちょっと、つまんない顔(笑)


前回書きましたが、サムはかつて憧れて手に入れようともがいた“平凡な幸せ”を、あっさり否定、うっちゃってます。
ここまで来た道のりから見ると、もうそれは色あせどうでもいいもんになってしまったのか。
でもこういうことって、サムに限らずある。欲しくてたまらなかったものが、何の魅力もなくなる時が。
ティーンエイジャーのサムが望んだもの。父親の支配から抜けてまともな仕事に就き、愛する人と家庭を持つ。
それは決して見せかけのものではなかったはず。
でもサムは、本質的に「手に入らないものをどうにかして手に入れる、そのための努力は惜しまない」子でした。
どれだけ努力しても自分には遠い幸せ。それが納得できなかった。そこにあるのは悲しみや苦しみにも増して、怒り。
その“怒り”こそ、サムの根源にある力。
そうルシファーは指摘し、自分の器になるべく運命づけられていると言っている。

怒りが根本にある者は、ある面かなり傲慢さがある。
ルシもそうだし、かつてシーズン3の『7つの大罪』でサムのところに来たのが“傲慢”の悪魔だったというのもありました。
「俺の怒りは当然」と思っているので、それをあたりに振りまくのもまた当たり前だと思ってる。
怒りの原因が正当だとしても、周囲にばらまいた怒りのパワーがどんな破壊を呼ぶのかをあまりというか、ほとんど気にかけてないんですね。
これは結構危ない。
己の身も近しい人も、みんな巻き込む業火になりうる。

それを食らっちゃってるのが、まさしく兄貴なんですが(^_^;) ここでまた兄貴擁護とかわいそう…とは言いません。兄貴もまたハマっちゃってるものがある。

ただ、サムとルシファーが違うのは、サムは『喪失の意味』をもう知っていること。
かつて妻と母を失っていた父と兄は、もともとそれが根底にあった。でもサムだけは、それを知らずに成長したのね。欠けているものは多かったけど、失うものもなかった子供。
その後、兄弟揃って父を亡くすけど、兄はまた弟を亡くしそのために契約してしまう。
そして、兄を目の前で地獄に連れ去られたサム。
思いもかけない形で兄は帰ってくるけれど、今度は徹底的に“兄の信頼”を無くすことをしてしまうサム。

そこにたどり着いて、ようやくサムは“失う”ことの意味を知った。
この後の展開も知ってますが、もう兄弟にとって“死”は永遠の別れでないと同時に、終焉の平安も安息もないものになってしまってる。
死んだら楽になることもなく、課せられた重荷を背負っていくしかない。
けれど、「なんで自分がこんな目に」とは、もうサムは言わない。
魔王を解き放ってしまった大きな責任。兄弟に課せられたウィンチェスター家の呪い。
互いに葛藤や認め合えないものを抱えながら、それでも二人で向き合うことを選択した兄弟。
そこが天のお偉いさんたちとは違う。

ルシファーは始原の者なので、ミカエルや神との家族問題もすべて意外にシンプル。兄に地獄に突き落とされ父に見捨てられたと言うが、彼らはいなくなりはしない。その分、その時の純粋な怒りを持ち続けているのがルシファー。
でも、地上の人間が背負ったものの方が、怒りや悲しみだけでは言い表せない複雑さを帯びている。
人も思いも、一度無くしたものはもう取り戻せないのか。「失った」間に、自分に問い続けたこと。
それがサムにはある。
スタートラインで父と兄が知っていたものを、ようやくサムは知り、「ないもの」を求めるだけから、「いまあるもの」を守る意味を見出しつつある。

ときたま垣間見る傲慢さは相変わらずですが(笑)、サムはもう、なんで人並みに…と怒っていた子供ではない。
怒りのパワーが同じだけで、ルシは俺ら弟同盟だとゆうてる。それとは違うレベルの悩みをもっているサムが、どう運命に向き合っていくのか。
そして兄もまた、弟のダークサイドを気にしているつもりで、実は大人になっていく弟に上手く対処しきれてないところがある。

そんな二人がどうなっていくのか。このシーズンはそこが決めてな感じがします。


(2010.11.25)

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