ミロワール〜心の鏡〜

趣味、仕事、心の鏡に映る風景を綴ります。

3月に観たもの ピルグリム2019 、星組ライブビューイング

2019-04-13 19:07:08 | 観劇
3月は仕事が慌ただしく、やっと今週落ち着きました。

3月に、実は舞台を観てました。

3月23日にあかがねミュージアムにて

虚構の劇団「ピルグリム2019」

直前まで迷いましたが、東京、大阪、新居浜でしか公演がない。
こんな機会はもうないかも、とチケットを買いました。



パンフレットは鴻上尚史さんの手売りです。

まず、、、私がこういうお芝居を見慣れてない。
だから感想も拙いです。
舞台に男性がいる、ところから慣れなくては

みんなどこかを探している。
ユートピアを。
でもホントにユートピアはあるの?
観る側に答えが委ねられる作品です。
歌やダンスは登場人物の感情の発露。
宝塚ももちろんそうなのですが、どうしても
ストーリーとは切り離されて
歌、ダンスそのものを鑑賞する部分が多いと思います。
ありえない話なのにひたすら登場人物はリアル。
自分の心の中の目を逸らしたい部分にグイグイ切り込んできます。
舞台と客席が近い。だからダイレクトに。
演じている役者さんについては私は無知なので語れない。
でも、1人1人の身体の使い方、発声、近い分手に取るようにわかり圧倒。

で、、、

24日に
これもチケット取るのをバタバタして忘れていたけど、よく読むブログでとにかく紅さんの
カールが泣けるから、という感想を読んで、まだチケットがあったので行って来ました。
「霧深きエルベのほとり」「エストレージャス」のライブビューイング。



いや、紅さんって、決して何かが飛び抜けて上手いタイプのトップさんではないんですよね。
でも、ハートフルさというか、熱さというか、それが飛び抜けて伝わるトップさんだと思います。

なんせ霧深き、、、の初演は1963年。56年前ですよ。
セリフは多分に古い部分もありますが、そんなセリフをサラッと言えて違和感ないのは
紅さんだから。
彼女の熱さが、まっすぐさがそのままカールに通じるから。
綺咲愛里ちゃんは可愛くて、今時だと通用しないような世間知らずなお嬢様に説得力がある。
水夫のカールと上流階級のマルギットの恋は、今のあのやんごとなきお家柄のお嬢様、
毎日のように海外にいるお相手の動向がワイドショーのネタになるあのお二人を
一瞬連想しました。
カールはしかし、荒くれた見かけとは裏腹に、本当にマルギットの事を思って、自分を
悪者にして身を引くことができる人物です。
そんな男気に泣かされました。

船が出る前にヴェロニカの膝にすがって思い切り泣くカールにもらい泣き。
英真さんのヴェロニカも素晴らしかったですよね。
帰らぬ男を待ちながら、いつか悲しみを内に閉じ込め豪快に振る舞う彼女だからこそ
カールの涙を受け止められた。

礼真琴さんのフロリアン。
そして退団する七海ひろき、カイちゃんのトビアス。
どの役も印象的。

そしてさすが菊田一夫先生の脚本。
若手にもいい見せ場を作り、足りない場面はうまくセリフで補完し、
おお、これぞお手本。
素晴らしい

ショーは以前BSで見たときなんつーしょーもないと思ったけど、
まあ、あんなにJ-POP、Kpop使いまくるとなんかカバーアルバム聴いてるみたいだし。
カイちゃんの見せ場あれ?
途中で紅さんの声が出なくなって、アレ?となってしまった。
お芝居の時は出てたのに。
終盤、銀橋で紅さんが「声ごめんなさい🙏」と何度も手を合わせて。。

それだけカールを熱く生きたんだね。

退団者ご挨拶でカイちゃんの格好良さに涙。
ありがとう。これからも幸せに。

と、言うわけで、ピルグリムではユートピアはない、と言ってたけど
ユートピアはあるよ。
それは宝塚!

で、結局コレか。
宝塚以外見られない体なのか?

嫌嫌、今年は宝塚以外もガンバって観ます!

