「浅間山明鏡止水」あさまやま めいきょうしすい

「世界三大宗教空間・法隆寺」~口語短歌と写真で綴る「世界文化紀行」

「世界三大宗教空間・法隆寺」~口語短歌と写真で綴る「世界文化紀行」
法隆寺は、バチカンの世界遺産「サン・ピエトロ大聖堂」、ギリシャの世界遺産「パルテノン神殿」とあわせて、世界三大宗教空間に数えられます。
法隆寺が開かれたのは607年、日本初の女性天皇・推古天皇の時代です。法隆寺は、その推古天皇を補佐した聖徳太子(厩戸皇子)によって創建されました。聖徳太子といえば、「十七条の憲法」「冠位十二階」を定め、天皇による中央集権化を目指した政治家です。


法隆寺は世界最古の木造建築群
口語短歌
「法隆寺 聖徳太子 命懸け 亡き天皇 偲び建立」



東大門を境に西院伽藍と東院伽藍に分かれており、特に西院伽藍には五重塔をはじめ、世界最古の木造建築が立ち並んでいます。日本最古の歴史書『日本書紀』によると、法隆寺は670年に火事のためすべて焼け落ちたとあります。しかし、711年までには再建されていたことが分かっています。その文化的価値が評価され、平成5年(1993)に日本初のユネスコ世界文化遺産に登録されました。

法隆寺の国宝建築 中門 (西院伽藍)
口語短歌
「国宝は 日本最古の 仁王像 金剛力士 門を守護する」



正面に見えてくるのが中門(ちゅうもん)です。この門の先に、法隆寺の中核である西院伽藍が広がっています。中門の特徴は、門を分かつように真ん中に立つ柱です。この柱によって、中門に4つの柱間が生まれています。門を守護する2駆の金剛力士像は日本最古の仁王像であり、同じく国宝に指定されています。
金剛力士像


法隆寺の国宝建築 金堂 (西院伽藍)
口語短歌
「きらびやか 極楽浄土 世界感 天人鳳凰(テンニンホウオウ)飛び交う天蓋(テンガイ)」


金堂は現存する最古の木造建築で、卍崩しの高欄など、飛鳥時代の様式をよく反映しています。一見2階建てのようですが、2層目は外観だけで部屋はありません。どっしりと風格があり、四隅の柱に据えつけられた昇り龍と下り龍が華を添えています。
中に入ると、法隆寺の本尊である釈迦如来、薬師如来、阿弥陀如来の釈迦三尊が鎮座しています。天井を見上げれば、天人と鳳凰が飛び交う天蓋が吊されているのが分かります。極楽浄土の世界を思わせるきらびやかさです。

法隆寺の国宝建築 五重塔 (西院伽藍)
口語短歌
「五重塔 相輪の鎌 かけられて まじない技術 雷除ける」



五重塔は、法隆寺のシンボルともいえるでしょう。上へ向かうにつれて屋根が小さくなっていくのが特徴で、安定感のある趣です。中に入ると、塔を支える心柱や木組みの構造をよく見られます。法隆寺の五重塔の最下層には、奈良時代初期の彫塑群が安置されていて、うち80点が国宝に指定されています。網越しからしか覗くことはできませんが、立ち並ぶ彫塑群は一見の価値ありです。五重塔の先端に伸びているのは、相輪とよばれる装飾です。各地の五重塔に見られる装飾ですが、とりわけ法隆寺の五重塔の相輪には、変わった部分があります。それは相輪に鎌がかけられていることです。

法隆寺の国宝建築 回廊 (西院伽藍)
口語短歌
「工法は 古代ギリシャに 端を発す エンタシス様式 中央膨らむ」



単廊式で、中門から奥の大講堂へとつながっています。注目すべきは円柱です。よく見ると、柱の中央が膨らんでいるのがわかります。エンタシス様式と呼ばれ、工法そのものは古代ギリシャに端を発するものです。パルテノン神殿などでよく見られます。そのため、古代日本とギリシャの間になんらかのつながりがあったのではといわれていますが、定かではありません。

法隆寺の国宝建築 大講堂 (西院伽藍)
口語短歌
「国宝の 薬師三尊 目の前に 存在感が 迫りくるよう」



正暦元年(990)に再建されました。そのため、法隆寺の建造物としては比較的新しめではありますが、西院伽藍ではもっとも大きく、目の前に迫りくるような存在感があります。中に入ると、国宝の薬師三尊像が参拝者を出迎えてくれます。薬師三尊像中心の薬師如来座像は2.5mもの高さがあり、金堂の薬師如来よりもふっくらと丸みを帯びているのが特徴です。両隣には日光菩薩・月光菩薩とよばれる脇侍が控えています。
薬師三尊像


法隆寺の国宝建築 夢殿 (東院伽藍)
口語短歌
「ロマンチック 気品に満ちた 佇まい 建築の真珠 神秘漂う」



東院伽藍は聖徳太子の居住地であった斑鳩宮跡につくられたもので、夢殿は聖徳太子の供養のために建てられました。東院伽藍の中心には、夢殿と呼ばれる八角円堂があります。ロマンチックな名前に違わず、その気品に満ちたたたずまいは、「建築の真珠」と言われています。堂内も厳かで、神秘的な空気が流れています。
救世観音像

夢殿の本尊は救世観音菩薩です。聖徳太子の等身を模したといわれ、創建より1100年以上、決して見てはならない絶対秘仏として護られてきました。像はすらりと細身な体つきで、顔におだやかな笑みをたたえています。絶対秘仏であったため保存状態はきわめてよく、その高さは178.8cm。本当に聖徳太子の等身大であれば、当時としてはかなりの長身といえるでしょう。

参照
https://www.travelbook.co.jp/topic/13994

「2021年軽井沢レイクガーデンに咲いた薔薇たち」
「ローズ・オブ・ピカーディ」2021年8月7日撮影

コメント一覧

knsw0805
@makkoro88 makkoroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
丁寧に読んで下さり嬉しいです。
「法隆寺の円柱、ギリシャと繋がり」本当にロマンを感じますよね。それから聖徳太子の等身を模した救世観音菩薩、身長178cmでイケメンですよね。1100年間絶対秘仏で見ることができなかったらしいですよ。
makkoro88
こんにちは。

奈良ですね!
息子がまだ幼いころに奈良へ旅行したなぁと懐かしくなりました。
USJからの奈良でした。
当時、実妹が奈良で就職してまして。
妹の案内で東大寺、猿沢池・五重塔あたりを回ったんです。
そして住んでるからこそ知ってる穴場の雑貨屋さんを巡ったりしました。
(憧れの奈良ホテルに泊まってテンション上がりましたwww)

法隆寺の円柱、すごく興味深いです。
ギリシャと繋がりが何かしらあったのかもしれないとか!
ロマンを感じます。

日本の木造建築は素晴らしい☆
次に行くときはもっとゆっくり観光したいです。
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