美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

今年の3年生作品

2017-12-02 20:49:06 | 日記
なかなか投稿に至らぬ日々…。
今年度はペースダウンやむを得ずです。

さて勤務校が変わっても、育てたい資質・能力は変わるわけではないので、この学校に合わせた題材を考え取り組ませています。

3年生の2学期以降の題材は「未来の自分像」。昨年までも他校で「木」をモチーフに自分の将来を考え、「未来の樹」として表現してもらっていましたが、それは前任校がりんごの木を育てていたからこその題材。
今年はシンプルに人体モチーフで取り組んでいます。

これまで学んできたこと全てを生かしすことをキーワードに、卒業制作として位置付け、やりたいことをトコトンやり尽くすよう取り組ませています。
絵を描くのが好きな子は、土台や人体像をキャンバスに絵画的な表現を。
美術が得意じゃない子は、材料の組み合わせでユニークな造形チャレンジを。
そんな感じです。


しかし、これまで扱ったことのない材料に多くの生徒が興味津々。
気づけば「材料の組み合わせ」中心に。
この題材で僕がよく用意する、ジオラマ素材、アクリル絵の具用のゲルメディウムが大人気。


主材料の軽量紙粘土を使った表現の工夫を指導する機会よりも、こちらの補助材料の使い方指導がメインになる毎時間です。

しかし、生徒も学級数も多いので、昨年までの2,30人を相手に指導していたのとは訳が違いすぎます。
きめ細やかな指導はできないのが苦しいです。
ここ数年で築いてきた指導スタイルや題材観がそうは簡単に変えられないので、極狭の水道もない美術室内をグルグルと小走りで回りながらの個別指導で毎時間疲れ果てます。
アイディアスケッチを集めて評価しつつ、アドバイスを書いていると何日も何日もかかります。
気づけば手のかかる生徒の陰で、何にも制作が捗ってない生徒もいたりします。

その学校に合った題材や指導スタイルも大事なのでしょうか?
今年度はもうこのまま進めるしかありませんが、来年度の立場が今年度同様なら考え直さなきゃ駄目かもしれません。

さて2学期も終盤になり、この学校でも放課後残って制作したい生徒、昼休みに制作したい生徒も出てき始めました。
完成に向けて頑張る子たちと連日コミュニケーションを深めながら、お手伝いする毎日となっております。
授業中には見えない生徒たち一人一人の個性が見えるし、授業中には語る余裕のない表現の意図、表現したい思いなんかもたくさん聞けて有意義な時間です。
残りわずかな制作期間となりましたが、だんだん美術の楽しさや表現する・造形することの楽しさに気づき始めた子も出てきたので、自分自身も満足し、他者にはあっと言わせることができるような作品を完成させることができるよう、最後までサポートしたいと思います。

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