美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

言葉のデザイン

2018-05-19 08:22:03 | 日記
すっかりアップが遅くなってしまいました。
昨年度末の記事がようやく完成。
新年度はやっぱり忙しいですね(ー ー;)
以下、全て昨年度3学期の取り組みについての内容です。

「何と読むんでしょうか?」
今年度1年生で実践を始めた題材です。
言葉の意味を形状化、デザインして表現してみたらどうなるだろう?
言語が違う人や、目や耳が不自由な人へでも伝えることができる言葉を美術的に作ることができたら面白いのでは?ユニバーサルデザインか…授業を進めながら気づいて、後付けで指導項目に加えました。
主に他者へ伝える形のデザイン、社会との繋がりなどを考える機会にしたいと思っています。

[工程]:8時間
❶相手に伝える意味をもつ日本語を書き出してみる→表現する言葉を決める
❷マインドマップで言葉のイメージを広げる
*ここまでで、小グループ活動や個々の交流の機会を何度も設けて、他者とのアイディア交流やサポートを意識。その学級、その日の雰囲気も見ながら、その時その時で交流の仕方を考えて指示。
❸アイディアスケッチから形のデザイン決定
*この辺りで今回は抽象表現を経験してみようと説明。抽象と具象の説明。簡単な鑑賞を組み込む。
*抽象表現はひとつの表現方法であり、これまでやったことがない表現方法だから、難しいと思うけどできる限りやってみよう!というスタンスで。
❹デザインした形を3Dイメージして計画書を作成
*頭の中でフワッとイメージした形状を、具体的な3Dイメージに変換していく。


❺軽量紙粘土で立体造形
*形をある程度作ってしまう。

❻乾燥後に形状を直す、仕上げる
*粘土造形や道具の技術面を指導。

❼最終仕上げ,解説カード作成,土台への固定


❽「何と読むんでしょうか?」鑑賞会
*解説を見るべく、土台の裏をのぞき込む姿がいい♪

❾展示

…場所がない。美術室前にしたら目立たない。そこが残念。
新年度を迎えても「気づかなかった!まだ見てない。」という生徒が続出。
逆に息が長い展示となっております。