「誓いのコイン」坊っちゃん劇場にて

2019-03-20 21:41:45 | 観劇
坊っちゃん劇場にて

ミュージカル「誓いのコイン」を観てきました。
少し前のことになります。

愛媛県松山市にかつて日露戦争の捕虜としてのべ6000人のロシア兵が連れてこられ、当時の松山の人々とロシア兵たちの間に交流が生まれ、ロシア兵墓地は現在も地元の中学生たちにより清掃されている、というのはあまり知られていない史実だと思います。

初演は8年前でしたが、私は今回が初見です。

四国中央市出身の元雪組男役ほたてちゃんこと帆風成海ちゃんが主演!!
彼女は綾風咲奈とおなじ93期。
愛媛県出身者が二人も入団して、しかも雪組なんて!
と雪組ファンの私は嬉しかったのを思い出します。

あと、特別出演に元花組トップ娘役の森奈みはるさん。
また坊っちゃん劇場に出演してくださってありがとう✨
あー、愛媛のみんな、この素晴らしさをわかっているの?!

作品の「コイン」はロシア兵のニコライと看護婦のサチが離ればなれになるときに、お互いの名前を刻んだもの。
実際にロシア人と日本人女性の名前を刻んだコインが松山市の井戸のなかから見つかったことがこの話の元になったそうです。

作品は
期待以上❗
ミュージカルって音楽と演技のバランスにかかっていると思いますが、絶妙なバランス。
最初は敵国の捕虜になり反発していたニコライ、そしてロシア兵たちが松山の人たちの真心に触れ、心を通わせる過程がよくわかります。
確かにねー、寒いロシアから温暖な松山。町の人は素朴で優しいし、町にはロシア人街もできたというし大切にされて過ごしやすかったと思います。
松山は今でも「住みやすい街」として人気ですよね。
ほたてちゃんは、すっかり美しい女優さん。
男役だけあってスラッとして凛とした雰囲気です。
婦長の森奈さんも、落ち着きあるたよれる婦長さん。そして美しく。
二幕冒頭の伊予漫才の歌は聞き惚れました。
ニコライの四宮さんはキリッとしてて品のある雰囲気が実は貴族という役どころにぴったりです。
石浦大尉役の水野さんも真面目でキチっとした性格が時に笑える、というキャラクターが良いわ。
と、一人一人が心に残る熱演でした。

休憩中に「これ宝塚でやったらいいのに」と思い付いたものだから
主役をニコライに変更した場合の配役やストーリーを妄想しながら二幕目を見て忙しかった。
ニコライが主役ならぜひロシアの宮廷シーンを入れたい。あと、ラストシーンはムダに豪華な軍服で出て来てほしい。
宙組でやってほしい。
など。
(笑)
歌劇団に手紙書いてみようかな。

あ、観劇からは脱線したけど、🎵ダスビターニアという曲が心に残るすてきなミュージカルでした。

父と暮せば

2019-01-15 22:13:31 | 観劇
1月10日(木)西城総合文化会館 19時開演
上演 劇団P.sみそ汁定食

何年か前、偶然TV放送された映画を見てから、ずっと舞台を見るチャンスを
待っていました。

今回、近隣で上演されることを知り、出かけてみました。

キャストは愛媛のTV番組でも「まっすん」として活躍されている枡形浩人さんと岩本莉歩さん。

原爆で生き残った娘と、死んでしまった父親の幽霊。
二人だけの会話で、原爆の残酷さをあぶりだしていきます。

岩本さん演じる美津枝の所作が美しく、生真面目に自分を律して精いっぱい生きている様子がわかります。
枡形さん演じる父竹造の幽霊が、いつも明るく時にはおどけて美津枝を励まし、
生きる力を与えようとします。

場面は一場面、ずっと美津枝のバラックの部屋の中だけ。
二人の会話だけ。

なのに、なぜか突然何の罪もない市井の人たちが原爆の惨禍に巻き込まれ、
苦しんで死んでいき、生き残ったものもまた死ぬのと同等の苦しみを背負い、
生きていかなければならなかった。

一瞬まばゆい光が広がり、そのあとの惨劇。
その有様が二人の会話によって見る者の心に広がっていきます。

これほどのことが、あって良いわけはありません。

戦後も時がたち、今年で平成も終わります。

私たちが子供のころは戦争を体験した方がまだたくさんおられ、直接話を聞く機会もありました。
何より自分の身近な祖父・祖母たちが体験者だった。

今、もう高齢になった体験者の多くがこの世を去り、直接話してくれる人も減りました。

そんな時代にこそ、変わらずずっと上演し続けてほしい作品でした。